
コロナ短歌
花弁の上、怒涛のみぞれが舞い降りる 窓の中には私とあなた
オンライン 繋いで聴こえて漏れてくる 飲み会? ラジオ? さまよう言葉
期待してなかったZoom交流会 仮想背景みんな笑った
笑い声も涙声もいつも聞こえてる 内緒話が許されない壁
アフターコロナまで持つかなこのスーツ スポーツジムにも行けない世界
お留守番 靴にかばんに社員証 次の出番はいつになるかな
リモートワークの孤独と引き換えに睡眠時間1時間増やす
当分は必要ないかな腕時計 思い出とともに机にしまう
「このままわたしたち幸せになれるかな」そんなふたりのロック・ダウンは
いっそのことコロナになってしまいたい 靴音立てて徘徊する夜
だれひとり会いたくない雪の日曜日 #お家時間 があってよかった
コロナ禍で離れた縁と結ばれた縁はどちらが多いだろうか
志村けん、だれかに似てるんだよなぁと思い出しながら記事を眺める
地位も金も容姿も関係ない不幸 希望は戦争、こういうことか
こんなときでもタワマンの最上階から見る夜景は変わらずきれいで
数えてみたら意外と多かったZoomを使って人と「会う」予定
ストレスのニキビを隠してしまいたくてズームのカメラにライトをかざす
すっぴんの私も気づいてくれるのねSurface Pro顔認証システム
迷信のような指針があることに安心できぬ虚無の夕方
ブルーベリーフラペチーノで打倒コロナひと月前まで彼方に遠く
よく考えてコロナウイルスかかった人あんまいないならどれほどいいか
志村けんに似た恩師のあの人はどこにいますか何をしていますか
リモートで絡まる我が家のコンセント スマートにはまだ程遠い部屋
初詣引いたおみくじ大吉で喜んだぶんの差額ください
あの人の中で私は何番目? 不要不急の優先順位は
コロナ明けお皿に和牛の肉よりもシーツの上でヒトに会いたい
誰なんだコロナ終活とかいって余計な不安を煽る輩は
部屋にいるので断捨離するのは良いけれど「終活」はダメだ、30代では
志村けんに余計な要素を背負わせてそうそうこれがいつものネットだ
もう一度写真を撮ってこれるのならどこへ行こうかだれを撮ろうか
物語ではよく出てくるようなこと なんでもない日が幸せな日々