ユカイな驚きを届ける | ユカイ工学コネクティブエンジニア 宮﨑 裕輔 インタビュー
みなさんこんにちは。デザイナーの はらだ です。
先日、ChatGPT活用のBOCCO emo会話機能「変身エモちゃん」に新キャラクター「サンタちゃん」が登場しました!
12月25日までの期間限定ですので、ぜひお試しください!
さて、今回はBOCCO emoのソフトウェア開発を担当している、エンジニアの宮﨑さんに話を聞きました。
人と人を繋ぐ、ものづくりを
—— 肩書きにある「コネクティブエンジニア」って初めて聞きました。
宮﨑
実はそれ、自分で命名したんです。通常であれば「エンジニア」とするところですが、アレンジしてもよかったので「人と人を繋ぐプロダクトを作りたい」という想いを込めて「コネクティブエンジニア」にしました。
昔からアイデアを考えて、作って、人に喜んでもらうのが好きなんですよね。だから、私の行動の根幹には「人と人を繋ぎたい」気持ちがあって。肩書きもそれが表れるようにしたかったんです。
ものづくりは昔から好きで、本格的にプログラミングを始めたのは大学2年生からでした。初めて作ったのが、Wiiリモコンを使ったイライラ棒ゲーム。
プログラミングの「プ」の字も知らない初心者だったので、設計思想とかデザインパターンとかもガン無視で…今思い出すとひどいコードだったと思います。でも、とにかく夢中で書きあげました。
できあがったイライラ棒ゲームは、文化祭でお披露目したのですが、子どもたちが行列を作ってくれるくらいたくさん遊んでくれたんです。あれは本当に嬉しかった。この経験が自分にとって結構大きくて…エンジニアリングの道を進む大きな要因になったと思います。
自分の意思で動ける場所を探していた
—— 海上自衛官から心機一転、ユカイ工学を選んだきっかけは?
宮﨑
30歳を節目に、自分でものづくりができる会社に転職しようと決意したんです。大学院でもロボットの研究をしていたこともあって、IoTを活用して人とつながるプロダクトを作る会社を探していました。あとは、大きい会社だと身動きが取りづらいと感じたので、自分の意思で動けるベンチャーであることが絶対条件でした。そんな中で見つけたのがユカイ工学でした。
初めてオフィスを見た時は、研究室や工房みたいだと思いました。ちょうど良いごちゃごちゃ感というか…何でもできそうな可能性を感じたんですよね。
入社したのが2021年の春だったので、ちょうどBOCCO emoがリリースされたあたりだったかな?面接をしてくれたCEOの青木さんも、CPOの多賀谷さんもソフトウェアチームのメンバーも本当に忙しそうだったのを覚えています。
でも、不思議と不安はなくて、ここなら上手くやれそうだな、と直感しました。
やるなら素早く、面白く
—— ユカイ工学に入社してから印象深いお仕事は何でしたか?
宮﨑
BOCCO emo及びBOCCOボタンとデジタルサイネージの連携プロジェクトですね。それぞれを連携させることで、人とロボットの間にインタラクションを起こすことができるようになります。
これを活用したのが不動産内見案内システムです。
具体的に何をするかというと、販売中の不動産物件の内見来場者を「BOCCO emo」がお出迎えして、物件のおすすめポイントを紹介します。また、対話によるお問い合わせ対応や、BOCCOボタンによるアンケート取得も行えます。
このシステムとても汎用性が高くて、来場者アンケートに活用したケースもあります。他にも、自動化して営業用ツールとして活用したり、簡単なゲームにも転用できるんですよ。
—— このプロジェクトもそうですが、宮﨑さんは普段から企画提案をよくしてくれますよね!
宮﨑
前職では現場の意見を聞いて、改善策を上に投げて承認をもらう、みたいなことをひたすらやっていたので、それが活きているのかもしれません。
それに飽きっぽい性格なので、作りたいと思ったら即行動するように意識しています。
このプロジェクトも元々は、動画をひたすらループするような一方的なコンテンツ内容でした。でも、もう少し何かできるんじゃないかなと思って、自分でアプリも勝手に作っちゃいました。やっぱり自分たちで納得のいくものを作りたい気持ちが強いので、諦められなくて。社内外で好評だったので作ってよかったです。
新技術を泥臭く追いかける
—— 一番苦労されたお仕事は何でしたか?
宮﨑
CES® 2023 Innovation Awardsを受賞した「BOCCO emo Platform」の「Matter」*対応ですね。
詳しくはnoteを読んでいただきたいのですが、なかなか大変でした。
「Matter」は新しい技術だったので、触ったことのないものばかりで…未知の体験でした。
私が資料を探して、石本さんがエモちゃんの中の実装、作田さんがエモちゃん用にMatterの開発環境を構築、といった感じでソフトウェアチーム内で役割分担しながら実装を進めました。
一番苦労したのは、やはり情報が無いこと。新しい技術だったので、大元のプログラムがどんどんアップデートされるんですよ。だから、公開されたプログラムを解読しては差分を考察して…って感じで。情報の追いかけっこって感じでしたね。
実装は大変でしたが、私だけでなく一緒に開発したメンバーも面白みを感じていたと思います。日頃からBOCCO emoで面白いことができないか模索していたので、それを実現できたのはすごい楽しかったですね。
リアルなリアクションが一番嬉しい
—— 働くモチベーションはどこにありますか?
宮﨑
展示会などでお客さんが自分の作ったものを楽しんでくれていることが一番モチベーションになりますね。
やっぱり人のために作っているので、ウケないものを作っても意味がなくて。だからこそ「面白い!」「これは誰が作ったの?」って言われるとめっちゃ嬉しいですね。
最近だと、Maker Faire Tokyo2023で展示した「ちんあなご」のプロトタイプを体験してくれたお客さんのリアクションが嬉しかったですね。
何度も遊んでくれる人もいたり。イラストを描いてくれる人もいました。
「ちんあなご」はメイカソン*2022で発表したプロダクトで、現在鋭意開発中です。
—— メイカソンで初めて「ちんあなご」を見た時は、これは一体何だ?!と驚きました。普段の宮﨑さんとのギャップというか…
宮﨑
それは良かったです。自分でも一番驚かせている自信はありました!やっぱり驚きのあるものを作りたいので。
ユカイ工学に入社する前から、街のハッカソンとかにもよく参加していたんです。知らない人や自分と異なる肩書きの人と組んでものづくりをするって楽しくて好きなんですよね。
ハードウェアエンジニアの花守さんも話していましたが、ユカイ工学のメイカソンって本当に良い文化だと思います。
普段業務で関わらないメンバーとも仲良くなれましたし、運営メンバーになればまた違う体験もできますし。
来年のメイカソンも今から楽しみです!
作るだけでは終われない
—— ユカイ工学でこれから挑戦したいことはありますか?
宮﨑
まずは「ちんあなご」の商品化ですね。
作るのは簡単なんですけど、それを売るところまできちんと考えないといけない。私にとっては未知の領域なので、勉強しながらプロジェクトを前に進めたいと思っています。
他にはユカイ工学が持っている、ロボット企画開発ノウハウの他事業展開ですね。エンジニアやデザイナー含め、高いスキルを持つ社員がユカイ工学には揃っているので、いろんなお仕事ができると感じています。だからこそ、ロボットに固執せずに、広い意味でのエンジニアリング技術をもっと活かしたいんですよね。
自社プロダクトを育てることにも力を入れたいのですが、リソースは限られているので、歯がゆい思いをする機会が多々あります。
少数精鋭なのは悪いことではないですが、面白いものづくりを自分たちでやりきれない状況は避けたいので、最近は会社についてもよく考えるようになりました。
それに、安心して仕事を任せてもらえるよう、ユカイ工学の知名度を上げたい気持ちもありますね。「ユカイ工学」と一緒にやりたい!と言ってもらえるように尽力したいです。
—— ありがとうございました!今後の活躍も楽しみにしています!
編集後記:類は友を呼ぶというけれど
「ユカイ工学の中の人が面白すぎるので発信しよう」と、3年ほど前に始めた個人インタビュー、気づけば20名を超えていました。中には転職された方もいますが、ユカイ工学に集まる人にはいくつかの共通点があるように感じます。
ものづくりが好きで、熱狂する対象を持ち、少しばかりネジが外れている。
私が持つのはそんな印象です。
だからこそ、入社時の自己紹介でそれらの片鱗を感じると「よかった、この人も狂っている。ユカイで仲良くできそうだ(褒)」と思ってしまうのです。(そして、きちんと予感は当たる)
例に漏れず、宮﨑さんもそう予感してしまったのですが、こちらも当たりでした。
ここに引き寄せられる理由があるから、きっと集まれている。私は皆がずっと同じ場所で仕事をするなんて考えられません。だからこそ、このユカイなメンバーと働けている今を大切にしたいと思います。