個人で作ったWebサービスを最初の100人に使ってもらうまで
こんにちは。かとのぼと申します。個人でWebサービスを開発しています。
今回は、私が作ったWebサービス「メモや日記ついでに英語学習」が、登録ユーザー100人を突破したことが嬉しくて、その喜びや過程や苦労をnoteに書くことにしました。
Webサービスは、企業が提供しているイメージが強いと思いますが、実は個人で運営しているWebサービスも数多くあります。
そのような個人でWebサービスを開発する人たちを「個人開発者」と呼びます。私もこの「個人開発者」です。
今回は、個人開発で作ったサービスがどうやって100人のユーザーを獲得するようになったのか?と言う内容を記事をしました。
クリエイターの方、起業を考えている方、副業で個人でWebサービスを作りたいと考えている方、IT企業に入られた方、プログラミングを始めたばかりの方などは是非読んで欲しいなと思っています。
どんなサービス?
「メモや日記ついでに英語学習」は、その名前の通り、メモや日記を書いた"ついで"に英語の勉強ができるサービスです。
日本語を入力して登録すると、自動でGoogle翻訳を行い英語の単語帳のようになり、英語の例文暗記の教材となります。
本の英語の例文を覚えるよりは、まずは自分が普段使う言葉を英語で覚えた方が、自分の頭から出てきた言葉だから覚えるの使うのも簡単だよね?と思って開発しました。
英語学習のハードルを下げることを目的としています。
ユーザー100人…それって凄いの?
えーと…、一般的に見ると、全く大したことはないです。
ただ私の場合、実はこのサービスの前に、新しいサービスを開発しては閉鎖を繰り返し、気がつけばその数は19個になっていました。
期間で言うと最初に個人でWebサービスをリリースしてから、ここまで来るのに1年半かかりました。随分と私にはセンスがなかった訳です。
ここで少し話が脱線しますが、最初の作ったサービスのことも書かせてください。
初めて作ったWebサービスは2人
私が一番最初に個人でWebサービスを作ったのは今から1年半ほど前です。当時、Amazonプライムで観れる「バチェラー」にハマっていたのですが、残念ながら私の周りに「バチェラー」を観ている人はいませんでした。
Twitterで感想を呟きたかったのですが、ネット配信の番組は観るタイミングは人それぞれで常にネタバレの危険もありますから、迂闊に呟くことができません。
そこで、バチェラーなどネット配信番組を観た感想を気兼ねなく語れる掲示板のようなサービスを作ろうと決めました。
HTMLやCSSなどを独学で学習して3か月、サイトは完成しました。その当時は何かに取り憑かれたかのように毎日ずっとパソコンに向かっていました。
完成した時は、ものすごく嬉しかったのを覚えています。
これでバチェラーを話せる友達ができる!と意気揚々とリリースしました。
今となれば笑ってしまいますが、「アクセスが増えすぎたらどうしよう」と本気で心配をしていました。
…ところが、
結局、このWebサービスを使ってくれた人は私を除いて2人だけでした。
これは初日の数字ではなく、サービスを終了するまでの合計の人数です。
Twitterでも宣伝しましたが、「いいね」はついても、そこから実際に使ってくれる人はほとんどいませんでした。
自分のコメントだけがずっと残り続ける掲示板…。
数時間おきに気になってサイトを見るけど、ずっと変わらない画面…。
これでは山に向かって叫ぶ「やまびこ」と一緒ではないか…
いや、こだまが返ってくる「やまびこ」の方がまだマシという有様でした。
「誰も君のことを注目していない」というセリフがあります。
普通は「自分が思っているより他人は自分のことを注目していないから、思いっきり挑戦しなよ。」とプラスのニュアンスで使いますが、私は、個人でサービスを作った時ほどこの言葉に叩きのめされたことはありません。
「誰もお前の作ったサービスなんて興味ない」そう言われたようでした。
「2人」
数字はどこまでも正直で、自分が何ヶ月かけてこのサービスを作ったのか?どれだけ睡眠時間を削ったのか?と言った努力とは関係なく事実を突きつけてきました。
とにかく作り続ける
初めて作ったサービスの惨敗を受けて、どうやら自分にはWebサービスを一発で流行らせるようなセンスはないようだと悟りました。
同時にものすごく悔しくて、絶対にリベンジしてやると思いました。
私たちが普段目にするかっこいいWebサービスが持つ「誰もが一発で覚えるようなキャッチコピー」「洗練されたデザイン」「誰も使いたくなるサービス自体の華やかさ」は才能の塊のような天才たちが作るから実現できているのだと、自分で作って初めてわかりました。
そこで、才能がないなら、自分はとにかく沢山サービスを作ろうと決めました。
正直、数をたくさん作ること以外、良い方法を思いつかなかったからです。
最低でも毎月一つWebサービスを作ることを自分に課しました。
サービスを作り、発表する。これを繰り返すことで少しずつでも前進していこうと決めたのです。
作り続けることで得たメリット
毎月Webサービスを作り続けることで得たメリットは沢山ありました。
第一に、コードの再利用ができるから、作れば作るほどサービスがブラッシュアップされて、しかも次のサービスを簡単に作れるようになりました。
Webサービスはコードを組み立てて作りますが、一度作ったコードはコピーすることができるので、そのコードを再利用することができます。
そのため、Webサービスを作れば作るほど、サービスはブラッシュアップされ、かつどんどん作るのが楽になっていきます。
第二に、「自分のできること、できないこと」「自分の得意なこと、苦手なこと」が徐々にわかるようになりました。
私の場合はデザインが苦手だとわかったので、すでに用意されているデザインを使うなど、割り切りができるようになりました。
第三に、毎月Webサービスを作って発表していたら、応援してくれる人が現れるようになりました。
これが一番大きな変化だと思います。
実は、Webサービスを単発で発表しても、そのサービス自体が抜群に優れたサービスでないと全く注目されません。
ただ、これが毎月Webサービスを発表し続けたら、「なんか常にサービス開発している変な奴がいるな」と自分自身に興味を持ってもらえることが増えたのです。
個人でサービスを作る人は多いですが、常に作りまくってる人はそこまでおらず、そういった意味で目立つことができました。
いつもと違う反応
「メモや日記ついでに英語学習」も、いつもより特別に自信があったものではありません(いつも絶対にイケると思っています)。
ところが、Twitterで発表した後の反響がいつもと全く違っていました。
Twitterで拡散してくれる方や、直接DMで自分が使った感想や改善点を教えてくれる人が沢山現れたのです。
こういった反応は、以前はあってもごくわずかだったので、たくさんの反響があって驚きました。
「ちょうど、こういった機能が欲しかった」と言ってくれた人もいました。
機能の改善をしたことをTwitterで宣伝するなど、地道に宣伝をしていたところ、毎日1〜2人が新規に登録してくれるようになりました。
そして、サービス発表から40日、ついにユーザー数100人を突破しました!
やっとスタート地点に立てた
使ってくれる人がいる、これは本当にありがたいことです。
今まで、どんなに頑張ってサービスを作っても使ってくれる人がいませんでした。これは思った以上にしんどいものです。
何より、使ってくれるユーザーの方がいれば、サービスの改善を行うことができます。
以前、Airbnbの創業者が、「まずは100人のユーザーに愛されること」が一番大事だと言っている記事を読んだことがありました。
「まずは100人のユーザーに愛されること」 Airbnb創業者が“1番ためになった”と語る、Yコンビネータの教え
この記事を読んだ時は、Webサービスを作っていなかったので、「ふーん」と思っただけでした。
けど実は、100人に使ってもらえること自体、実は凄い大変だったんだと気付きました。
そう言った意味で、自分はようやくWebサービス開発のスタートに立てたのかもしれません。
どうやって今使ってくれている人にさらに便利に使ってもらえるか?
どうやってより多くの人に知ってもらうことができるか?
それをどうやって実現しようかと考えるとワクワクします。
時々、以前の私と同じように、個人で何ヶ月もかけてWebサービスを作ったものの、それが全く反響がなくて絶望し、個人開発を辞めてしまう人がいます。
そんな人はとても勿体無いなと思います。
私のように馬鹿みたいに遠回りでも、作り続ければ少しずつ前進できるはずです。
苦労と工夫の結果、自分が作ったサービスを使ってくれた人に「ありがとう」と言われるのは、ちょっと他では得られない快感だと思います。
今後について
私は、今はもうWebサービス作りにすっかり魅了されてしまっています。
寝ても覚めても個人開発のことばかり考えてしまっています。
ドラクエで言えばやっとレベル2になれたかな?と感じています。武器も防具も貧弱ですが、やっと次の町に進める道が分かったような気持ちです。
これからどんなチャレンジが待っているのか、とても楽しみです。
終わり。
追記2023年3月14日:個人開発だけで稼げるようになり、この度、その経験を書いた本をKindleアンリミテッドで出しました。アンリミテッド会員なら無料で読めますので、ぜひ読んでみてください。