会社がなくなるタイプのレイオフ

今年、私の勤めていた日系の会社で米国子会社を閉じることになり、私も含め従業員全員レイオフになりました。その際に、過去にレイオフされた方々のブログが非常に参考になったため、自分でも記録を残しておこうと思い、久しぶりにブログを書くことにしました。

米国におけるレイオフに関しては先人の記事が多くありますが、会社がなくなるタイプのレイオフや、小規模な会社におけるレイオフの情報はまとまったものを見かけなかったため、本記事では主にそこに注力します。

(幸い転職活動は終了しました。本当に多くの方々に助けていただき感謝しております。)


通常のレイオフとの違い

元の会社が存続する一般的なレイオフと会社がなくなるタイプのレイオフではいくつか異なる点があります。その中でも最も影響の大きな違いは健康保険と401k(確定拠出年金的なもの)の扱いです。

今回は特に保険周りでできる限り準備をしたにも関わらずひどい目にあったので、まずそちらに関する説明を書きます。その後、401kに関する話と、レイオフされる人が会社を閉じるまでの残務を行うことについてまとめます。

保険

結論から先に書くと、会社がなくなるタイプのレイオフではCOBRAが使えず健康保険の個人プランを契約せざるを得なくなります。おまけ情報としては、DentalとVisionはなんの役にも立たないので契約してはいけません。

アメリカの健康保険は雇用と強く結びついており、レイオフなどで職を失うと会社で加入していた保険も無効になります。そのため、失業中には毎月高額の費用(premium)を払って個人プランを契約することになります。

しかし、個人プランにはいくつか罠があります。1つ目は保険が有効になるのは健康保険会社の早くても翌billing cycleからという点です。例えば毎月1日から月末までカバーしているようなプランでは、早くても翌月の1日以降しか保険を使えません。「早くても」と書いているのは、レイオフなどの一部イベント(qualified life event)がない限りは通常2〜3ヶ月後からしか契約開始できないためです。契約時にレイオフされたことを伝えて処理を加速してもらう必要があります。(2つ目の罠に関しては後述します)

このような無保険期間が生じるのを避けるため、アメリカにはCOBRAという制度があります。これは失職/解雇後に最長18ヶ月(一部の状況では36ヶ月)前職の健康保険を継続利用できる仕組みです。なんか誇らしげに書いてますが、日本だと保険が素晴らしいのでそもそもこんなクソみたいな仕組みは必要ありません。また、COBRAは通常20名以上の会社にのみ適用されますが、小規模の会社向けのmini-COBRA(カリフォルニアではCal-COBRA)もあります。COBRAでは会社がレイオフのパッケージなどで気を利かせてくれない限りpremiumを全額自分で払う必要がありますが、前述のような個人プランに乗り換えるまでの無保険期間を最小化できます。

ところが、会社がなくなるタイプのレイオフではCOBRAを利用できません。健康保険会社と契約していた雇用ベースのプランが会社の精算とともに終了するためです。したがって、レイオフの告知があってから最速で個人プランを手配する必要があります。

私の場合は後述の残務処理などがあったため、レイオフの告知は6月末、実際の解雇は10月31日でした。しかし、個人プラン契約の罠を知らず、また事前に連絡しても断られそうだったのもあり11月1日に保険会社に電話したため、1ヶ月無保険で過ごすハメになりました。一日入院したらそれだけで数万ドル(最低300万円くらい)吹っ飛ぶような状況なので生きた心地がせず、外出も最小化しThanksgivingも基本的に家でおとなしく過ごしました。たまに「難病治療でアメリカに渡航するため〇億円寄付をお願いします」というのを見かけますが、当事者からすると「本当にたったそれだけで足りるの!?」と思うレベルでアメリカの医療と保険は酷いことになっています。

それはさておき、今回のケースはしなくても良い失敗の結果ですが、猶予期間がなく月の始めにレイオフが行われるとどう頑張っても長めの無保険期間ができてしまうと思います。そのような場合は社長と交渉して保険を月末までは継続してもらいつつ、並行して個人プランへの移行を行うことになりそうです。

個人プランの健康保険2つ目の罠ですが、同一の健康保険会社でもproviderによっては雇用ベースのグループプランは受け付けていても個人プランは受け付けていないケースもあるそうです。私は幸いにも今の所そのようなケースに遭遇していませんが、劣化版の保険ということを意識して過信しないようにしておくのが良さそうです。

その他の一般的な情報として、前述のもの以外でも個人プラン契約時にトラブルやストレスが貯まる出来事が多かったです。私の場合は

  • 12月1日開始のプランの支払いを何故か11月4日に要求された

  • 契約が電話のみで、個人情報をすべて電話越しに伝える必要があった

  • 12月1日開始予定の保険が12月6日まで始まらなかった

ということがあり、アメリカの健康保険会社は本当にクソだなと改めて思い知りました。念のためなにがあったのか書いておきます。

今回は少しでも健康保険のpremiumを減らすため、Affordable Care Act(ACA、一部でオバマケアと呼ばれているもの)のカリフォルニア版、CoveredCAを利用することになりました。ただ、最初に利用方法がわからなかったのと、継続して同じ病院&医師にかかれるようにするために特定の保険会社と契約したかったため、保険会社に直接電話して契約することにしました。このとき、個人情報をすべて口頭で伝える必要がありました。名前が1文字でも間違っていたら保険が効かなくなる可能性があったのでかなり慎重に行いましたが、それでも登録間違いが2つありました(後述)。

その後、無事保険のカードも届いたので、保険が有効になったはずの12月1日に薬局に薬を取りに行ったところ、保険会社のデータベースに登録されてなさそうと言われました。ちなみに薬局の人も保険会社にブチ切れ気味でものすごく親切に助けてくれました。当日は日曜だったので翌日保険会社に電話してみましたが、CoveredCA経由の保険なのでCoveredCAに電話するように言われました。そして、CoveredCAでは登録情報も保険会社の情報も残っていて支払いも確認しているので保険が有効になっていないとおかしいと確認が取れました。その後、CoveredCAの人が自発的に保険会社にお怒り電話をしてくれて解決しました。その後、12月6日に保険情報が復旧して使えるようになったという流れです。通常は7〜10営業日かかるらしいですが、今回は緊急性が高かったので早く対応するように促してくれました。それにしても、CoveredCAは本件も含めてものすごく親切丁寧な対応だったので印象が良かったです。なお、12月1日〜6日までも保険が全く使えなかったわけではないですが、何かあった場合は一旦全額自腹で払ったあとに保険会社にclaimするという地獄を味わうことになっていたそうです。

今回なぜこのようなことが起こったかの推測なのですが、おそらく初回の契約時に「1月以降は保険がいらないので12月末で契約を終了して欲しい」と頼んでしまったからだと思います。アメリカで働く人の多く(デカ主語)は2つ以上のことを同時に伝えると機能不全を起こします。メールでも1回のメールで2つ以上質問すると1つしか回答が返ってこないというのはビジネスの常識です。保険の契約時には契約以外の話をすべきではありませんでした。おそらく契約が完了した直後に解約されてしまったのでしょう。こちらも保険がなくなるので焦りますが、段階的にことを進めるのが無難だと改めて思い知りました。

他にも、電話で個人情報を伝えた際に細心の注意を払い何度も確認したにも関わらずおそらく担当者のtypoで娘の生年月日が1年ずれていたり、息子の性別がfemaleになっていたりしました。その影響もあり、娘の薬は保険が効かず全額自腹で買うことになりました(見かねた薬局の人がクーポンを適用してくれて半額くらいにしてもらえましたが)。おそらくあとから保険会社にclaimすれば今回の分も返ってくるとは思いますが、被害額が$500未満で済んだので自分の時給と電話によって受けるストレスを考えて泣き寝入りすることにしました。この手の泣き寝入りは初めてではありません。前回は妻が息子を出産したあと病院から出るのに30分余分にかかった追加費用として病院が$650請求してきたのですが、それに対して保険が効かず、電話しても保険会社と病院の間をたらい回しにされた挙句なにも起こりませんでした。おそらく保険会社もこの程度の額だと訴訟されづらいことを見越して雑に対応していると思うので、悔しいですが精神衛生上さっさと諦めるのが一番コスパが良さそうです。そして、個人プランだとこういう細かい部分で足元を見られることは非常に多そうだなと感じました。

余談ですが、最初からCoveredCAを利用すると情報を全部オンラインで入力できるため、電話越しの聞き間違えや先方のtypoによる被害を最小化できそうでした。CoveredCAを使うと登録情報の間違いなどは結局CoveredCAに報告し、そこから保険会社に対して修正が行われる流れになるため、最初からCoveredCAで直接入力するのがいろんな意味で無難かもしれません。電話するにしても、対応者の職務能力もCoveredCAの方が比較にならない水準で高いです。

繰り返しになりますが、アメリカの健康保険会社は本当にクソなので、常に最悪を想定して動きましょう。

401k

401k、いわゆる確定拠出年金的なものは、通常のレイオフではその口座を維持し続けたり転職先にrolloverしたりできます。一方で、会社がなくなる場合は保険と同様に口座を閉じることになるため、一定期間以内に資金を移動しなければなりません。

資金の移動方法には大きく分けて3種類あります。1つ目が引き下ろしです。これは59歳半以前に行うと税金に加えてpenaltyが発生するのでお金がガッツリ減ってしまいます。次の選択肢は転職先の401k口座にrolloverするものですが、会社を閉じる場合は60日以内に処理を完了する必要があるため現在の転職市場の悪さを鑑みると危険です。そのため多くの場合は最後の選択肢である個人のTraditional IRA口座へのrolloverを取ることになると思います。

ちなみに、前に働いていた会社の401kの口座が残っていたらそこにrolloverすることも可能かもしれません。私は今回が人生初の転職だったのでそんなものはなく、個人でTraditional IRA口座を開くことにしました。ちなみに、rollover申請時に送金先の口座情報が必要なので、先に口座を開かなければなりません。

401kのrolloverはcheckで行います。紙の小切手です。正気か?しかもそれがUSPS(アメリカの郵便局)で送られてきます。USPSと言えば、我が家では娘のSocial Security Cardが郵送中に紛失して人生で3回しかできないSocial Security Numberの再発行を生後2週間で行ったり、運転免許証が届かなかったり、散々な目に遭ってきたので今回も不安で仕方ありませんでした。

401k rolloverでもいくつか問題が起こりました。会社で使っていた401kのサービスがあまり良くなかったので、rollover用のcheckに必要な情報を全部書いて貰えませんでした。しかし、今回Traditional IRAの口座を開いたCharles Schwabの人からタイミングよく連絡が来て色々助けてもらえることになり、情報が足りないcheckでも無事rolloverを完了することができました。具体的には、自宅への郵送しかできなかったのもあり、本人確認書類とcheckを持ってCharles Schwabの支店で直接入金するという対応を取ることによってトラブルを最小化してもらいました。

そんな感じでなんとかrolloverを済ませましたが、最初にrolloverのリクエストをしてから実に30日以上が経過していました。そのうちcheckの郵送に20日近くかかっていました。一度でもUSPSがcheckを紛失していたらなにか期限絡みの問題が発生していたのではないかと思います。

また、これもSchwabの人が教えてくれたのですが、Traditional IRAへのrolloverに関するtax returnに必要な手続きは以下のIRSのリンクで確認できるらしいです。まだ2024年向けのitemが出てないので、来月移行また確認してみる予定です。

レイオフ告知から後始末まで

日本のスタートアップなどで今後米国支社を閉じることになる会社も出てくると思うので、私のケース(親会社が日本)ではどのように残務処理を行ったのか情報を残しておきます。

一般的に、従業員はレイオフを告知されると同時に様々な権限を失いオフィスにも立ち入れなくなることがほとんどだと思います。これはレイオフされた従業員の報復行為などによる会社への損害を抑える目的がありそうです。しかし、会社を閉じるケースでは全員がレイオフとなるため、このように扱うと各種アカウント解約や最終的な経理処理を行うために必要な人員がいなくなってしまいます。

この問題を解決するためには、一時的に閉鎖に必要な作業を行う人員を雇うことも可能かもしれませんが、例えばAWSのroot accountなど管理方法によっては引き継ぎが難しいものもあります。オフィスの掃除にしても機密情報の扱いなどの問題もあります。国をまたいで本社の人を送り込んでも現地業者の調達など勝手がわからなかったりビザ的な問題が発生したりする可能性もあるので、結局レイオフした人たちに後始末を頼むというなんとも難しい状況になります。

レイオフ通知後の扱いには前述の即解雇する一般的なものに加えて色々ありますが、その中でもgarden leaveと呼ばれるものがあります。これはレイオフ通知から解雇までに猶予期間を設けてその間は従業員としての状態を維持しつつも業務が発生しないという、退職まで常時有給状態が続くようなものです。今回のケースでは引き継ぎや残務処理など割と限られた業務のみをこなしつつ、残りの時間は転職活動に充てられるようなgarden leaveに近い形になりました。少しの間保険を維持しつつ転職活動ができたのは非常にありがたかったです。

レイオフ時にはseverance packageというものがありますが(一般的にbase salaryのnヶ月+勤続年数*m週間的な計算でお金を貰える)、そちらも一応引き継ぎや残務処理を行うことを条件に入れつつ上記のgarden leave的な扱いを含め多めに出して頂けたので、今回は特に大きな問題なく会社を閉じられました(経理の人には相当な負担がかかっていましたが)。ただ、かなり性善説を前提にした方法なので、悪意のある人がいると簡単に破綻しそうです。結局この手の残務処理は一般的にどうするのが良いのかはよくわかりませんでした。人によっては残務をしない代わりにseverance packageを減らしてすぐに辞めたり、色々破壊して失踪したりしてもおかしくないです。いずれにせよレイオフされた人が残務を行うときの心境は虚無でストレスが大きい上に本質的にそのような対応をする義務がないので、残務を依頼するにしてもできるだけ作業や労力が最小化するようにしつつレイオフした側が主体に進めることを前提にした方が良さそうです。

また、このようなレイオフを日本在住で海外の事情をよく知らない経営者や人事が行う場合には、「レイオフとはなにか」ということを事前にしっかり学んでおく必要があります。今回は最初「レイオフだけど引き継ぎなどはもちろんやってもらえますよね?」というノリだったので、現在の転職市場の状況が悪いことや前述の保険の話など命に関わることがたくさん起こるため、レイオフを告知された瞬間から仕事どころではないということをこちらから伝えることになりました(その後は穏便に解決)。他にも色々依頼されましたが、私は基本的に「できるだけこちらに負担をかけないようにそちらでできる部分は自分でやってください。こちらでしかできない処理は対応します。」としていました。後ろめたさを感じる人もいるかもしれませんが、状況が状況なのでこういう対応を取らざるを得ないかなと思います。私も転職活動がかなりギリギリだったので、もし自分で手を広げていたら今頃悲惨なことになっていたかもしれません。

その他

会社がなくなるタイプのレイオフ特有の話は以上ですが、少しだけ一般的な話も書いておこうと思います。

まず、転職市場の状況について。2023年の地獄を見てきた面構えの違う方々によるとだいぶ改善しているようですが、それでもまだ大変そうな雰囲気を感じました。同時期に転職活動していた人の話を聞いても、やはり多くの人が少なくとも数十社200ポジションくらい応募していて、referralがないと2%返事があれば良い方とのことでした。大きめの会社だと1ポジションに1000件近い応募があるため、機械的なresume screeningを通るだけでも一苦労という印象です。Referralがあっても返事が来ないことは普通で、私の場合はreferralを頂いたのが20件、そのうち経験/スキルが合って応募した16社中7社から一切反応がありませんでした。

他の話としては、今回私がレイオフを告知される2週間前に友人からレイオフされたという連絡があり、転職先探しを手伝っていました。その後自分がレイオフされたので、興味のある会社に勤めている友人に連絡したらその人も最近レイオフされていた…というカオスな出来事もありました。多くの会社がまだ小粒なレイオフを繰り返している状況なので、その分新規採用する動機も薄く、特に自分の条件に完全に合う職を探すのはまだ難しい状況だと感じました。

転職に要する時間は、レイオフということもあり各社最速でスケジュールを詰めつつ、recruiterに事情を説明すれば通常オファーまで2ヶ月くらいかかるところが1ヶ月くらいで終わるように手配してもらえたりしました。ただ、一部のbig techのように面接後にteam matchingがあると普通に2ヶ月以上かかりました。

このような状況かつ金銭的な期限もある状態なので、計画的に複数社に応募してオファーのタイミングをかぶらせて給与交渉を優位に進めたりするのは難しかったです。今回は実は一回まで失敗を許容する前提でかなりリスクを取って動きましたが、それでも落ち着いて仕事を選べるような状況ではありませんでした。私は割と興味の幅が広くかなりgeneralist寄りなので幸い楽しめる&キャリアパス的に問題のないポジションがいくつか見つかりましたが、極端に専門性が高い技術者・研究者だったりすると適正のあるポジションにそもそも空きがないということもまだ普通にありえると聞きました。タイミング調整ができないのは一般的な転職と比較してレイオフの辛いところだと思います。

おわりに

主に会社がなくなるタイプのレイオフ特有のことについて書きました。保険と401kは人生への影響が大きく、さらにレイオフ後すぐに対応を迫られて大変です。特に保険に関しては個人プランの契約でトラブルも多いので、常に最悪を想定して動く必要があります。

レイオフは大変でしたが、社内外含めかなりオープンに転職活動ができたのは面白かったです。ただ、そういう事が言えるのも、前職でgreen cardをサポートしてくれたおかげです。元々Eビザだったので、green cardがなければ日本帰国ほぼ一択でした。それだけでなく、前職ではICのソフトウェアエンジニアからCTOやVP of Engineerなど、ソフトウェアエンジニアとして考えられるほとんどのroleを担当させてもらったのは本当に貴重な体験になりました。レイオフ後日本のオフィスに遊びに行って社長&副社長に直接お礼も言えましたが、改めて感謝します。

また別の話になりますが、GCがないことによりレイオフ時に過酷な状況に陥った人を何人も見ているので、特に日系の会社では駐在など特殊な契約がない限りは積極的にGCがサポートされるといいなと思います。ビザでの滞在には人権が一部欠落しており、それに加えて米国滞在/労働許可を人質に取られた状態で業務を行っている状況です。いわゆるビザ奴隷というやつです。ビザの更新も煩雑で運転免許更新にもビザが影響してきたりして従業員の生産性にも影響があるので、GCサポートは十分元が取れる投資です。

最後に、アメリカで働くソフトウェアエンジニアは竜盛博さんの本を持っておきましょう。今回もレイオフ周りの話ですごくお世話になりました。まだ普通に使えます。

追記

一点だけ補足しておきます。「日本に帰任する選択肢は与えられなかったのか」と気にしている方々がいらっしゃいましたが、まあ与えられない訳がないですよね。もちろん一番最初に聞かれました。

ただ、私はここに書かれている大変クソな部分も含めてアメリカと言うかカリフォルニアが好きなので、金銭的/健康的/法的にどうしようもなくなるまではこちらで暮らすつもりです。そもそもアメリカで働きたいというより、カリフォルニアで暮らしたいという動機で渡米してきているというのもあり、日本に帰るという選択肢が私と妻の中にありませんでした。子供も日本を知らないので帰るのは難しいと感じます。日本の小学生が突然アメリカの小学校に転校するシナリオの逆を想像してもらうと良さそうです。

また、生々しいことを書くと、大学を出てから同じ会社でしか働いたことがなかったので、そろそろ一回転職しておかないとたぶん採用してもらえなくなるなという危機感もありました。ジョブホッパーの逆バージョンですね。特にこちらだとRSUのvestingが終わる4年くらいのタイミングで転職する人が多いため、一社に長くとどまっている人は余計に目立ちます。実際今回の転職でも年齢的にギリギリだったのではないかと感じることが多かったです。そういうこともあり、レイオフを告げられてから今後も関わりを続ける選択肢を色々提示して頂きましたが、全部断って転職することにしました。

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