伊藤涼太郎(新潟1-0川崎)
今、旬な男 伊藤涼太郎。
研究し尽くされる前に、海外移籍する前になんとか90分リアルタイムで見ることができた。
試合開始早々に高宇洋からのパスをダイレクトで前線の鈴木孝司へ出したパス見た時に「あ、すげっ」って思って、その後前半13分にドリブルで持ち上がってやや遠い位置からループシュート放った時に「あ、完全にノッてる」って思った。
この完全にノッてる感が結果に出たのが前半22分。
GKチョンソンリョンのニアサイドをぶち抜いて叩き込んだ先制ゴールシーン。
ループを狙ったのもそうだし、このニアサイドを狙うシュートも自分に自信があり、絶好調状態じゃないと出てこない選択肢と思うので、これ完全に覚醒。
その後もFKでクロスバー直撃のシーンとか、相手に囲まれて密集した場面でダブルタッチで抜き去り鈴木孝司へロングパス通したシーンとか(これ、鈴木の位置をいつ確認したの?)、終了間際にショートカウンターで決定機迎え切り返しで相手交わしてあと一歩でダメ押し弾のシーンとか、素晴らしいプレーの連続だったんだけど、90分通して感じたのは以下の3つ。
・ボール受ける位置がうますぎ(だいたい良い位置で収める)
・まず縦への選択肢を選ぶ上にボールをはたくのが速い
・アイデアが多すぎる
1点目のボール受ける位置なんだけど、だいたい味方がボール奪った瞬間に伊藤涼太郎が良い位置でいるので、
伊藤にすぐボールが集まる
→ 伊藤が三戸や太田らサイド駆けあがる選手へすぐ繋ぐ
→ 奪ってからすぐペナルティエリア内までいく
という、攻守の切り替えが速くなる核となっていた。
単純に一番うまいから伊藤にボールが集まるのもあるけど、ことごとく良い位置で待ってるからそりゃ味方もすぐ伊藤にボール出すわな~という印象。
2点目「まず縦への選択肢を選ぶ上にボールをはたくのが速い」も爽快感溢れるプレー。
ボール受けて後ろに戻したり…、とりあえず横に繋いだり…、ではなくてまず縦に出す、しかもそれが速い。受けてから瞬時に出す。
とはいえ、言うは易く行うは難しで普通は相手にカットされたりミスったりするもんだがことごとく繋がるんだから恐れ入る。ループやニアを狙うのもそうだが、結局自分のプレーに自信があるからこその、この縦・縦、前へ・前へ、なんだろうな。
3点目の「アイデアが多すぎる」はむしろマイナス面かな?と気になった。
伊藤涼太郎は色んなことができるし、チャンスで必ず絡む。
終盤、味方が疲れてきている中で伊藤の「ここでこう出すかよ」というセンスフルなパスに味方が反応できない場面もあったり、ダメ押しチャンスの場面でシンプルにシュートではなく切り返して相手をはがしたり、といった、アイデアが多すぎるが故の弊害もあるかな?という部分が気になった。とはいえ難しいこと狙いすぎて失敗続きというわけではなく、相手からすると厄介すぎる存在なので、マイナス面とまで言うと言いすぎだけど。
開幕4試合目にして2ゴール2アシストですか…。
素晴らしいですね。
(川崎は車屋らの負傷者が多くいるうえ、ジェジエウの長期離脱が発表、そして大島僚太が前半早々に負傷交代というあまりにも厳しい状況。これだけ離脱者がいるとチームとして無理だと思うし、18才松長根悠仁を急遽ここまで使わなきゃいけない事情が苦しすぎる。CB緊急補強するにしても誰を……カタール移籍失敗で浦和残留した岩波とか?)