センセーショナルな言葉は麻薬
自分の大切な人を失うという経験をしたことがありますか。ある人もいるだろうし、ない人もいるかもしれません。
わたしは身近な人を数人失いました、それから時間が経過していますが今でもその人を夢に見たり、街で偶然見かけたような気がすること、眠れなくなったりすることがあります。今考えるとそれは「うつ状態」とか、「精神的に不安定」とかいう話ではなく、おそらく当たり前の健康的な反応です。
わたしは専門家でも何でもありません、いち当事者で、いち"ざわざわしている人"です。ここ最近SNSやインターネットからは、かなり距離を置いていました。だけど"ざわざわ"が大きくなってきたので、パソコンを開きました。
これを見ているあなたは、周りに話せる人がいるかもしれないし、いないかもしれない。同居人がいるかもしれないし、いないかもしれない。家族がいるかもしれないし、いないかもしれない。いつも明るい人を演じていて、暗い話なんてするべきじゃないと思っているかもしれない。相談なんてするほどのことじゃないと考えているかもしれない。でもここにたどり着いたということは、なにか導きがあったんだと思います。
しばらく一時的にインターネットやテレビのニュースを追ってしまうかもしれません。だけど置けるなら、とりあえず距離を置いてください。
相談窓口はたくさんあります。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/jisatsu/soudan_tel.html フリーダイヤルの相談窓口もあります。うまく話せる気がしなくても、抽象的な不安でも、不安な時はどこかを頼ってみてください。幸い相談できる場所は24時間あります。
もしも頼れるところに相談してみて思ったような返事がもらえないときも、絶望せずに少しだけ待ってみて下さい。相談窓口にすぐつながらないことも多いかもしれません。だけどちょっと待ってみてください。朝になればもっと、相談できる窓口は多くなります。
相談することは、とてもしんどいことです。そもそも、その渦中にいるときは声も出せない状態だと、ある人のストレスとトラウマの本で読みました。声を出して相談することの難しい人もいます。相談することが無意味だと思う人もいるでしょう。どうすればいいかは、今はわからないことも多いと思います。
外に出て陽を浴びるのもいいのかもしれませんが、一日中外に出ないのがいい人もいるかもしれません。人のいるところに行くのがいい人もいるし、人のいないところに行くのがいい人もいます。1人きりで瞑想するのがいい人もいるし、大勢で大騒ぎするのがいい人もいます。
だけど少しだけ、一人でずっと携帯の画面を見続けるのではない時間を意識的にとれるようにしてみるというのは、一つの手段です。ずっと一人で考えていると、同じことが堂々巡りになってしまうことがあります。
タイトルの通り、センセーショナルな言葉は麻薬です。一人でも多くの気を引こうとマスコミの中の人やメディアの編集者は日夜、見出しやキャッチコピーを必死で考えています。そんなつもりはなくても、マスコミやメディアがあなたの判断力や時間を奪うのはとても簡単なことです。いやでも特定のニュースや報道を追いかけてしまう心理状態になってしまうのも無理はありません。
誰かが代弁している記事や、無作為に編集されたもの、近しい人のコメント、真相は…なんて煽る記事、新しいトピック、これからもどんどんざわざわさせられること請け合いです。
そう、だからこそ、今ざわざわしている人はその手に乗らないでください。一度眠って、ゆっくり頭を休ませてください。それからでも遅くないことがたくさんあります。
もしもあなたが編集に関わる人ならば、今一度問題意識を持ってください。このことは、編集する人のリテラシーや命に関わる問題です。表現の自由や発信することの自由はありますが、発信者と受信者の間には大きな溝があります。
これを読んでくださった方に少しでもなにかが伝わりますように。おやすみなさい、また明日。
*写真は今日行った公園で見た木です。外は暑かったし、セミが鳴いていました。