PMは意味を設計している
PM同士で話すと、扱う領域は全然違うのに「そこ、めっちゃわかる」と驚くほど会話がつながる瞬間がある。
次に開催するイベントがまさに異業界PMの集合なので、その前提として、いま自分の頭の中にある仮説を一度整理しておきたい。
完全な答えではなく、現時点の理解メモとして書いています。
PMの本質は、業界知識ではなく意思決定の構造にある(仮説1)
各業界では、ユーザーもKPIも価値観も違う。
交通なら安全と到達性、ファッションなら自己表現、ヘルスケアなら行動変容と継続性、エンタメなら関心と時間消費を扱う。
なのに、PM同士で話すと深い部分は通じる。
理由はたぶん、PMは「何をどう決めるか」を扱う職種だから。
扱う領域が違っても、意思決定の構造はほぼ同じ。
不確実性の中で選択肢を絞る
制約を前提に優先順位を決める
チームの認識を揃える
ユーザーの目的と感情を読む
これは業界の問題ではなく、プロダクトをつくる構造の問題。
異業界のPMでも話が通じるのは、この構造が共通しているからだと思う。
制約の種類は違うが、制約の扱い方は同じ(仮説2)
業界が違えば制約も違う。
交通:法規制・安全性
ファッション:ブランド・世界観
ヘルスケア:倫理・心理的ハードル
エンタメ:権利・感情
ただ、制約への向き合い方は共通している。
過去、自分は制約に合わせすぎて動けなくなったり、逆に制約を無視して信頼残高を溶かしたりした。
最近になって思うのは、制約は敵ではなく、設計の出発点だということ。
制約があることで、視点の解像度が上がる。
制約があることで、優先順位が見える。
制約があることで、体験に必然性が生まれる。
業界が違っても、PMが制約を創造に変える構造はだいたい同じだと考えている。
PMは体験ではなく意味を設計している(仮説3)
この記事の主題。
ここ数年で強く思うのは、PMの仕事は体験ではなく意味を設計することに近いということ。
ヘルスケアなら「続ける意味」
ファッションなら「選ぶ意味」
交通なら「移動する意味」
エンタメなら「熱狂する意味」
プロダクトは、ユーザーの行動に意味づけをする装置。
どれだけ機能や導線を整えても、この意味が揃っていないと体験は成立しない。
提供すべき意味は、実はとてもシンプル。
なぜこの体験なのか
どの瞬間に価値が生まれるのか
なぜそれがユーザーの「自分ごと」になるのか
この意味の筋書きが通っていると、ユーザーは自然と行動するし、プロダクトは前に進む。
逆に、プロダクトが止まるときは、仕様やKPIの問題ではなく、この意味の整合性が崩れていることが多い。
異業界のPMと話しても会話が通じるのは、扱うプロダクトが違っても、誰もがこの「意味設計」を無意識にやっているからだと思う。
今度のイベントで確かめたいこと
ここに書いたのは、あくまで今時点での仮説。
どこまでが共通で、どこからが差分なのか
制約がどう創造に変わるのか
体験設計の芯はどこにあるのか
業界の価値観が意思決定にどう影響するのか
こういう話は、同じ業界同士だとむしろ気づきにくい。
全く違う前提で動いている人と話すからこそ、自分が無意識に信じていた考え方や癖に気づける。
その瞬間に立ち会えるのが、いま一番楽しみ。
興味があれば、会場で話しましょう
今回のイベントには、それぞれの領域でプロダクトを牽引するPMが登壇します。
交通:GO株式会社 GO株式会社 執行役員 プロダクトマネジメント本部 本部長 / 黒澤隆由さん
ヘルスケア:ユニ・チャーム株式会社 MDX本部 シニアマネージャー / 宗像亜由美さん
ファッション:株式会社ZOZO ブランドソリューション開発本部 プロダクト戦略部 部長 / 福岡明彦さん
エンタメ:自分
業界が違うからこそ生まれるプロダクトの共通言語を一緒に見つけられたら嬉しいです。
イベント情報はこちら
異業界PMが語る、意思決定と体験設計のリアル
交通・ファッション・ヘルスケア・エンタメの共通言語
それでは、また。
