過度なハイラリを克服し、高音をキンキンせず出す方法【3分で徹底解説】
全国区のボイストレーナーイチです。本日は「喉仏が上がってしまうあなた」に向けたお話をします。
【喉仏が上がる理由とは⁉︎】
あなたはこんな経験ありませんか⁉︎
・歌を歌っていると喉仏がどうしても上がって苦しい
・普段発声しているときでさえ喉仏の位置が高くて引っかかる
・「喉仏を下げて歌って!」とボイトレ教室の先生に言われたことがある
実は喉仏というのは上がって当然、むしろ生理現象なんです。なので問題なのはそこではなく、過度に喉が上がらないようにするにはどうしたらいいか⁉︎ということ。
そこで本日は上達の本質に大きく関わることのみをまとめた、重要な筋肉の話をします。ぜひスキ、フォローしていってくださいね♪
【喉仏が上がる原因を分析せよ。】
喉仏をまず人差し指で触ってみてください。
喉仏というのは、「甲状軟骨」とよばれる軟骨の突起の部分を総称します。
こちらは喉を上から見た図です。
これをみると声帯は甲状軟骨の前側と披裂軟骨(後ろ側)を結ぶように存在しているのがわかりますね。
続いてこの赤い部分が輪状甲状筋。高音域をスムーズに出すためやミックスボイスに必須の筋肉です。おぼえておいて損はない筋肉ランキング第1位です。甲状軟骨と輪状軟骨を結ぶように存在しています。
輪状甲状筋には斜部と垂部という2種類が存在します。
【喉仏の位置があがる理由】
喉仏が上がる理由は1つ。
輪状甲状筋ではなく舌骨筋群を過剰に動かし高音を出しているからです。
上の図は喉頭懸垂機構と呼ばれる筋肉群で、簡単にいうと甲状軟骨(わたしたちの喉)のポジションを支えてくれる筋肉たちのことを言います。
喉というものは首の中で宙ぶらりんなため、この筋肉たちで支えてあげないとポジションが安定しないのです。喉=甲状軟骨(声帯を収納する部屋でOk)
そしてハイラリンクス(喉が上がる)が起こる原因はこの甲状舌骨をふくめた舌骨筋群が過剰に喉を引っ張ろうとするため、またはその筋肉たちが発声を支えようとすることでおこっているんですね。
【高音の出し方の正解と不正解】
・正解ルート→輪状甲状筋の垂部が主に反応し、高音域を発声する
・不正解ルート→甲状舌骨筋ふくめたハイラリにより、高音域を発声する
む、むずかしいです・・・・一言でいうと⁉︎
一言でいうと、無駄な筋肉群が発声をサポートしてるので、筋肉のバランスを変えるべしということです。
【発声は感覚ではなく、育てるモノ】
9年間にわたって歌うことや発声を研究してきて行き着いた答えとして、発声のの上達は筋肉にアプローチをかけてしまった方が圧倒的に早い。
ということがわかりました。
今回の話題で言うならハイラリンクスを阻止する方法は喉を下に下げてくれる筋肉を鍛え、その発声を維持したまま音域を拡大する。と言う方法があります。
【1週間でハイラリを取る!エクササイズ】
①GuGuGuを使い、低中域(C3~C4)をスタッカート発声する
②ロングトーンでGu~~~(A2~G3)と低音域を発声する
③ダンディな声質のままF4付近まで地声を出す。
いずれも高音域とは逆の低音域の開発。およびダンディボイスの攻略が鍵をにぎります。
舌骨群(ハイラリをつくる原因)の過剰な反応をとるためにはその逆側の筋肉を刺激するエクササイズを反復し、喉の筋肉がそれを覚えればいいわけです。
なるほど!つまりひとことでいうと⁉︎
一言で言うと、喉が上がりやすいなら喉が下がりやすいエクササイズを繰り返す!
【コラム:ハイラリは一概に悪ではない】
ブログをお読みいただきありがとうございました!専門用語が出てきたりと今回は少し難しく感じてしまったかもしれませんね。なので補足というか、初心者のあなたに向けたわかりやすいお話を最後にしておきます。
助かります!(◎_◎;)ハイラリは悪ではないのですか⁉︎
はい。ハイラリのメリットを挙げるならば、
①一時的に声帯閉鎖を作りやすくなる。
②金属音的な声質になる。
③ロックアーティストに向いた声
といった特徴があります。
ですが同様にデメリットがあって、それが
①喉が上がりすぎると発声をコントロールできなくなる
②力むと過緊張を起こしやすい
③深みのある声が出せない(低音がガラガラする)
といった特徴です。
ミックスボイス化がまだできていない状態ではメリット側のスキルを得られることはありません。ハイラリで歌えてるアーティストは低音の下地→ハイラリ筋との声区融合→ハイラリポジションで歌うという3つの過程を経ているんです。
ほほう。。つまり一言でいうと⁉︎