ヒモと暮らす
ヒモと暮らす
こんにちは。養い手です。2019年2月よりkentz1を養っています。
ヒモと呼ぶこともありますがkentz1は実際には専業主夫をやっています。料理、洗濯、掃除、ゴミ出し、麦茶作りなどを行なっています。その労働の対価として私は家、寝床、風呂、トイレ、食事、金銭、書籍、空気清浄機、ニンテンドースイッチなどを提供しています。
kentz1に「なんでうちに来たのか?」と問うたところ、「相対的に話が合った」ことと、「家を訪ねたところ結構汚かったから」とのことでした。「綺麗好きの家に住むのは辛くなりそう」「これくらい汚ければ許されそう」とのことです。
ヒモを迎えて最初に行なったのはこの家のルールの確認です。大きく次の5点を約束させました。
・死なない
・殺さない
・盗まない
・ギャンブルをしない
・ぬいぐるみと仲良くする(我が家にはぬいぐるみが11匹住んでいます)
です。あとはやっていくうちに適当に決まっていくだろ、と思っていましたし、実際そうなりました。
後からなんとなく決まっていったルール、ルーティーンは次のようなことです。
・朝食はだいたい私(養い手)がつくる
・夕食はヒモ(kentz1)がつくる
・鼻をかむなどしたティッシュはゴミ箱の中に入れる(kentz1が適当に投げたティッシュがゴミ箱の外にあった場合、注意が行われます)
・ゴミ出しはヒモがやる
・食パンは私が買ってくる(スーパーなどで売っている食パンが食べられないため、パン屋の焼きたてのやつを買いたい)
金銭ですが、週ごとに食費とお小遣いをまとめて渡しています。食費をいい感じにやりくりすると、kentz1の手元に残る額が増えるシステムです。一応定期的に額が適正か確認していますが、ヒモがかなりどんぶり勘定でやっているためよくわかりません。
二人分の食費/雑費はレシートや家計簿で管理して厳密にやるという手もあるとは思うのですが、我々にそんなことは到底不可能なのでどんぶり勘定システムにしています。今の所問題は起こっていません。
kentz1がうちに来た日に、「土井善晴のレシピ100 料理がわかれば楽しくなる、おいしくなる 」を渡しました。
https://www.amazon.co.jp/dp/4054052320/
とりあえず土井先生のレシピさえ押さえとけば家庭料理はいけるやろ、という作戦です。
当初こそ肉じゃがを一部炭化した芋ペーストにしてしまったkentz1ですが、レシピを厳格に守ることを徹底した結果、かなり美味しいご飯をつくるようになりました。
これはかなりいい感じのハンバーグ。付け合わせのキャベツはカレー味。
教訓として、レシピを探すときはなるべく課金して情報を得るべき、インターネットの無料の情報はクソ、というのがあります。というわけで、レシピ本はその後も買い足しています。
仕事から帰るとそこそこうまい飯がある、というのはかなり精神にいいです。健康にも家計にもいい。ヒモがいない場合ほぼコンビニ飯か外食になっていたと思うので、二人分であっても自炊メインならばコスパは良いです。正確に計算してないからわからんけど。
光熱費と水道代は一人で暮らしていた頃の1.5倍になり、水道局から「水漏れでもしてんの!?」という連絡が来ました。しかしまあめっちゃ困るほどではないです。
ヒモのために買った一番高いものは今の所空気清浄機です。ヒモは花粉症がやばかったので買いました。ヒモの前の家にあった空気清浄機はなんかホコリまみれでやだったので捨てさせました。今のはシャープのいいやつ。課金は重要。
結論として、ヒモはQOL上昇にかなり貢献しており、コスパもかなりいいです。
意外と共同生活も成立しており、特にストレスなく過ごしています(私は)。
個人的には、kentz1の未来に投資しているという感覚は全くなく、私たちの現在に課金している、という感じです。
家に来て二日目に、あ、これはデカめの猫だな〜と思い、そのまま今に至ります。自分で自分の食事を用意する猫はかなりいいと思います。しかし放っておくとカロリーメイトしか食べなくなるので、極力栄養価の高いものを食べるよう誘導してやる必要があります。
特に深く考えずに共同生活をはじめ、特に深く考えずに暮らしています。強いて言えば、働かない人間への風当たりが強いこの世で、社会の規範を多少撹乱できるといいかなという気持ちはあります。
彼がなにがしかを成し遂げ、いっぱしの何かになることを望んでいるなら、それを応援しますが、もし彼が専業主夫のまま100年が過ぎても、我々が幸せなら何の問題もありません。
(文:養い手)