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「インターネット黎明期」と「2ちゃんの男女比」と。

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ひろゆきが元気そうでなにより

ハフポストで『「 #私たちのフェミニズム 」をみんなで語ろう。』という連載が始まり、第一回のゲストにひろゆきが選ばれた。

この 「ひろゆきとフェミ」という異物感の酷い組み合わせが悲劇を呼び、1つの記事から何パターンかの炎上事案に発展している。

ひろゆき独特の達観し過ぎてて「お前さすがに生き物として無責任過ぎねえか?」というぶった切り体質は、お気持ちヤクザと呼ばれる現在のおフェミ様らと相性が良い訳がなく、インタビュー内容の一語一句に一々発狂するフェミが続出したのだ。

でもね、ひろゆきって納得できるロジックを目にすれば「ふーん」ってなる人間なんだから、感情的にキーキー言う前に、ひろゆきが納得するような理屈を組み立てればいいだけだと思うのだが。

まあそれが出来ないからおフェミ様らはお気持ちヤクザだの、お気持ちテロリストだの呼ばれて見下されているんだけどな。

インターネット黎明期っていつを想定してるの?

それはそうと、私がどうもモヤっとするのが、このインタビューの中の「インターネット黎明期の定義」と「2ちゃんの男女比」についてだ。

本文中にインタビュアーの『西村さんは、2000年代始めのネット黎明期に巨大匿名掲示板「2ちゃんねる」を運営されていましたが』という質問があるのだが、この時点で話がおかしい。2ちゃんが誕生した当時は、すでにインターネット黎明期ではないと思う。

それに対してひろゆきの返答はこうなっている。

『初期のインターネットって男性ユーザーが圧倒的に多かったんです。家でパソコンをすることが、そもそも「男の子の趣味」だった。あの頃だと安いパソコンでも20万円近くしていて、おいそれと始められるものでもなかったし。』

恐らくこれ、インタビューの時点で何について聞いているのか、そして返答しているのかが、両者の間で(意思の疎通に失敗して?)こんがらがっていると思われる。明らかに語っている時代が違っているのだ。

ただ別の可能性もあって、私も仕事でインタビュー記事をよく作るので何度も経験があるのだが、この手の記事ってテレコを聞き返しながら、自分の質問を読者に分かりやすいように修正する場合がある。
なので、もしかしたら記者が執筆段階で質問内容を付け足したり削ったりしてしまって、それが混乱を招いているのかもしれない。

ともかく、インタビュワーはひろゆきが2ちゃん運営に携わっていた00年代頃を想定していて、対するひろゆきは本当のインターネット黎明期について語ってしまっていると思われるのだ。
なぜそう感じるかというと、ひろゆきの言う「安いパソコンでも20万する」というのは、ネットというよりパソコン通信の時代のような気がするからだ。あの時代ならば確かに20万以上出さないとマトモなPCは買えなかった。

で、その当時の話をするならば、ひろゆきが言うように明らかな男文化であり、女性なんかレア物だったのは事実であろう。

そして、続く部分でまたも混乱が起きる。

髙崎:確かに、「パソコン通信」と言われている時代は、理系の男子の趣味って感覚ありました。現在これだけ女性のユーザーも増えたのはなぜなんでしょう。

西村:スマホの影響じゃないですかね。スマホに最初からインターネットがついてきたから、女性もそれを使って、ネットメディアを見るようになった。
ガラケー時代のネットも占いなんかはありましたが、ニュースメディアと言えるだけの媒体や、ちゃんとした広告モデルもなかったんです。
女性をターゲットにしたメディアが、スマホによって、ネット上でビジネスとして成立するようになったって話な気がします。

それまでネット黎明期の話をしていたはずなのに、記者の高崎氏が「現在の女性ユーザー」の話をし始めた。
それに対してひろゆきは「直近の女性ユーザーの動向」について語り、結論として「スマホの影響だ」と断じている。

この時間の飛び具合の激しさが、各方面で誤解と憎しみが渦巻く要因になってしまっているように思う。
とはいえ、一番の要因は感情的になるあまり正しく日本語が読めない、認知の歪みまくったおフェミ様らの読解力にあるんだけどね……。

インターネット老人会女性部発足

こうしたひろゆきのインタビュー記事をキッカケとして、twitter上で 『#インターネット老人会女性部』というハッシュタグが誕生した。

だが、この流れを受けて「女性というだけで迫害を受けた」「女性は男のふりをして書き込むのが当たり前だった」「女性差別があった」「ひろゆきがデマを飛ばしている」などと吹き上がっている方々もおり、そうした発言が一々炎上の種になってしまっている感がある。

そもそもひろゆきは「女性ユーザーは少なかった」と言っているだけで、「いなかった」なんて一言も言っていない。それを曲解して「私は90年代からやっていた!」と言ったところで、当時女性ユーザーが明らかに少なかったのは事実なのだから、まったく反論になっていない。
私は00年代に探偵ファイルという商用サイトのプロデューサーをしていたので、広告屋との付き合いがあり、またビジネスに必要な実数を色々と見ていたが、00年代中頃でも女性ユーザーの割合は3割程度だった(それより前はさらに少ない)。
それとは別に00年頃からテキサイ管理人だったので、当時のテキサイ界隈に女性管理人がどれだけいたかも把握しているが、やはり全体の2割もいればいい方という比率だった。

正直なところ、当時はオンラインゲームでも個人サイト界隈でもBBSでもチャットでもネカマが多かったし、反対に男言葉で書き込んでいた女性も一定数いただろう。そうした事情があるので、正確な男女比はぶっちゃけ分からない。
だからこそ、各自が当時どの場所にいたのかを明かし、その上で「私はこういう景色を見ていました」と情報を持ち寄る作業から始めないといけない。

それを乱暴に、いきなり「当時のネットには女性差別があった!」「女性は虐げられていた!」なんて言ってしまったら、それはもはやひろゆきの言動がどうのは関係なく、単に「そいつがデマを飛ばしている」という話になってしまう。

20年前のインターネッツで女性が叩かれるパターン

では次に、こうした発言者らの言うように、当時のインターネットで女性が叩かれる、何らかの迫害を受けるという事が実際にあったと仮定して考えてみよう。
その場合、どういう経緯で女性が攻撃される結果となったのだろうか。それこそが、この問題の要点だと思われる。

というのも、私がいたテキサイ界隈では、女性はそれなりに珍重されており、女性というだけでチヤホヤされていたからだ。女性のサイト管理人もそうだし、女性読者も多少ブスでもモテモテだったような覚えがある(いわゆる ”オタサーの姫” を想像すると丁度いいはず)。

また場面を2ちゃんなどのBBSに移すと、それはそれで「相手が男か女か若者か中年かなんて誰にも分からない」のが当たり前の場だ。ひろゆきキッカケの話なので2ちゃんに限って言うならば、”匿名掲示板” なのに発言者が男か女か他人にバレたらおかしいだろう。

この理屈が分かるだろうか。

ようは、「2ちゃんで女性と分かると嫌がらせされた」とtwitterで被害を訴えているヤツは、自分が何かしら不用意な真似をしたから叩かれたのであって、「お前が女性だから差別されたんじゃないよね?」という疑惑が浮かぶのである。

それについてtwitterでダラダラと所見を述べたところ……

誰にも直リプしてないし、何だったらRTもしていないというのに、特に問題のある発言をしていたアカウントからブロックされてしまってさあ困った。細かい言い回しなどを確認できなくなってしまったのである。

やっぱ「承認欲求をこじらせたメンヘラが2ちゃんで気色悪い女アピールと自分語りをしてチラシの裏に書いてろブス!くらいの事を言われたんじゃねえの」なんて酷い事を言ったのがマズかったか。

いやでもね、当時の2ちゃんや個人サイト界隈の空気を思い出すと、そういう結論しか出て来ないのよ。本当に女ってだけで魚みたいな顔したエラ呼吸が得意そうな子でもモテて飲み会でお持ち帰りされまくってたんだから。

そんな時代のインターネッツで女が叩かれる理由なんて、メンヘラのヤラかし以外に考えられないのである。

という事は、今になって「あの頃のインターネットには女性差別が!」なんて言ってるヤツは、自分が20年前に痛々しいメンヘラ女だったと自白しているのも同然なんじゃないかなって……。

と、ここまで書いておいてなんだが 「私が見ていた場所からはこういう景色が見えてました」 というだけの話なので、私のあずかり知らない場所にいた人には全く違う状況が見えていたと思う。

例えば魔法のiらんどとかmixiとか、特に女性比率が高かったであろう界隈の事はよく知らんので、あの時代にあの辺りにいたという人にはどういう内情だったのか聞いてみたい。

匿名のロールプレイの場にジェンダー問題を持ち込むなよ

という訳で、長々と書いて来たがまとめるとこの見出しの通りだ。場所が00年代の2ちゃんであれ、テキサイであれ、魔法のiらんどであれ、ネットに正直に個人情報を曝け出すのはバカのやる事である。

そもそも、当時は(本来は今も)ネットなんてのは匿名なのが当たり前で、何か殺害予告など犯罪行為でもしない限り、その匿名性は守られ続けるものだった。自分自身が不用意な事を言わなければ、性別も年齢も国籍すらも明かさずに済む、それがインターネットという空間だったはずだ。

そういう場所だからこそ、みんな 「ロールプレイをしていた」 のである。ロールプレイとは、簡単に言えばなりきり遊びみたいなものだ。
中にはガチ勢とでも呼ぶべき自論をぶちまけてごり押しするようなネットバトラーもいたが、と書いた瞬間に頭の中に 【ナミvsマサムネ】 なんて文字列が浮かんだが、大多数は本当の自分の情報など殆ど出さず、適当なペルソナを被ってネットを使っていたはずだ。私のように顔出し本名出しで活動していた人間なんか超少数派である。

20年前のネットなんてそんな状況だったはずなのに、どうすれば女性差別が生じるのだろう。不思議で仕方がない。被害を受けたと騒いでるひとは、今の時代に「バカッター」とか言われるような事しなかった? ねえ、ねえ?

当時のネットとは、言ってみれば実際の性別や年齢などあまり関係なく、その場その場の面白い空気が維持できればそれで良いというだけだったような気がする。

だから、もし何事かで叩かれるとするならば、その面白い遊び場を壊す異物と看做された場合だ。具体例を挙げると、前述した他人の目を気にしない独りよがりな振る舞いだったり、延々と続く自分語りだったりといった、承認欲求をこじらせたメンヘラ的な痛々しい立ち振る舞いがまさにそれである。

皆で使う共有スペースでそのような身勝手な振る舞いをしたら、そりゃ叩かれるでしょうよ。ただそれは女性差別ではなく、そいつの人間性のマズさが非難されているだけである。

よって、そんな世界の昔話の中に後付けで ”ジェンダー問題” を持ち込むのはとても卑怯だ。言ってみれば性別も年齢も 「無い」 という前提で立ち振る舞わなきゃならないのが当時のネット空間だったんだから、その最低限のルールをお前は守っていたのかと問いたい、小一時間問い詰めたい。


と、2ちゃんのネットウォッチ板で脳死認定されていた男が20年の時を経て他人様に偉そうに説教してみた。

悔しかったらお前らもツベコベ言わず20年ROMれ。話はそれからだ。



※ 本文ここまで
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