何故オタクがEXILEにハマったのか?HIGH&LOWというド級エンターテイメント

とにかく「アクションがすごい」と新作映画公開もあって盛り上がる
HIGH&LOWシリーズ
EXILEの事務所が主体となってお送りするこの巨大映画になぜ「EXILEが苦手」というパブリックイメージがあるオタクたちが夢中になってしまったのか、「俺たちはEXILEを誤解していた」その反省の言葉とともに一人のオタクは語る


ラブライブにも通じる青春の残滓

HIGH&LOWという作品を通して語られる巨大なテーマとして
「永遠じゃねえ、無限だよ」

という言葉がある、二人のバイク好きが初めてバイクに載った日の感動を「この瞬間が永遠に続けば良いのに」とつぶやいたことに「永遠じゃねえ、無限だよ」と相方が返したその傑作百合漫画のワンシーンのような青春の1ページがこのHIGH&LOWという物語、いや「青春の終わりと向き合う全ての漫画やアニメ」に通じる強烈なテーマを持っている。

HIGH&LOWの登場人物「琥珀」は初めてバイクに載った日の感動が「永遠」に続けばいいと願った、だが親友の龍也は「無限だよ」と「こんな感動的な日はこの先、生きてれば何度でも訪れる」そう信じる強い言葉が「無限」であった。そして彼らは仲間を増やし「MUGEN」というグループを結成する。

だがメンバーが格闘家としてプロデビューを果たすなどの理由でMUGENを辞める、親友の龍也も幼い頃からの夢だった洋食屋を開業するなどいわゆる「就職」してMUGENから卒業していく、そんな中で琥珀はただ一人「どうやったら何時までもMUGENを続けられるのか」を考えてしまう。
結成当初の願いだったはずの「あの日ぐらいの楽しい出来事は無限に訪れる」という意味が込められたはずの「MUGEN」というグループ名を前に「MUGENでの楽しかった日々が永遠になればいいのに…」と少女のようにピュアな願いを拗らせ始める琥珀さん…

この琥珀さんの抱えている気持ち、オタクなら共感出来るのではないだろうか…「このアニメが最終回を迎えずにずっと続けばいいのに」「卒業せずずっとこのサークルで遊んでいられればいいのに」いや身近に共感できなくても「こういうラスボスいるよな…」みたいな「この先幸せな未来はこないから時間を永遠に止めてしまいたい」ってラスボス結構いるよな…って感じに拗らせが止まらない琥珀さん

μ'sは3年生が卒業しても続けるべきか…それとも解散することで「高校生の間だけの永遠に思い出にして 自分たちは次の無限に踏み出すか」ラブライブ2期が描いたテーマにも同じ悩みを抱えた琥珀さんは果たしてどうなってしまうのか…

というのが過去編で本編はそんな琥珀さんの後輩世代であるコブラたちが主役まさにμ's無き世界に踏み出すAqoursごとく悩みださねばならない…

しかしHIGH&LOWはラブライブではないので解散したはずのμ'sである琥珀さんが再び街に帰ってくる「MUGENを永遠にしてやる…」「俺の時間はあの日から止まったままだ…」というラスボスとなって…

歌とダンスの代わりに喧嘩で自分を表現するラブライブ」と言われるそのシナリオにはオタクもかなり共感を得られるのではないだろうか。

予算がすごい

まず一般的にTwitterのオタクが思う邦画のダメな理由ランキング1位じゃないだろうか「予算がしょぼい」。
だがHIGH&LOWはEXILEの事務所がEXILEの稼いだ金を惜しみなく投入するという普通の映画には無いシステムによって意味不明な予算が投入され
「登場人物が乗ってるバイク1台1000万円(ハーレーのカスタムバイクだから)」「登場人物の衣装代だけで一億円」という意味不明な大予算が投入されている。衣装代が高いのは高級ブランド服を皆が着用しているからだがそれに加えて「本物を見て憧れて欲しい」という方針から「殴り合いのシーンでもそれっぽい服に着替えたりせず高級ブランド服上下のまま殴り合ったり飛んだり跳ねたり飛び蹴りしたりする」という驚愕のアクション撮影が行われるサンローランのレザージャケットに実を包んだ男が1000万のバイクに跨り悪い奴らを回し蹴りで倒すという光景は登場人物が着ている服の値段も含めて衝撃的な映像である。
予算があるとセットも証明もリッチになるし、不良高校である鬼邪高校チームの学校は全体にヒップホップ落書きが張り巡らされ、ゴミが撒き散らされ、机も意味不明な積み方をされている、予算が無いと「後で綺麗に片付けないといけないから」なんか小綺麗なものになってしまうが片付ける予算もあるのでびっくりするぐらい汚せる、映画の中にしかない異世界をきちんと作り上げているのだ

アクションがすごい

EXILEが嫌いでもオタクも知っているのが「EXILEはダンスができる」という点である、特にEXILEそのものが「ストリートダンスを世に広める」という初代Jソウルブラザーズを源流にしたグループであるがゆえに「ボーカル二人 残り全員ダンサー」みたいな極端な構成だったりするのがEXILE系のグループでとにかく彼らは「身体能力」が高い。EXILEに詳しくないオタクでも「スポーツマンNO1決定戦で佐野岳と死闘を繰り広げる関口メンディー」は何度も見たことがあるのではないだろうか?

そんな彼らの繰り出すアクションは常軌を逸したものである、HIGH&LOWを知らない人は「どうせ不良が喧嘩するやつでしょ?」と思うかもしれないが普通は不良が喧嘩するドラマでは仮面ライダーカブトみたいな回し蹴りを放ったりとかはしないのだが HIGH&LOWは気が狂ってるので平気でやる。その勢いたるや撮影中にマジの蹴りが入っちゃって骨が折れるとかそういうレベルである。

でなにせ恐ろしいのがこのドラマ、基本的にスタントマンを使わない…というと語弊がある、スタントマンは「ザコ敵」を演じるのでメインのキャラクターは皆「本人」がノースタントでアクションしている。
じゃあスタントマンは何してるかと言うと吹っ飛ばされて階段から落ちたり高いところから落ちたりやっぱりスタントマンにしかできないような見事なザコ敵具合を発揮している それを頑張って投げ飛ばしてる方のアクションも気合が入りすぎていておかしい
さっきからEXILE、EXILEと言っていたがそもそもこの作品を彩る出演者はEXILE関係者だけではない、海賊戦隊ゴーカイジャーでブルーを演じた山田裕貴、実写版東京喰種で一躍人気の窪田正孝、人気俳優として引っ張りだこの林遣都。今をときめく人気俳優たちが続々登場するのだが彼らもHIGH&LOWに出る以上を激しいアクションを繰り出す。

特にザ・ムービー2で駅の二階からワイヤーでターザンしながら降りてきてそのまま雑魚にとびかかり腕ひしぎ十字固めを決める林遣都の映像は何もかも気が狂っているとしか言いようがないのだが。

更にはパルクールアクションを主体とするルードボーイズチームではついに役者ではなく「全米パルクール選手権優勝者」であるパルクールアーティストのZENさんを役者として出演させ「本物のパルクール」でアクションさせるのだ、命綱無しで足場から足場へ飛ぶ姿はもはやこの映画でしか見られない驚異の一品だろう、なにせ本物がやっているのだから…

更にザ・ムービー2・3ではこのパルクール集団に「仮面ライダー鎧武」の主人公を演じたことでオタクにも大人気の「佐野岳」が参戦、本物のパルクールパフォーマーと並んでも謙遜無い異常なアクションを見せつけた。

そしてアクションが凄まじいのは別に役者だけの力ではない、HIGH&LOWのアクション監督は「実写版るろうに剣心」の驚異的なアクションを撮影したスタッフ陣によって行われているのである。
さらに映画二作目「HIGH&LOW REDRAIN」では仮面ライダーカブトでカッシスワーム人間態を演じ、ガタックのスーツを壊しちゃうアクションをした坂口拓がアクション監督を担当、「銃を持った相手を素手で制圧する武術 ゼロレンジコンバット」を映画内に登場させ映画のスケールはさらに予想外の方向に加速する!


魅力的な楽曲の数々

最初の項目で「歌とダンスの代わりに喧嘩するラブライブ」とは書いたものの何せEXILEコンテンツ、各チームごとにテーマソングがあり各チームが戦うときにはその曲が流れる豪華っぷり

「戦ってる最中に相手チームの曲に切り替わって相手チーム側が優勢になる」などもはやスーパーロボット大戦の攻撃してるロボの曲に変わるような切り替えかたで攻めてくる魅力的なキャラソンの数々に圧倒される

特に作中最強キャラクターである雨宮兄弟のテーマソングは
「ルシファー!吐き気がするまで愛してくれ!」という強烈な歌詞とギターバリバリのメロディラインに加えて、劇場版での
「登場人物のピンチに駆けつけると雨宮兄弟のテーマソングが流れて逆転する」という強制BGM書き換え力はトロンベもびっくりである

EXILEそのもののイメージ向上

登場人物の大半をEXILE系列の人が演じていることもあって、普段テレビなどでEXILEを見かけても「あ!○○役の人だ!」となって顔と名前が一致するようになり、EXILEが「ヤンキーが好きな怖い集団」から少しづつイメージが変わっていった、いやまぁヤンキーはEXILEの曲が好きだというのはイメージそのままだと思うのだが、「○○を演じた人は普段EXILEでどんな活動してるんだろう」と調べて行くと「EXILEそのものは別にヤンキーじゃないだな…」という事実に割とすぐ行き当たってこれまでの悪い印象がスッと抜ける、むしろこれまでの人生の大半2chのまとめブログに影響されてEXILEを馬鹿にしてたのは何だんだろうな…何故俺はあんな無駄な時間を…という気持ちに反省させられる

ここまでごちゃごちゃ書いてきたけど

このPVを見れば7分でだいたいのことがわかるから!見ろ!!!

青春からの卒業に苦悩するエモいシナリオ」と「日本で最もアクションが出来る人たちを集めて予算ジャブジャブ使ってアクションしてもらう豪華すぎる映像」が融合した夢のドラマ/映画シリーズがこのHIGH&LOWなのだ

他にも色々書ききれないことがいっぱいある、というかドラマが20話に映画が5本もあって今現在映画観で6本目の映画である「ザワースト」が公開中なのだが、このザワースト「最新作だけど入門編に最適」という作品なので「いや、過去作を全部見ないといけないタイプのコンテンツはちょっと…」とか「ガルパンは劇場版から初見したぜ!」というタイプのやつは今すぐ映画観に駆け込んでHIGH&LOWザワーストを見て欲しい 何でもいいからHIGH&LOWに触れてほしい!!!

見ろ!!!





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