「粛聖!! ロリ神レクイエム☆」問題に見るWeb時代のコンテンツの怖さ

なんというかさ、結局のところWebって文脈を守れるサービスってないよねーってことなんだよね。

かつては好きな人が好きな雑誌買って読む、好きな店に行く、みたいな世界だったのがさ、「良いと思ったことを直接共有する世界」に変わっちゃってるんだよね。かつてその共有を担っていたのはマスコミだったし、そこには恣意的な操作も入ったけど、ゾーニングやら番組という枠における文脈やらがあったわけで、まあ言ってみれば嫌なら見るな、は健全に機能していたってことなんだよね（だからこそ、視聴者側でのコントロールが効きづらい、ダメなCMが批判されがちだったわけ）。でも、Webのコンテンツ、特に実質フリーのコンテンツって、全てが特定のプラットフォームに集約されつつあるし、そこでOKならOK、NGならNG、フィルタリングは限定的にしか機能しないし、頑張って非表示にしてもすぐ別の同じものが現れてくる。そういうプラットフォームに支配される中で、見せたい人（ただし不特定）にだけ見せていくことが難しくなっているのは確かだよね。そして、どんなにひっそりとやろうとしても、外野の「バズらせたい人」が出てくることは制御できない。だから、全てのコンテンツはバズってしまう可能性があるし、そこにおいて嫌なら見るな、はちょっと難しくなったりもする。
でも、依然として、嫌なら見るなは重要な話であって、目に入ってしまうからといって見せられたって考えなくてもいいと思うんだけどね。そこは更にクリックした人自身の責任だよ、とは思う。

さて、今回の件なんだけど、騒いでる人の中でしぐれういの配信見たことある人ってどれだけいるんだろうね。おそらく大部分の人は見てないよね。関心ないなら批判もしなくていいんじゃって思うんだけど。もちろん目に触れてしまった部分について感想を漏らすくらいは見てしまったからには権利あると思うけど、ガチで批判するならやっぱり界隈の文脈というのは理解すべきだし、それで例えばキモいとか思ったら外野から見たらキモイね、と言っておけば良いんだと思うんだけど。どう考えても「お前らが騒がなければ社会的影響などない」ものではあると思う。まあ防犯ブザーの企業がキモい反応したせいで社会的影響を少しは考えないといけなくなったとは思う。あれは最大のギルティな行動だよなあ。

いずれにしても、そういう文化的な衝突が頻繁に起こりうる環境下で、他の文化を殊更に責め立て撃滅するってのは自分たちが逆の立場になったときになんも言い訳できず撃沈させられる、ということでもあるんだよね。それは不幸なことではない。だから外野はキモいって言っておけばいいと思う（しつこいけど）。