2017年最後に抑えておきたいビジネスの基本概念7個
チャーリーです。
ビジネスワード図解シリーズを新たにはじめました。
以前書いたビジネスモデル図解シリーズは、事例を紹介するものですが、こちらはあくまで単語や概念そのものを図解。知ってる・聞いたことあるけど、裏側にある原理は知らない、そんな方にみてほしいと思います。
ひとまず7個まで書いたので、noteにまとめておきます。
財務3表
財務3表と呼ばれる、代表的な3つの財務諸表の関係性を図解。こうやってみるとものすごく合理的にできてませんか。世界中の企業は基本、財務諸表を持っているので、この仕組みがよりわかるようになれば、英語を覚えるよりも世界の人たちと会話できることになる。面白い。
--- 画像が横長のためスマホでは見づらいという方、本記事の全ての画像が入ったPDFファイルを以下に置くので、こちらをご覧いただく方が拡大などできていいかもしれません。 ---
キャッシュフロー計算書
今度はさきほどの財務諸表のうちの一つ、キャッシュフロー計算書の話。現金を何にどれだけ使ったのか?それを営業、投資、財務の3つの分け方で考えましょうということ。どんどんいきます。
運転資本
とつぜん難しい単語だと思った人、ごめん。本当はこの間に、もう一つ図解を挟む予定もあったんだ。でも、運転資本も単純。売上の入金が60日後、仕入れたものの支払が30日後だとすると、手元のお金がもしないとしたら、お金足りないじゃん。その差が運転資本。つまりはやく入金されて、おそく支払いをするほど、運転に必要なお金は少なくなる。ということ。
アップルのような時価総額100兆円企業は、運転資本が極端に少ないと言われてる。それは、アップルの市場内での力が強いから。強気でいられるくらいのポジションになってるので、売上の入金はできるだけはやく、支払いはできるだけ遅くしてもらうってことができちゃう。企業の力関係が運転資本に関係してくる。おもしろい。
ROE
アルファベット3文字の略語、というのはビジネスにはよく出てくる。その中でも、頻出中の頻出、ROE。新聞やメディアにもよく出てる。これ、めちゃくちゃおもしろい指標。だって企業の総合力がこのROEで測れちゃう。
契機になったのは2014年に経産省から出た伊藤レポートと呼ばれる報告書で、企業は最低限ROE8%以上を目指そうというようなことが書いてある。なので特に上場企業はROE8%以上にしないとってことで、みんなこの数字を気にしている。ROEは分母が自己資本なので株主向けの指標と言われていて、つまり株主のみなさまに8%以上の成績出していきましょうって話。
しかも、このROEが優秀なのは、図に書いた通り、3つの項に分解できること。そうするとそれぞれの項が、収益性、効率性、安全性を測る指標になっているという、あまりにもよくできすぎている仕組み。これはもともとアメリカの化学会社であるデュポンという会社が自社の経営分析ではじめたやり方らしい。それがよくできてるというので広まったという。なのでデュポン式とかデュポン分析とか呼ばれたりもする。
ソフトバンクのROEの中身をみると、財務レバレッジがものすごく高い = 安全性は低い = それだけリスクをとってるということがわかる。ソフトバンクのROEが高い理由の一つには、それだけ借金してリスクをとって財務レバレッジで押し上げてるからか、ということがわかったりする。
PBR
ついにきました。この記事でいいたかったのはこれなんです。PBR。この言葉だけでも覚えていってほしい。一つ上のROEは株主向けの指標と書いたけども、ずっともやもやしていて。会社はだれのものか、という議論がよくありますが、企業の総合力をみる指標が株主向けのもの、というのはどうにもどうなんだろうと。
そしたら出てきたのがこれです、PBR。企業価値を測る最も重要な指標として、バリュエーションの教科書という本で紹介されておりました。しかも、無形資産こそ企業価値の源泉である、と。これ非常に感動しました。
無形資産というのは、ブランドやアイデアやノウハウやリソースといった通常B/Sに記載されない資産のことです。つまり、クリエイティブが活かされるところなんです。ブランディング、というクリエイターに聞き慣れた言葉も、この無形資産にこそ活かされるんだ、と気づいたときに、全クリエイターにこの事実を知ってほしい!と思いました。企業価値の最も重要なところにこそクリエイターが必要なんだ、ということ。それが財務的にもそうなってる。この記事をみてるクリエイティブに携わる方(果たしているのか)、勇気づけられませんか?僕はすごく勇気づけられました。
つい先日DMMがCASHを70億で買収しましたが、実際には10億にも満たない額だったはずの自己資本が、なぜ70億もの値がついたのか。これはブランドやリソースといった無形資産があったからこそ。
さらに、PBRも2つの項として分解できる。PERとROEに分かれる。なんとここでROEが出てくるんですね。ROEは短期、PERは長期的な視点でみる指標だということで、これまで企業の総合力を測る指標としてROE優勢だった自分の固まった頭の中に、PBRが上に被さって脳内パラダイムシフトが起きました。この感動。うまく伝わってるかわかりませんが、感動していることだけは、わかっていただけたかと思います。
ファイブフォース
ビジネスの基本といいながらお金の話ばかりじゃないかと思われたみなさま、たしかにおっしゃる通りです。ですがお金の話は苦手意識が多い人が多く、言葉は知っていながら深い意味を理解していないがために、ますます遠ざけてしまう方も多いように感じます。そのために、少しお金の話中心になってしまいました。
ファイブフォース、はビジネスを考える上でまずはじめに行う、外部環境を分析するためによく使われるフレームワーク。これは本当に有名なので、画像一番はじめに出てくる図はビジネスに携わる人なら見たことある方が多いと思います。ただ、なぜこの図なのか、縦と横は何の意味があるのか、結局何を分析するための図なのか、ということは、案外知られてないような気がする。
このフレームワークはマイケル・ポーターさんが1979年に発表したものだそうです。30数年以上現存しているということは、きっとそれだけ普遍的な構造があるはず...!と思って、図解に励みました。
ポーターの基本戦略
こちらもポーターさん。これもよく出てくるので図解。ファイブフォースは分析のためのツールだったけど、こっちは戦略を実際につくるためのツールの一つ。どの戦略を選択するか経営者の意思決定次第。
ここにはよくハンバーガー屋の例が登場する。マクドナルドがその市場地位を生かした大量生産ができるのでコスト・リーダーシップを選択し(安いから買う状態をつくる)、モスバーガーが品数を増やしたりマクドナルドにないようなメニューを揃えて差別化し(高くても買う状態をつくる)、集中は、いまなら3rdバーガーみたいにオーガニックを売りにしてるところのように、特定の市場で勝ちにいく、というもの。これも仕組みがわかると少し世の中をみる解像度があがって、おもしろい。
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ということでここまでで7つのビジネスワードを紹介しました。
・財務3表
・キャッシュフロー計算書
・運転資本
・ROE
・PBR
・ファイブフォース
・ポーターの基本戦略
かなりの偏りがありますが、すべて個人的に感動した概念や仕組み、フレームワークを取り上げています。単語を知っているだけだと一見近寄りがたいこれらも、図解してみると関係性がみえたり、裏側の原理がみえたりします。僕はその度に感動して、その衝動を図解するというサイクルで動いています。個人の解釈込みでまとめているので、何か間違いがありましたら教えてください。図解をアップデートします。
本文途中でも貼りましたが、改めて本記事にあるすべての画像をまとめたPDFファイルを置いておきます。
本記事がだれかの助けになると嬉しいです。そして少しでも感動が伝わると尚、嬉しいです。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
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一つ前に書いたビジネスモデル図解の記事、たくさんの方に読んでいただき、ありがとうございます。いくつかの出版社の方からご相談をいただいたりするなど、様々な反響をいただきました。引き続き、自分の感動を図解していければと思っています。
以上です。