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プロダクト価値の最大化に向けたPdMとPMMの役割について

この記事は 株式会社ログラス Productチーム Advent Calendar 2024 のシリーズ 2、7日目 の記事です。

こんにちは!ログラスでVP of Revenueを務めている浅見です。ビジネスサイドの責任者として日々奮闘していますが、以前はPMMの立ち上げにも携わっていました。

今回は、よく語られるPdMとPMMの役割の違いについて、私なりの考えを共有させていただきます。以下の内容は、あくまでも私の経験から導き出した一つの考え方であり、正解を示すものではありません。ただ、この視点がプロダクト開発や事業責任者の方々の参考になれば幸いです。

Fairway ZoneとOB Zone

BtoBのSaaSプロダクトを提供する上で、常に頭を悩ませるのが「私たちはどこまでのお客様に価値を届けられるのか?」という問いです。ログラスでも、日々の活動の中で、この問いと向き合い続けています。

この問いに向き合う中で、私たちは"Fairway Zone"と"OB Zone"という考え方を持つようになりました。ゴルフをされる方なら想像しやすいと思うのですが、Fairway Zoneは確実にボールを転がせる芝生エリア、OB Zoneはボールを失ってしまう範囲外のエリアといったイメージです。

どんなに素晴らしいプロダクトでも、全てのお客様に同じように価値を届けられるわけではありません。私たちも、経営管理という領域で、この現実と向き合いながらプロダクトを育ててきました。時には「このお客様には価値を届けきれないかもしれない」と、勇気を持って判断することも必要でした。

Fairway Zoneの特徴

プロダクトが本来の価値を存分に発揮できる領域です。お客様の課題にバッチリとソリューションを提供でき、高いNRRも期待できます。何より、お客様が「これ、いいね!」と声を出して実感してくださる。そんな領域です。

具体的には以下のような特徴があります:

  • お客様の課題とプロダクトの提供価値が明確にマッチする

  • 導入後の運用がスムーズで、追加の支援工数が適度

  • お客様からの前向きなフィードバックが多い

  • 解約リスクが低く、アップセルの機会が生まれやすい

  • プロダクト改善の方向性が見えやすい

OB Zoneの特徴

逆に、プロダクトの価値を十分に届けきれない領域です。いくら営業やCSが頑張っても、なかなかお客様に満足していただけない。そんなケースが出やすい領域です。

具体的には以下のような特徴が見られます:

  • お客様の期待値とプロダクトの提供価値にギャップがある

  • 導入や運用に想定以上の工数がかかる

  • カスタマイズ要望が多く、開発負荷が高い

  • 解約リスクが高く、事業効率が悪化しやすい

  • プロダクトの方向性が定まりにくい

PdMとPMMの役割:"絞る"と"広げる"

この2つのゾーンに対して、PdMとPMMは異なるアプローチで取り組みます。面白いのは、それぞれの役割が"絞る""広げる"という、ある意味で相反する方向性を持っているところです。

PdMの仕事は"絞る"こと

PdMは、Fairwayのど真ん中、すなわちCore Value Propを見つけ出し、そこに集中します。「このユースケースなら間違いなく価値を届けられる」というコアな部分を特定し、そこでの体験を徹底的に磨き上げていきます。

私がPdMの皆さんと働いて感じたのは、この"絞る"という判断の難しさと重要性です。たくさんの機能要望やフィードバックの中から、本当に注力すべきポイントを見極める。それは時として、"やらないこと"を決める勇気も必要とします。

具体的な取り組みとしては:

  • お客様との徹底的な対話による課題の本質理解

  • 定量・定性データに基づく成功パターンの特定

  • コア機能の開発優先順位付けとリソース配分

  • プロダクトロードマップの策定と実行

  • 新機能のリリース判断と効果測定

  • 技術的負債の管理と投資判断

  • ステークホルダーとの合意形成

PMMの仕事は"広げる"こと

一方、PMMは、PdMが見つけたコア価値を、より多くのお客様に届けられるようFairwayゾーンを"広げて"いきます。「このユースケースで成功した価値って、実はこんなお客様にも届けられるのでは?」という視点で展開していきます。

私自身、ログラスでPMMを立ち上げた際、この"広げる"という役割の重要性を強く実感しました。経営管理という複雑な領域で、最初は限られたユースケースしか対応することができませんでしたが、成功事例を丁寧に分析し、その本質的な価値を見出すことで、少しずつ価値の届けられる範囲を広げていくことができました。

具体的な取り組みとしては:

  • 成功事例の分析と抽象化による横展開

  • 新規市場やセグメントの開拓

  • 競合分析とポジショニングの最適化

  • マーケティングメッセージの策定と改善

  • 業界別の価値訴求方法の確立

  • カスタマージャーニーの設計と最適化

  • 市場トレンドの分析と戦略への反映

  • セールス・CSとの密な連携による市場理解の深化

おわりに

スタートアップにおけるプロダクトの成長において、この"絞る"と"広げる"のバランスが重要だと考えています。PdMが見つけた確実な価値を、PMMが巧みに展開していく。このサイクルがうまく回ると、プロダクトは持続的に成長することができます。

ログラスでも、この考えのもと、PdMとPMM(の役割を担うチーム)が密に連携しながら、プロダクトの価値最大化に取り組んでいます。時には意見がぶつかっていくこともありますが、それも含めて健全な緊張関係だと感じています。

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