2018年8月10日 / 涙の谷
メモ。
芥川龍之介や太宰治の小説には、詩篇の「涙の谷」という言葉が使われている。文語訳の詩篇第84篇6節は以下の通り:
かれらは涙の谷をすぐれども其処をおほくの泉あるところとなす また前の雨はもろもろの恵をもて之をおほへり
口語訳だと、以下のようになる:
彼らはバカの谷を通っても、そこを泉のある所とします。また前の雨は池をもってそこをおおいます。
この、「バカの谷」という言葉は、一瞬誤植ではないか、と戸惑ってしまう。「涙の谷」という、いわば雅な言葉もない(なお、「涙の谷」は、「嘆きの谷」とする版もある)。
このあたりの事情については、以下のエントリなどが詳しいようだ:
ちなみに、CiNii には論文もある:
この論文は入手したいなあ。