映画 トラペジウム を見た
本日、映画「トラペジウム」を見たその雑多な感想。
なんとなく私のタイムライン上で見かけることが多くなった「トラペジウム」
公開4週目ということもありそろそろ行かないと後悔する気がしてきたので見に行ってきました。地方ということもあり最寄の映画館は朝8時台に1回しか上映してなかった。
映画を見る前の知識としては
・原作はアイドルが書いた小説
・なんかギスギスしてる
・公開すぐにネガティブな感想ポストがプチバズりしていた
特に3つ目の影響で、知ってはいるけど見なくていいか…と思いスルーしてました。結論としては1週目に見に行って特典貰えば良かった……
以下妄想含んだ感想
90分映画としての完成度の高さ
内容云々の前に、単純に1本のアニメ映画として完成度が高い、具体的にいうと話の構成がめちゃくちゃ良いと思った。
お話の流れが
チーム結成→アイドルとしての成功→崩壊→再生
王道な流れで話が入ってきやすい。最初のチーム結成に十分な尺を取っているため、その後の各キャラクターの行動に説得力があって感情を持って行きやすい。すごい優等生な構成だと思う。
主人公 東ゆうのキャラクター
この作品の一番の魅力は東ゆうのキャクター性だと思う。
要素だけ抜き出すと、
「アイドルになる」という夢のために策を練り、周りの人間を利用していく
というまぁあんまり好感持てなさそうなキャラクターなのだがこの女、魅力的すぎる!!
渾身のガバガバチャート
まず肝心の策を練る部分だが、ガバガバ作戦すぎる。基本的に作戦の始めの部分はいいのだが、大抵イレギュラーが起きて作戦通りに行かないため、鑑賞中私の脳内でコードギアスのBGMが毎回流れ出して大変だった(後はイレギュラーさえなければ……)
また作戦がうまく行かなかったとき顔に出すぎる。本人は策士のつもりかもしれないけどお前向いてないよ……
くるみちゃんが北とお茶することになるシーン、この時点で東の計画がくるみちゃんにバレてると思うと他の2人にもすぐバレてんだろうし本人は気づいてないし可愛すぎ流。味噌汁のシーンも東は焦ってたけど他3人は何とも思ってなかったから普段から詰め甘いんだろうな……
それでもアイドルデビューまでなんとか漕ぎ着けたのはひとえに初手で南さんを引けた運の良さと、ありえん行動力の賜物か
中盤くらいでオーディション全落ちで後がない状態での苦肉の策だと分かり、作中描写でもガバガバ計画扱いなのが判明して笑った
計画外のアイドル性
この映画個人的ベストシーンの1つ。車椅子のサチちゃんにアイドルになると約束するところ
それまではサチちゃんと目線の高さを合わせてないのですが、このシーンで目線を合わせて耳元で小声で約束するシーン。そもそも文化祭は東西南北で回る予定だったのでサチちゃんと回るのはもちろん計画外なのですが、素でこれができるのは相当なんですよね。こういう描写があると、東ちゃんは他3人にもこんな風に脳を焼いてたんかなぁとオタクは勝手に妄想しちゃうよ。
確かな青春の1ページ
個人的ベストシーンの2つ目。花火シーン
東的には結束力を深めるための計画の一部として西のロボコンを手伝うのですが、さすがにどの角度から見てもこれ絶対一生の思い出だろ……
小学生の東をヒーローと見ていた北含めて、3人が東に対して確かな友情を感じているところを視聴者に強制的に理解させてくるのがいいんですよね。
そのおかげでアイドル編で独断専行する東に対して3人が文句も陰口も言わないの、こいつら東のこと好きすぎんだろってわかるから。
崩壊から→再生
まぁ見る前からわかっていたのですが、案の定ライブ成功から崩壊に向かって一直線に転げ落ちるし、落ちるスピード感が早すぎる!
アイドルやってるシーンより青春パートの方がはるかに長いからこれアイドルものじゃなくてジュブナイルものなんだとここら辺でわかった。
でも彼氏がいるんだったら友達にならなきゃよかったはやっぱ言い過ぎだよなぁ。ここのせいでくるみが感情と吐露できずに限界が近づいた気がする。まぁ遅かれ早かれ感あるけど
限界シーン
このシーン、くるみだけじゃなく、東含めた4人とも限界だったのが判明してさすがに悲しかった。バラエティー編の独白がほんとに楽しそうだったから……
集合シーン
いつもの場所にいる東の元に3人がCD持って来てくれるシーン
こんな都合よく3人が来てくれるわけないだろ!いやこいつら東好きすぎだから3人揃ってくるわこれっていう作中のバランス感覚がすごいんだよな。
東はアイドルを見て人間って光るんだって思ったように、みんなは東を見て光ってるって思ったと思うよ……だから来てくれたんだよ……
エピローグ
この作品で好きなところ。アイドルを肯定的に書いているところ
東以外の3人は確かにアイドルを楽しめなかったかもしれない、それでも仲直りして10年後でも友達として再会できている
シンジ君も趣味のカメラから個展開けるレベルのプロカメラマンになっている
これってあの青春の日々があったからだと思う。打算から始まったかもしれないけど、東が中心として皆を引っ張っていった日々が。
あの日々が支えになって、夢を追う後押しをしてくれてる。これってアイドルじゃないっすか?
エピローグでAD含めたみんなが成功して人生充実してるような描写は、アイドルちゃんを肯定的に捉えている証左だと感じた。
最後に
映画見終わってから改めて見るOP味しすぎだろ
賛否両論あるかもしれないけど、私にとっては賛賛賛賛だった映画でした。