Notionはこだわったら負け? 情報整理癖の備忘録
Notionの使用経験と情報管理について
Notionを使っている。
2021年くらいには、EvernoteからNotionに移行しているはずだ。
用途は色々と変遷してきた。
メモ、WEBクリップ、執筆、読書管理、タスク管理、一般的な使い方は全て試していると思う。
現在の使用状況
結果として、僕は現在NotionをWEBクリップと読書管理にだけ使用している。全ての知識を集約させたいという欲求は、本当の意味では全てではない、と思ったからだ。
禅問答みたいなことを言ってしまったが、要は、タスクなんて保管しといても二度と見ない、と思っちゃった。
その理由として、情報と管理負荷の肥大化がある。
タスク管理の変遷
Notionはタスク管理において優れた機能を有している。正直なところ、これはそこまで悪くなかった。しかし、そもそも僕はタスク管理が下手だった。管理できるほどにタスクを消化する能力がない。
管理に満足して実行しない。実行したものといえば管理してなかった謎のタスク。
そもそも、情報を整理することが性癖なだけで、実行することは大嫌いなんだと、僕はやっと気がついた。
整然と並んだ情報を、布団の中でうとうとしながら眺めるのが好きんだ。そして多分これは大抵の人に少なからず当てはまる。
まず、タスク管理はTickTickというタスク管理アプリに移行した。前述の通り、僕はそもそも管理能力が低いので移行したところでボロボロだ。TickTickは有料だが、その機能の多くはNotionで代替できる。僕は自分の管理能力の低さへの罰として有料アプリを使っている。
僕の愚かなところは、金を払っているんだからタスクは遅延しても構わない、と思い始めているところだ。
救いようのない奴もいるもんだ。
執筆環境としてのNotion
Notionはブロックエディタだ。今書いているこの「note」もそうだが、僕がNotionで唯一好きになれないのはこの部分。
小説を書く人間は、おそらくブロック単位で色々できるよりも普通にメモにベタ打ちした方が効率がいいはずだ。Notionでそれを行う手段はいくらでもある(コードブロックを使う、など)が、デフォルトでそうなっていないのが面倒なので、執筆自体は僕はNotion上では行なっていない。
一応、留保しておくならば、長文の執筆以外ではこの仕組みは大いに受け入れている。
大好き、ブロック。
読書管理システム
読書管理。
これは実は外部サービスの方が一般的には受け入れやすいだろう。ブクログや読書メーターを使えば面倒な下準備はいらない。
しかし、僕はとある事情でこれを自前のデータベース上で管理したいので、Notionで管理している。それは一覧できて、検索できて、並び替えられて、フィルターできる、という自由度が、趣味の活動に必要だからだ。
僕はシャカミスというミステリ研究会に所属している。こ
こでは毎年新刊のランキング投票を行なっている。新刊とは今年出た新刊、ではなく12月1日から1年間、みたいにかなり半端なのだ。大人の都合なのでこれは変えられない。
既存のサービスではこういう括り方はできないので、自分で作るしかない。
というのは表上の理由だ。
前述の通り、僕はデータを整理して並べるのが性癖なので、多分データを並べたいだけだと思う。
データを並べ合うデートができる彼女募集中。
読書管理のテクニック
ちなみに、実物はこんな感じ。
Notionの最大のテクニックは、テクニックを使わないことだと思っているので、余計なことは書かないつもりだ。
ただ、一つ有用なことを言うならば、プロパティの中に感想を書いた方がいい。わかる人にはわかると思うが。
読了日はNotionカレンダーからGoogleカレンダーに同期されて書き込まれる。
読書管理においてはデータベースのど真ん中な使い方の一つなのでおすすめ。
WEBクリップの課題
そして、WEBクリップの話。これが、僕をいつも悩ませる。
結論としては、WEBクリップはNotionでやるのが最適ではある。
僕の場合、読書管理がNotionにある以上、あらゆる見返す可能性がある情報は同じ場所に置いておくのが合理的だ。
競合のメモ・ノートアプリであるObsidianなども導入は検討しているが、情報を分断するのがどうにも気持ち悪かった。使い勝手は最高だったから、読書管理をObsidianで初めていたら全てObsidianに揃えたかもしれないけれど。
タグ管理の悩み
僕の欲求はデータを並べて整理して引き出せるようにしておくことだ。前述の通り、最悪それが使われなくてもいい。情報が並んでいるのが気持ちいいだけのやつなので。
悩みは、「タグ」だ。タグは厄介だ。情報を整理したい癖のやつにとって、タグはメフィストフェレスの如く囁きかける「劇薬」だ。情報管理癖の人間の理想的な状態は「MECE」であることだ。つまり、漏れなく、ダブりなく。しかし理想に反して、タグは使えば使うほど増えていく。
みたらし団子100選と言うレビュー記事をクリップしたとする。この記事にどんなタグを使うべきか。
「お菓子」「和菓子」「しょっぱい」「甘い」「団子」
「ランキング記事」「後で読む」「いつか行きたい場所」
発狂してしまう。タグを何も考えずに量産するとこうなる。しかも最初に「お菓子」だけあって後から「和菓子」と言うタグを作ってしまったら、全ての「お菓子」タグのクリップを見にいって「和菓子」タグを付けるか判断する必要がある。しかも対概念の「洋菓子」も作らねばならない。じゃあ、クリーム鯛焼きは? 和菓子? 洋菓子? やっぱ、「お菓子」に統一しようか? ぎゃああああああああ
何もつけないのが一番美しい。結論としてはそうなる。
AIによるタグ設計の提案
まあそうもいかないので、どこかで僕らは落とし所を見つけなければならない。もう考えるのも狂いそうなので、AIに頼もう!
というわけで、AIに聞いてみた。
AIとの対話
Q: Notionのナレッジ管理としてデータベースを作っています。タグが煩雑になるのが嫌なので、最低限かつなるべくミニマルなタグを作りたいと思っています。案を出してください。
A: タグの設計について、シンプルで効果的なタグ体系を考えてみましょう。
まず基本的なタグとして:
コンテンツの性質:
#ref (参考資料/外部情報)
#note (自分の考え/メモ)
#how (手順/方法論)
分野:
#dev (開発/技術)
#biz (ビジネス)
#design (デザイン)
#org (組織/チーム)
このシステムの特徴:
タグは全て4文字以下で入力の手間を最小化
複数のタグを組み合わせて柔軟に対応
必要最低限のカテゴリーに留めることで管理を簡素化
Q: 私はプライベート、会社員、社会人サークル会員、の三つの立場を持っています。それらを区別したいです。メモの内容として多いのは、備忘録、Webページ、興味のある知識、思考、アイディア、原稿などです。
A: なるほど、立場と主なコンテンツタイプに基づいて、シンプルなタグ体系を提案させていただきます。
立場/コンテキスト(必須タグ):
#priv (プライベート)
#work (会社員)
#club (社会人サークル)
コンテンツタイプ(必須タグ):
#memo (備忘録)
#web (Webページ/参考情報)
#know (知識/学び)
#idea (アイデア/思考)
#text (原稿/文章)
Q: 私の考えと非常に近い整理法です。この運用で悩んでいるのは、Wikipediaなどのクリップは、WEBであり知識でもあります。思考がエッセイになれば思考と原稿が重複します。このように、ジャンル分けがどちらかに割り切れない場合があり、困っています。
A: コンテンツの性質が重複する場合の対処方法として、2つのアプローチを提案します:
アプローチ1: プライマリとセカンダリを決める
主となる用途/目的でタグを決める
例:Wikipediaの記事は、「参考として保存したいのか」「知識として学びたいのか」の主目的で判断
例:エッセイも「アイデアを練るのが目的なのか」「文章として残すのが目的なのか」で判断
メリット:
タグ付けの判断基準が明確
検索時にノイズが少ない
デメリット:
副次的な性質での検索がしづらい
アプローチ2: 柔軟なマルチタグを許容
現状の体系を少し変更し:
#web → #src (source/情報源)
#know → #study (学習目的)
#idea → #think (思考プロセス)
#text → #write (執筆成果物)
#memo (変更なし)
そして、必要に応じて複数付与:
Wikipediaクリップ → #src #study
思考から発展した原稿 → #think #write
提案:まずはアプローチ1の「主目的での割り切り」から始めることをお勧めします。
理由:
シンプルな運用から始められる
実際の使用感を見ながら調整できる
完璧を目指すよりも、使いやすさを優先できる
Q: 具体的なタグ構成は?
A: シンプルな2軸構成を提案します:
立場タグ(必須):
#priv(パープル)
#work(ブルー)
#club(グリーン)
目的タグ(必須):
#memo(グレー - 備忘録、手順など)
#web(オレンジ - 参考URL、記事クリップ)
#know(イエロー - 学習内容、知識整理)
#idea(ピンク - アイデア、思考メモ)
#text(ブラウン - 原稿、文章作品)
ルール:
各軸から1つずつ選ぶ
迷う場合は「なぜこれを保存するのか」という目的で判断
配色の意図:
立場タグは落ち着いた色調で区分
目的タグは機能や性質に合わせた直感的な色を選択
すべての色の組み合わせで視認性を確保
まとめ
というわけで、これでオールクリア。
最適ではないし不完全だが、そもそも完璧にこなすなんて土台無理な話。
僕みたいにタスク管理や執筆は分離してしまうと、いっそ楽だと思う。それもAIに相談してみるといい。AIは否定してこないので、後押ししてくれるはずだ。いい加減になってもいいんだって。
そして、僕と同じ変態的な情報整理好きで、タグの肥大化に悩んでいたら、これもAIに聞くのがおすすめ。自分で考えたわけでもないのでかえって採用しやすいのではないだろうか? データのことはデータに聞くべし。
ダジャレは通じないようだが。