
ループもの作品51選。1904年から2025年までまとめて紹介!
ループもの大好きな私が原初のループものから最近のループものまでを並べて簡単にレビューしてみました。時系列順に記載しているので、順番に見ていくと面白いかもしれません。
ループもの作品一覧のようになっていると思いますが、当然網羅しているわけではないです(主要な作品は揃っていると思います)。
また私は「何度も繰り返す時間の中で何をするか?」というタイプの作品を王道の「ループもの」だと思っているのですが、一部その形から外れる作品も紹介しています。
【オススメ度】は「ループものとして見た場合」のオススメ度合いです。
愚者の渡しの守り
1904年発表/小説/戦術解説書
オススメ度★★★★☆

おそらく世界最古のループもの小説。書かれたのはなんと約120前。
ストーリーとしては、ボーア戦争の時代に自分の部隊を全滅させてしまったリーダーが、タイムリープの力によって同じ戦場を繰り返し、少しずつ勝利に近づいていく…という内容。
これだけ聞くと王道のループもののようにも思えるが、実際的には「小説形式で書かれた戦術の教科書」という意味合いが強い。
そのため小説として読むと微妙だが、ループものの起源的な作品として一見の価値はあり。
前述の通り戦場をループする話なのだが「ループ」と「戦い」を組み合わせた作品は今後しばらく出てこず、そういう意味でも着眼点の鋭かった作品。
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時をかける少女
1965年発表/小説・映画・アニメ/日常SF
オススメ度★★★★☆

偶然にもタイムリープの能力を手に入れてしまった少女と少年の学園SFボーイミーツガール。
出版日は「愚者の渡しの守り」から61年後の1965年。あの筒井康隆の大ヒット作で、日本においてはタイムリープを扱った作品として初期の部類に入る。
ただしループする回数が少ないため「ループもの」というよりは「タイムリープもの」と言ったほうが正確。
このお話自体は短編であり、意外にサクッと終わってしまう。何度となく映像化されている。
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うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー
1984年発表/アニメ映画/ラブコメ
オススメ度★★★★☆

「時をかける少女」から19年後の作品。
物語の前半は「学園祭の前日の日がなぜか繰り返されており…?」という典型的なループものになっているが、後半になると様相が変わる。
物語の重要な要素として「ループ」が含まれているが、そこがメインになっているわけではない…といった感じ。
「うる星やつら」の劇場版なのに監督(押井守)の独自色が強いため、人によって評価が別れる怪作という立ち位置。その独特な世界観から根強いファンが多くいる。
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リプレイ
1987年発表/小説/現代SF
オススメ度★★★★★

おそらく本作が世界初の本格的な「ループもの」作品。「同じ時間、同じ人生を何度も繰り返す主人公は、無限に続くように思われるループの中で何を見出すのか……」という王道のループ展開が描かれる。
「未来の記憶を頼りにギャンブルをする」など、後のループもの作品ではお馴染みとなっているような要素が多く含まれており、このジャンルの原点的な作品でありながら完成度は相当に高い。
実際、この小説のヒットにより「ループもの」というサブジャンルが確立されたと言っても過言ではない。
ただ文章は固めでページ数も多いため、読みやすい小説ではない。しかしそのぶん硬派で重厚感があり、終盤の展開には感動させられる。
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代紋TAKE2
1990年発表/漫画/極道漫画
オススメ度★★★★☆

情けない死に方をしたヤクザの主人公が、10年前の世界にタイムリープし、ヤクザとしての人生をやり直す……という内容の極道漫画。全62巻の大作で、極道漫画とタイムリープの組み合わせは斬新。
ただしループ回数が少なく「ループもの」というよりは「人生やり直しタイムリープもの」。
またループものとして重要な「未来知識の活用」も、あるにはあるがそこまで重きが置かれていないため、あくまでループ設定を持つ極道漫画だと思って読んだほうがいい。極道漫画らしくヤクザ同士の熾烈な争いが描かれるが、コメディー要素もあるため読みやすい。今だと炎上しそうなとんでもない最終回をむかえた漫画としても有名。
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未来の想い出
1992年発表/漫画/日常SF
オススメ度★★★☆☆

自身の半生がループしていることに気がついたとある漫画家が、後悔している過去をやり直そうとする……というストーリーの1巻で完結している中編漫画。
ループものらしくなってくるのは終盤からで、その部分はかなりあっさり決着してしまうため、こちらもループものだと思って読まないほうが楽しめる。藤子・F・不二雄先生の作品なので、ドラえもんの「人生やり直し機」の回と見比べてみるのも面白い。
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神のちから(えいえんなるじんせいの巻)
1992年発表/漫画/ブラックコメディー?
オススメ度★★★☆☆

ある朝、男は妻の作った味噌汁を飲み、出勤しようとした。しかし、部屋を出るとなぜかリビングに戻ってきてしまい、ついさっきと同じように味噌汁を飲むことになる。おかしいなと思いながら部屋を出ると、その先にはまた味噌汁を用意した妻が待っていて――。
という、無限ループの恐怖を描いた短編マンガ。短編なので上記のあらすじ以上のことは起こらないのだが、かなり印象に残る作品。作者はあのさくらももこ。
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恋はデジャ・ブ
1993年発表/映画/ロマンス
オススメ度★★★★★

「リプレイ」から5年後の作品。
性格の悪い天気予報士が、たまたまやってきた田舎の街で、何度も同じ日を繰り返すタイムリープに捕らわれてしまう。彼は終わらないループに苦しみながらも、少しずつ人間的に成長していく……。というストーリー。
ループもの映画の金字塔的な作品で、これ以降様々な形で引用されたりオマージュされることとなる。ループものを「過去をやり直す話」ではなく「心の成長物語」として描いており、この時代にしては珍しくSF要素がほぼない。見やすい作りで王道のループものが楽しめる上に、深いテーマ性も見え隠れする名作。
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タイムアクセル12:01
1993年発表/映画/現代SF
オススメ度★★★★★

恋はデジャ・ブと同年に公開されたループもの映画。
知名度こそ低いがこちらも名作。「恋はデジャ・ブ」が哲学的な要素を含むロマンスコメディーだとすれば、本作はコメディー要素のある謎解きサスペンス。双方共に完成度の高い王道ループものではあるが、それぞれ質感の異なる作品になっているため、できればどちらも見たい。
2025年現在から見るとちょっと古くさい感じの舞台や映像が逆に良い味を出している。
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タイム・リープ あしたはきのう
1995年発表/ライトノベル/日常SF
オススメ度★★★☆☆

ライトノベルとしては初?となるタイムリープ小説。ただしタイムリープするための条件がパズル的なものとなっており「ループもの」というよりは「タイムリープもの」。ボーイミーツガール要素のある学園モノのため「時をかける少女」の変速長編版といった感じ。
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七回死んだ男
1995年発表/小説/ミステリー
オススメ度★★★★★

回数制限付きのループ条件の中で、殺人事件の謎を解いていく……というミステリー小説。ループものと本格ミステリーが見事に融合した名作。
タイトルと表紙は硬派だが、文章は軽いので読みやすく、ミステリーとしての完成度も高い。またあとがきにて「恋はデジャ・ブ」から影響を受けていることが記されているが、個人的には「タイムアクセル12:01」のほうに近いと思った。
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ターン
1997年発表/小説/?
オススメ度

今読んでる
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ドラゴンクエスト7(リートルード編)
2000年発表/ゲーム/ファンタジー
オススメ度★★★★☆

ドラゴンクエスト7の「リートルード」という街でのシナリオがループものになっている。全体的にミステリアスな雰囲気のあるドラクエ7とループものの相性は良好で、それなりに印象に残っているプレイヤーも多いはず(特にPS版)。ループものの要素を含んだRPGは希少で、そういう意味でも存在意義がある。
…とは言ったものの、リートルード編はドラクエ7の中では数ある短編シナリオの中のひとつでしかないため、このためだけにプレイするのは微妙か。
2026年にまたリメイクされるらしいけどPS版のあの空気感は再現できるのかな。
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ひぐらしのなく頃に
2002年発表/ノベルゲーム・漫画・アニメ/ホラーミステリー
オススメ度★★★★☆

とある田舎の村で起こる陰惨な事件に巻き込まれるホラーミステリー。明るい日常パートと悲惨な事件パートのコントラストが強く、独特の世界観も相まってホラー展開はかなり怖い。ループ要素はあるが、主人公が「ループ前の世界」の記憶を持っていなかったり等、純粋なループものとは異なる作りになっている。
またループものとホラーの組み合わせは当時としては斬新だった。
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リピート
2004年発表/小説/ミステリー
オススメ度★★★★★

(※この項の最後に結末の雰囲気のネタバレあり)
「10ヶ月だけ過去をやり直せる」という誘いにのった10人の男女は、実際にタイムリープすることに成功する。しかし戻った先の世界で、その10人が次々に不審な死を遂げていき――。
という内容のミステリー小説。「リプレイ」と「そして誰もいなくなった」から影響を受けている事が明かされており、ループ回数は少ないものの、「ループもの感」はしっかりとある。「複数人が同時にループを体験し、それを共有する」という点も斬新。中盤以降は怒涛の展開で、いっきに読めてしまう。ループするための方法がやや特殊で、それも一因となり、ラストはループものとしては極めて珍しいバッドエンドへと突入する。
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涼宮ハルヒの暴走
2004年発表/ライトノベル・アニメ/日常SF
オススメ度★★★★★

あの「エンドレスエイト」が収録されている涼宮ハルヒシリーズの第5巻。ヒロイン(ハルヒ)の無自覚な暴走により、夏休みが無限に繰り返している事に気がついた主人公は――。
というストーリー。アニメ版はこの「エンドレスエイト」という短編を8話も使って「繰り返し」の部分を表現した。さすがに上級者向けすぎたのか当然のように評判は悪く、変な意味で伝説となってしまった。しかし原作のエンドレスエイトは前述したように短編であり、サクッとまとまってる。
「エンドレスエイトの驚愕 ハルヒ@人間原理を考える」という学者による論考本まで出ている。
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All You Need Is Kill
2004年/ライトノベル・映画/SFアクション
オススメ度★★★★★

トム・クルーズ主演の映画版も有名なSFアクションライトノベル。ループ(死に戻り)の力を得た兵士の主人公が、難攻不落の外敵集団を攻略していく……というストーリー。
「戦場」と「ループもの」をかけ合わせた傑作で、そういう意味では「愚者の渡しの守り」を物語方向に大幅進化させたような作品とも言える。
「死んだら中間地点からやり直し」という要素自体はスーパーマリオブラザーズ等のアクションゲームではお馴染みのため、ゲーム攻略的な面白さを感じる人もいたらしい(特に映画版)。
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バタフライ・エフェクト
2004年発表/映画/SF
オススメ度★★★★☆

有名なタイムリープもの映画。ループものと言えば本作をオススメされることも多いものの、例によって「ループもの」ではなく「タイムリープもの」と言ったほうが正確。「戻った過去で行った行動によって未来が大きく変化する」という要素に重きをおいて表現した部分が本作の斬新な部分。
サマータイムマシン・ブルース
2005年発表/映画/日常SFコメディ
オススメ度★★★★☆

「タイムスリップした過去で行った行動は、現在の時間に最初から織り込み済みである」という世界観のもとで繰り広げられる、アホな大学生達のドタバタ劇。キャッチコピーは「タイムマシン、ムダ使い」。
「織り込み済み型の世界観」特有のパズル的な面白さが光る作品となっており、時間軸はやや複雑だが、わかりやすい構成でストレスなく見れる。
ただタイムリープではなくタイムマシンでの時間移動なので、純粋な「ループもの」とはちょっと違う作品。
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ゼーガペイン
2006年発表/アニメ/ロボットSF
オススメ度★★★★★

今なお一部で根強いファンのいるSFロボットアニメ。ループものの要素があり、「同じ夏休みを繰り返している」ということに気がつく時の展開は、独特の爽やかさ、不気味さがあり印象に残るものとなっている。この部分の雰囲気は涼宮ハルヒの「エンドレスエイト」に若干近いものがあるが、この時点でエンドレスエイトは映像化されていない。
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らき☆すた ~陵桜学園 桜藤祭~
2008年発表/ゲーム/ラブコメ
【オススメ度】★★★☆☆

「らき☆すた」のキャラとギャルゲー的なことができる、という異色のノベルゲーム。らき☆すたキャラとの恋愛が成立してしまうわけにはいかない…という配慮のためか、ギリギリのところで時間が巻き戻りスタート地点に戻されてしまう。
本作のループ要素はそうしたゲームの都合的に使われている側面が強い。ただ、本編でもループの要素が見え隠れする箇所はあり、作品にミステリアスな香りを少しだけプラスしている。学園祭が舞台のため「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」を連想した人もいるはず。
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シュタインズ・ゲート
2009年発表/ノベルゲーム・小説・漫画・アニメ/SF
オススメ度★★★★★

タイムリープを軸とした長編SFノベルゲーム。過去にメールを送ることによって「現在」が変化するという、映画「バタフライエフェクト」的な要素と、王道のループもの要素が見事に融和した名作。
原作はノベルゲームのためマルチエンディングであり、どのルートも見どころがある。ミステリアスな雰囲気が増しているアニメ版や、心理描写に長ける小説版など、メディアミックス版にもそれぞれ良さがある。
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紫色のクオリア
2009年発表/ライトノベル・漫画/SF
オススメ度★★★★☆

シュタインズ・ゲートと同年に発表されたライトノベル。変則的な形ではあるがループものの要素があり、1巻完結のライトノベルながら根強いファンがいる。日常学園モノとしてスタートするが、後半になるにつれてどんどん話のスケールが大きくなっていく。
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ミッション 8ミニッツ
2012年発表/映画/現代SF
オススメ度★★★★★

電車の爆発事故で死亡した主人公は、その記憶を持ったままなぜか爆発事故の8分前に目を覚ます。この8分間を繰り返し、爆発を阻止しようと奮闘する現代SFサスペンス。
王道のループものだが戻れる時間が8分と短いのが特徴。しかしその8分の中にさまざまなドラマが詰め込まれており、ラストは意外な結末へ。
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LOOPER/ルーパー
2012年発表/映画/SF
オススメ度★★★☆☆

一応ループ要素のあるSF映画だが、タイムトラベル要素のほうが強いか。暗殺者が主人公ということもあり、全体的にハードボイルドな雰囲気。タイムパラドックスもテーマのひとつとなっている。個人的にはあまり印象に残らなかった作品。
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僕だけがいない街
2012年発表/漫画・アニメ/サスペンス
オススメ度★★★★☆

自分の意志では制御できないタイプのタイムリープ能力を持った主人公が、自身の小学生時代まで遡って殺人事件を阻止しようとするサスペンス漫画。
殺人事件の阻止がメイン要素になっているのに全体的にしっとりした作風で、主人公をとりまく人間模様にも重点が置かれている。
ループものの繰り返し回数は、「一回きり」か「何度も繰り返す」かで2極化する傾向があるのだが、本作はそのどちらでもない微妙な繰り返し回数で勝負を決める。
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Re:ゼロから始める異世界生活
2012年発表/なろう小説・アニメ/異世界ファンタジー
オススメ度★★★★★

いわゆる異世界転生モノ。ただし世界観は中々ハードであり、ループ能力を持つ主人公は何度も窮地に立たされる。アクション要素のある異世界ファンタジーと本格的なループものという掛け合わせは意外と少なく、絶望的な状況から死に戻りの力で僅かな活路を切り開いていく様子は圧巻。「ループしていることを他の人に言えない」という珍しい制約がある。
主人公のクセが変に強いのでそこで好みが別れることも。
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忠臣蔵46+1
2013年発表/エロゲ・ノベルゲーム/時代劇
オススメ度★★★★☆

女体化した赤穂浪士とHな展開になる異色のアダルトノベルゲーム。この説明だと狂気しか感じないが、内容は王道を行く忠臣蔵のアレンジ作品であり、忠臣蔵モノとして見た場合の完成度も高い。
ただし、一周のループが非常に長いため「ループもの」という感じはあまりしない。本作のループ要素は「忠臣蔵」という物語を様々な角度から見せるために必要な仕掛けという側面が強い。
Steamで全年齢版が発売されているので遊びやすくなった。
Steam→https://store.steampowered.com/app/464780/ChuSingura461_S/
ブラッド・パンチ タイムループの呪い
2013年発表/映画/ホラーコメディ
オススメ度★★★☆☆

タイトルの通り「タイムループの呪い」のため、ループ要素の根拠がSF的なものではなく、「土地による呪い」として登場するところに若干の斬新さがある作品。予算が少なかったのか素人っぽいところがちょくちょくあるものの、小規模なB級映画だと思って期待せずに見れば割と楽しめる。
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プリデスティネーション
2014年発表/映画(原作は小説)/SF
オススメ度★★★★☆

ある種完全なループが成立している作品ではあるもの、分類としてはタイムトラベルものになると思われる。原作は1959年に書かれた「輪廻の蛇」という小説。
タイムパラドックスのとある事象が見事に映像化、物語化されており、終盤のどんでん返しには驚かされる。
「タイムスリップした過去で行った行動は、既に現在の時間に織り込み済みである」という世界観は「サマータイムマシン・ブルース」や「ドラえもん」とも共通する。
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1分間タイムマシン
2014年発表/映画/現代SF
オススメ度★★★★☆

ある青年が、1分間だけ過去にタイムリープができる機械を使い、ベンチに座っている女性を口説こうとするが……。
という内容のSFコメディー。映画だが上映時間はわずか6分とかなり短い。しかしながらその6分の中に、ループものの面白さとブラックユーモアが詰め込まれており楽しく見れる。
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ARQ: 時の牢獄
2016年発表/映画/SF
【オススメ度】★★☆☆☆

ネットフリックス制作のタイムリープもの。特別つまらないというわけではないものの、期待して見るとちょっと肩透かし。説明不足でわかりにくさを感じる部分もあり、あまり印象に残らなかった作品。
NETFLIX→https://www.netflix.com/jp/title/80092885
LOOP 時に囚われた男
2016年発表/映画/現代SFサスペンス
オススメ度★★☆☆☆

こちらも地味なループもの。麻薬の密売人がループに巻き込まれるというストーリー。映像は硬派で綺麗だが、映画の構成や時系列がわかりにくく、ついていくのが大変。ただこれはおそらく意図的で、何度も見ればわかるようになっている。ハマる人にはハマるのかも。
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はっぴぃヱンド。
2017年発表/漫画/ホラーサスペンス
オススメ度★★★★☆

ループ要素のあるホラーサスペンス漫画。
普通の学生だった主人公は、田舎での惨劇に巻き込まれて死亡してしまうが、目を覚ますと時間が戻っていて……?という王道のループもの展開が描かれる。
少し力技なところはあるものの、先の展開が気になってどんどん読めてしまう。ループの仕組みが特殊で、終盤のストーリーには驚かされた読者も多いはず。ホラーなのでグロテスクなシーンが多少ある。漫画だが全3巻なので読みやすい。
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サマータイムレンダ
2017年発表/漫画・アニメ/アクションサスペンス
オススメ度★★★★★

とある離島で巻き起こる「影」との戦いを描いたアクションサスペンス漫画。
「バトルアクション」+「ループもの」の組み合わせとしては、「リゼロ」や「All You Need Is Kill」などがあるが、前者は異世界ファンタジーで後者はSF。そして本作は日本の離島が舞台となっているため、それぞれ違った感じで楽しめる。謎解きサスペンスの要素があるのもポイントか。
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君に謝りたくて俺は
2017年発表/ライトノベル/日常SF
オススメ度★★★☆☆

ボーイミーツガール要素のある学園モノ。パズル系のタイムリープ作品なので、1995年に出版されたライトノベル「タイム・リープ あしたはきのう」に近い作品。
わかつきひかるさんの作品らしく、とても読みやすいが全体的に薄味な仕上がりとなっている。
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繰り返されるタイムリープの果てに、きみの瞳に映る人は
2017年発表/小説/サスペンス
オススメ度★★★★☆

ある日突然、恋人に別れを告げられ絶望していた主人公が、偶然発生したタイムリープによって過去へと戻り、恋人との関係をやり直そうとするが……? という内容の小説。恋愛よりも「突然別れを告げられた謎」を追っていくほうがストーリーの軸になっている。ループすると「代償」を払わされるため、実質的な回数制限つきのループとなっている。
内容としては王道のループもので文章も読みやすく、展開もスピーディーなので読む手が止まらない系の小説。しかしながら、恋人との関係が重要な要素のひとつなのに文章がちょっと脚本的というか、情緒が薄いような感じはした。展開もわりと強引な部分がある。ただそれを差し引いても面白いエンタメ作品として読むことができた。
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東京卍リベンジャーズ
2017年発表/漫画・アニメ/ヤンキーアクション
オススメ度★★★☆☆

元ヤンキーの青年が少年時代の自分にタイムリープし、未来を変えるために奮闘する…というストーリーのヤンキー漫画。
この説明だと王道のループものらしく聞こえるものの、過去に戻った主人公が未来の知識を活かす場面が少ないため、タイムリープ感は薄い。せっかく過去に戻れるのに、主人公はいつも「えーっと、これから何が起こるんだっけ…」みたいなことを言ってる印象。ループものとして見ないほうが楽しめる。
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ハッピー・デス・デイ
2017年発表/映画/ホラーコメディ
【オススメ度】★★★★★

性格の悪い女子大生が、仮面をつけた殺人鬼に殺されてしまった。しかし彼女は目を覚まし、時間が巻き戻っている事に気がつく――。
という内容の映画作品で、B級ホラーと王道のループものの良い点を見事に組み合わせた傑作。コメディー要素もあるのでホラーが苦手な人でも楽しく見れるはず。作中に「恋はデジャ・ブ」のパロディーが含まれている。
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ハッピー・デス・デイ2U
2019年発表/映画/SFコメディ
オススメ度★★★★★

「ハッピー・デス・デイ」の続編。ホラー色が減りSF色が強まっているが、面白さは健在。「ハッピー・デス・デイ」では拾われなかったシーンを補足しているな場面もあり、前作のファンほど楽しめる仕掛けになっている。
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パーム・スプリングス
2020年発表/映画/ロマンス
オススメ度★★★★☆

バカンス中に時間の無限ループの中に閉じこられてしまった男女が、繰り返しの日々から脱出する方法を探していく…。というロマンスコメディー映画。中盤少し退屈だが全体的には良い話。
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ちいかわ(黒い流れ星編)
2020年発表/漫画/ファンタジー?
オススメ度★★★★☆

あの「ちいかわ」にループものの長編(?)がある。ひょんなことから無限ループの世界に閉じ込められてしまった主人公(ちいかわ)が、なんとか脱出する方法を模索する……という、ループものとしてはよくある展開だが、それをちいかわがやるだけで不思議と面白い。
中盤でちいかわが諦めたように笑う場面は名シーン。読み終わるのに30分もかからないので気になる人は読んでほしい。Twitterなら今のところ無料で見れる。単行本だと5巻に収録。
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デッド・エンド・リローデッド 無限戦場のリターナー
2020年発表/ライトノベル/SFアクション
オススメ度★★☆☆☆

死に戻りできるループの力を活かして外敵と戦うSFアクションライトノベル。ループを繰り返すごとに成長し、何度も強敵に挑む主人公が描かれる。
……と、表面的には王道のループものとなっているが、残念ながら「ループものである意味がない」という致命的な欠点を抱えてしまっている。
逆説的に「ループものとは何か?」を考えさせてくれる、ある意味貴重な作品。ただ、お話自体がまったく面白くないというわけではなく、普通のSFアクションラノベとして見ればそこそこ楽しめる。
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時空犯
2021年発表/小説/現代SFミステリー
オススメ度★★★☆☆

ループ要素のあるミステリー小説。同じジャンルに「七回死んだ男」や「リピート」があるが、あちらより探偵小説感が強い。ループが絡む殺人事件の謎を追っていく話なのだが、主人公とヒロインの人間ドラマにも重きが置かれている作品。前述の「リピート」とはループの鍵となるアイテムがオーロラという点で共通しており、オマージュしている可能性がある。
ただ個人的には「ループもの」としても「ミステリー」としても、悪くはないけど突き抜けたものがなかったという印象。
ただ、複数人でループを経験する展開は珍しく、ミステリーとしてもそこがキーポイントになっている。探偵小説的な謎解きが好きな人はハマるかも。
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時をかけるセックスレス
2021年発表/漫画/ミステリー
オススメ度★★★★☆

タイムリープできる薬を使って旦那とのセックスレスを解消しようと奮闘する主人公が、次第に旦那の浮気を疑うようになり……? というストーリーの漫画作品。
パロディー系エロ漫画のようなタイトルのため、まったく期待していなかったがまさかの良作。終盤の展開は好みが別れそうではあるものの、全体的に丁寧に作られており、ラストは感動できる。セックスレスや浮気調査などのごく日常的な事柄の解決のためにループの力を使う作品は意外と希少。
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忘れえぬ魔女の物語
2021年発表/ライトノベル/日常SF
オススメ度★★★★☆

百合要素のある学園ループもの。「繰り返しの中で奮闘する主人公」というループものの王道を抑えつつ、ループの方法、描き方が独特なため、少し変わったループものとして楽しむことができる。ライトノベルのため文章も読みやすい。百合要素がしっかり含まれているため、若干人を選ぶか。
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エンドレス・ルーーープ
2022年発表/映画/サスペンス?
オススメ度★★☆☆☆

インド映画。いかにもループものですよと言わんばかりのタイトルだが、ループの周期が長くループ回数も少ないため「ループもの」という感じはあまりしない。
上映時間も長めで、走り回る映画なのになんとなくダラダラした印象。ただ映像は結構綺麗で意欲的な表現もある。
NETFLIX→https://www.netflix.com/jp/title/81505032
リバー、流れないでよ
2023年発表/映画/コメディー
オススメ度★★★★★

とある老舗旅館の従業員とお客さんが、同じ2分間を繰り返す無限ループに巻き込まれてしまい――。
という直球のループものだが、「ループする時間が2分と短い」「登場人物の全員が同時にループを体験する」など、珍しい要素も盛り込まれている。
全員でループする都合上、ループする人の特権である「未来の記憶の活用」がほぼ封印されており、それ故に、多人数でドタバタしながら短時間のループに振り回される展開が活きる形となっている。ヨーロッパ企画特有のノリが嫌いでなければオススメ。
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神回
2023年発表/映画/ボーイミーツガール?
オススメ度★★★☆☆

(※この項目はストーリーの後半やラスト部分のネタバレを含みます)
ある男子高校生が、教室の中で5分間の無限ループに囚われてしまい、そこからの脱出を目指す……という内容の映画作品。
ループ時間が短いという特徴はあるが、前半は王道の(ありがちな)「ループもの」展開が描かれる。が、後半からはループものとしては異例の「ループの中で歳をとる」というまさかの自体に発展。それ自体は斬新で良いけど、結局のところ「繰り返されるループ」の原因は夢オチのようなものであることが明かされてしまう。そしてその「夢オチ」と「ループ」の関係が、繋がってるような、そうでもないような…。終盤の展開も感動的っぽい雰囲気はあるんだけど、感動…するような、しないような…。つまらなくはないしインパクトもあるんだけど、なんとも言えないラインの作品。
ペナルティループ
2024年発表/映画/サスペンス?
オススメ度★★★★★

舞台は近未来?の日本。謎の技術で時間をループをすることにより、恋人を殺されたの主人公がその殺人犯に何度も復讐をする――。という内容の映画作品。
よくあるC級ブラックコメディーなんだろうなぁ…とまったく期待せずに見たら予想外な方向に面白くて驚き。
全体的に緊張感があり映像も綺麗で、日本映画に散見される不自然な説明ゼリフもない。「世にも奇妙な物語」の「懲役30日」的な感じになるのかなと思いきや、それも良い意味で裏切られる。
説明が少ないため不親切なところもあるが、新しい視点でループものを解釈した一作。
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モラハラ夫とリロード妻 ~私たちの未来、変えてみせます~
2025年発表/漫画/恋愛サスペンス
オススメ度★★★☆☆

モラハラをしてくる夫に悩んでいた妻が、タイムリープの力を手にし、夫との出会いを最初からやり直す――という恋愛系サスペンス漫画。2025年10月現在、まだ3話までしか公開されていないのでなんとも言えないが、内容としては王道のタイムリープものな感じはする。雰囲気は「時をかけるセックスレス」に近いが、本作のほうがだいぶ荒削りかな…?といった印象。
「何度目かのタイムリープをしたら、付き合う前の夫の隣になぜか知らない女がいて――」のような、一応気になる展開になってはいるので今後に期待。
おわりに
作品紹介はひとまず以上になります。
タイムトラベル系SFの亜流のような形で始まったと思われる「ループもの」は、現代では多種多様なジャンルの中に点在するサブジャンルとして確立しました。
そのため各作品で共通する要素を見つけるのも難しくなっているのですが、それでも「巻き戻った時間の中で何を手にして、なにを失うのか?」という点は多くのループものの中で重要な位置を占めていると思います。
その答えは作品ごとに異なりますが、その根底にはやはり「リプレイ」の次の台詞が当てはまるのではないでしょうか。
「決して自分たちの過ちに拘束されず、後戻りして物事を変えることができる、もっと良くすることができると、常に知っていた。でもだめだったわね? 物事を変えただけね」
ループする物語の目的は、過去の失敗の「訂正」ではなく、繰り返しの中で何を見出すのか…という、探求の物語なのだと思います。