デザイン思考マネジメント
マネジメントを行われている管理職の方で、実際にマネジメントにおける最適なプロセスについて深く洞察さている方はいらっしゃいますか?
そんな皆様にはぜひ「デザイン思考」の考え方を取りいれていただけると、今よりきっとうまくいくはず!という事を紹介したいと思っています。
リーダーとマネージャーは別物
まず前提として、組織のリーダーシップと、メンバーをマネジメントすることは全く別のことだと言われています。
スティーブン・コヴィーの『7つの習慣』ではこう定義させていました。
・リーダーシップ:正しい道を指し示し、先頭に立って進むこと
・マネジメント;示された道筋に対して最適化を効率よく行うこと
以下に7つの習慣で語られていた、リーダー、マネジャー、メンバーについての記述を引用します
メンバーとは?
道を切り開いている作業チームのメンバーは生産者であり、
直接に問題を解決しようとする人たちである。
マネージャーとは?
マネジャーたちはその後方に立ち、
手斧を研いだり、方針や手順のマニュアルをつくったり、
筋肉強化のプログラムを開発したり、
新しい技術を導入したり、
スケジュールを組んだり、
作業員の賃金体系をつくったりする。
リーダーとは?
では、リーダーとはどういうことをする人だろうか。
それは、ジャングルの中で一番高い木に登り、
全体を見渡して、下に向かって
「このジャングルは違うぞ」と叫ぶ人なのである。
マネージャーにこそデザイン思考
デザイン思考とは、ものすごく簡潔に言うと、
ユーザーを「理解」=>「探求」=>「具現化」するサイクルを幾度と回しながらユーザーに価値を届けていこう!という考え方です。
サービス開発を行っている方はご存知かと思いますが、サービスの「ユーザー」を理解することは最もコストがかかります、
ユーザーを理解するために、ユーザーインタビューを実施したり、ABテストを行って傾向を理解したりします。
しかし、マネジメントの場合は
理解するべきユーザーがすぐ話しかけれる場所に存在しているのです。
これはとても凄いことです。
メンバーに「共感」し、何が課題かを「探求」し、解決するための施策を「具現化」する事ができれば、きっとメンバーに価値を届けることができるはずなのです。
ユーザー(メンバー)に深く共感し課題を把握する
まずデザイン思考とは、ユーザーに対する深い共感・理解から始まります。
決して何を与えるか?から考えてはいけません。
メンバーは、何が好きで、これから何をやりたくて、どんな時に苦痛を感じて、どんなキャリアを描きたいのでしょうか?
「相手目線で世界を観察できる」様になるまで、まずは徹底的にコミュニケーションを行いましょう。
これらの会話を引き出す方法は、「ユーザーインタビュー」の手法が役に立ちます、ご興味のある方は学んでみてください。
メンバーの課題を見つけ出し、改善する施策を実施する
よくあるマネジメントの間違いは、「これが私の考える、あるべき世界だ」といったものを提示してメンバーを一同にそこに連れて行こうとする方法です。
そのような施策はリーダーシップとして、割り切って別物と考えるべきです。
組織によってはリーダーとマネジメントを兼務している場合も多いでしょう、そのような場合でも自己の脳内では、その両者を分けて「今、マネジメントとリーダーシップのどちらを行っているんだろう?」とはっきりと切り分ける必要があるでしょう。
メンバーには必ず課題があります、
それは人間関係であったり、キャリアであったり、評価制度であったりするでしょう。
「課題を解決する」のがデザイン思考のマネジメントです、前述の「共感・理解」のフェイズで良くメンバーの見ている「目線」を理解し、
メンバーの目線にたって、今最も困難な課題を定義しましょう。
課題が定義できたら、あなた(マネージャー)が取り除くべきものは取り除き、
本人が立ち向かう必要があるものなら、共に寄り添って乗り越えましょう。
1on1で学習のプロセスを回す
デザイン思考は、ユーザーを「理解」=>「探求」=>「具現化」するサイクルを幾度となく回しながらユーザーに価値を届けて行くものだとお話しました。
1on1という仕組みは、このサイクルの中で「学習して次のサイクルへつなげる」ためのブリーフィングとしてうまく機能します。
理解=>探求し、あなたが提示した「具体策」に対しての効果検証を行うのです。
これはサービス開発でいう、「プロトタイピング」とよく似ています。
毎サイクルごとに小さく分解した「具体策」をマネージャーが提示し、
メンバーの目線でそれらがどう映っているか?を確認しましょう。
あなたは1on1のたびに、それの結果を学習し精度を上げ、次のサイクル生かしていくことができます。
デザイン思考のマネジメントとは?
マネジメントとは「課題に対する最適化」です。
そしで、デザイン思考とは「課題発見/解決のサイクル」です。
大切なのはメンバー(ユーザー)に共感・理解し、それぞれの目線に立って課題を見つけ、日々のサイクルでそれを改善していく一連のプロセスです。
特に、デザイナーかつマネージャーをやられている皆様はその両方のスキルを活かし、より良いマネジメントを行えるはずです。
また、デザイナーではない職種の方も、マネジメント業務のためにデザイン思考を学ぶことは、非常に役立つことだと思っています。
ぜひ、マネジメントを業務にされている方は、デザイン思考を一度学ばれてはいかがでしょうか?
デザイン思考の参考サイト:デザイン思考の基礎 - U-site