ソーシャルメディア別に、クチコミ投稿の購買転換率調査を実施した背景についてご説明しておきます。
すっかり発表から間が空いてしまいましたが(汗)
先日のアンバサダーサミットで、「クチコミ接触者の購買転換率調査」の調査結果をご紹介させて頂きました。
プレスリリースを元に、多数のメディアにも取り上げて頂いたようで、本当にありがたい限りです。
こちらで簡単に、調査の背景についてご紹介しておきたいと思います。
アンバサダーサミットで利用したスライドの一部も、記事の最後に添付しておきます。
今回の調査の目的は、主に二つでした。
■クチコミがどれぐらい購買に影響を与えているのかどうかを確認する
■ソーシャルメディアのサービス毎に違いがあることを確認する
簡単に一つずつご説明します。
■クチコミがどれぐらい購買に影響を与えているのかどうかを確認する
弊社は、企業のアンバサダープログラムを支援するのが主な業務ですが、その際に必ず問題になるのが「効果測定」です。
クチコミを重視した取り組みは、いわゆるデジタルマーケティングの効果測定がほとんどできません。
バナー広告であれば、クリックだけでなく、見ただけで効果が出たかどうかといういわゆる「アトリビューション分析」も行うことができます。
それにより100万インプレッションのバナー広告が、いわゆるコンバージョンにどれぐらい貢献しているかを数値で確認することができるわけです。
一方で、クチコミ投稿は、アトリビューション分析はおろか、リンクが入っていないケースも多いため、クリックの効果すら計れない場合がほとんどです。
そうなると、エクセルシート上は「クチコミは効果がない」という結論になりかねないわけです。
そこで、今回可視化したかったのは「クチコミが購買につながる事ってあるよね」という直感的な感覚の数値化でした。
今回の調査ではシンプルに「クチコミを見たことで、購入・来店に至った経験があるメディア」を選択してもらうことで、ソーシャルメディア上のクチコミ投稿が実際にユーザーの購買体験にどれぐらい影響してそうか、を確認しました。
もちろんWEBアンケート調査なので、アンケート回答者のバイアスはかかっていますが、どのような業種・業態においても、やはりクチコミの影響範囲は増えていそうだ、ということは可視化できたのではないかと考えています。
シートの一番右の「SNSいずれかは影響している」という項目は、ソーシャルメディア以前には存在しなかった数値なわけで。
リアルなクチコミだけだとこんなに高い数値にはならなかったと思われます。
(本当は30年間、これを時系列で見ていけたら面白いんでしょうけど)
■ソーシャルメディアのサービス毎に違いがあることを確認する
今回の調査でもうひとつ注力したのが、このソーシャルメディアのサービス毎の違いの可視化です。
日本は、比較的流行語大賞文化で、特にデジタル広告業界は毎年毎年新しいサービスに飛びついて話題化を狙う傾向が見られます。
ソーシャルメディアマーケティングブームの初期の頃も、最初はブログしかなかったのが、ツイッターブーム、Facebookブーム、LINEブームと毎年のように注力するサービスが変わった時期がありました。
その時に多くの広告業界人が、ツイッターからFacebookに移動したため、「ツイッターは終わった」と思い込んでしまった人が多かったのが象徴的な出来事と言えるでしょう。
実際には、その後もツイッターは着々とユーザーを増やしていて、今頃になって見直している企業が多かったりするわけです。
当然サービスの流行り廃りはあるのですが、一方でサービス事の特徴により実はメインのユーザー層が違うということがマーケティングの視点からは重要であると考えています。
そこで、今回はソーシャルメディア毎に購買転換率を偏差値化し、レーダーチャートにすることで、ソーシャルメディア毎の特色の違いが見えるように苦心してみました。
詳細は個別のチャートを見て頂ければと思いますが、思った以上にサービスの特徴と連動する調査結果が出てきたように感じています。
特にYouTubeがゲームやスマホアプリに強かったり、ブログが家電に強かったりというのは個人的には納得感ありました。
アンケートにご協力いただいた方々が真面目に回答頂いた結果だと思いますので、本当に感謝です。
もちろん、このデータはあくまで一般論です。
実際に企業にとって重要なのは、自社の製品やサービスはクチコミによって購買に影響が出ているかどうか。
これより深い調査は、アンケートだけでは難しいですし、弊社だけでもできませんので、一社一社のプロジェクトで細かく分析していく必要があるかなと考えております。
一緒に調査をしてみたいという企業担当者の方がおられましたら、是非お声がけ頂ければ幸いです。
ということで、当日のプレゼン資料のPDFをスライドシェアにアップしておきます。
(詳細の説明付きの資料は、ニーズがあったら公開しようと思いますが、今のところ公開予定はありません(汗))
なお、プレスリリースを記事で取り上げて頂いたメディアの方々の記事はこちらになります。