外国語単語学習に Anki (暗記) のすすめ
皆様、単語の学習はどのようにされているでしょうか?今回私がDELEなどスペイン語のボキャブラリーを集中的に増やしたいときに使っていた学習アプリ Anki(アンキ)を紹介したいと思います。この記事では、Ankiの特徴や使い方、効果的な活用方法について詳しく紹介します。
1. Ankiとは?(概要)
Ankiは、日本語の「暗記」から名付けられた、反復学習アプリです。このアプリの特徴として、「スペースド・リピティション(Spaced repetition, 間隔反復)」という学習法を採用しています。spaced repetition
Spaced Repititionとはなんぞや?と思われたかたに説明しますと、これは記憶の保持に最適なタイミングで復習を行うことで、効率的に学習内容を定着させるというものです。記憶が薄れてきた頃に復習することで、忘れにくくなるという科学的根拠に基づいた学習手法です。なんとなくご経験で分かると思いますが、下記のとおり記憶は日にちを経るごとに忘却されていきます。レミングの忘却曲線(下記)が有名ですが、この曲線のY軸 Memory をグイッと引き上げ記憶定着に図るのが、Anki の担う役割です。
Ankiは、基本的にはフラッシュカード形式で学習を進めます。フラッシュカードは 中学校や高校の受験勉強で使っためくる単語カードのイメージのものと思ってください ↓
ご自身で問題と答えのペアを作成し、アプリが自動的にそのカードを表示し、正解かどうかを自己評価 (「もう一度」「難しい」「正解」「簡単」) します。この自己評価に基づいて、Ankiアプリが次の復習のタイミングを調整してくれるところがポイントです。
2. Ankiの特徴
では、Ankiは他の単純フラッシュカードアプリが優れているかと言うと、以下のような特徴を持っている点だと個人的に考えています。
2.1. 反復学習が可能(Spaced repetition)
前述した通り、Ankiは「スペースド・リピティション (spaced repetition)」を活用しています。ユーザーが答えられなかった単語カードは短期間で再び提示され、簡単に答えられたカードはより長い間隔をあけて提示される仕組みがあり、この仕組みのおかげで、全てのカードを均等に復習するのではなく、自身が苦手な項目に重点を置いて効率的に学習できます。
2.2. カスタマイズ性と共有デッキ
Ankiは非常にカスタマイズ性が高いアプリです。自分に合ったカードセットを作成できますし、世界中のユーザーが作成した「共有デッキ」をダウンロードして利用することも可能です。たとえば英語やスペイン語など、すでに誰かが作成した共有デッキを活用することで、単語カード作成の手間を省くことも可能です(すみませんが、私は共有デッキを試したことがありません)。
下記共有デッキのURLを置いておきます↓
2.3. マルチプラットフォーム対応
Ankiは、PC(Windows、Mac、Linux)やスマートフォン(iOS、Android)、そしてウェブ上でも利用できるマルチプラットフォーム対応。デバイス間でデータを同期させることで、どこでも同じデッキを使って学習を進めることができ、通勤や移動中などの隙間時間を有効活用することができます。1点注意点としてiOSは買い切りで有料です(24年12月時点 )!
なので個人的にはAnkiはまずPC版でやってみて、移動中もどうしても単語カードをめくりたいとなれば、iOS版に踏み切ればよいと考えています。・・・私はPCで十分だなと感じました。
3. Ankiの使い方
では次に具体的な使い方を見ていきましょう。
3.1. デッキの作成
まずは、学びたい分野やトピックに応じて、デッキを作成します。PCを使い、今回仮に「初級スペイン語単語」というデッキを作成してみました(株のデッキ作成からデッキは作成可能です。共有デッキもDL可能)。
3.2. カードの追加
デッキを作成したら、その中に学習したい内容をカードとして追加します。Ankiは質問(表側)と回答(裏側)というシンプルな形式のフラッシュカードを作成します。ここでは例として、Abrir = 開ける を作成してみました。カードはサクサク作れるので、どんどん作成していきましょう!ちなみに画像や音声、動画を加えることも可能ですが、そこまで労をかけてまでしてな~という気もしますので、文字だけで良いと思います。
3.3. 学習の開始
カードを作成したら、実際に学習を始めていきます。カード(の表側)に表示された質問に対して、解答を考えて確認します。その後、解答が正しかったかどうかを、「もう一度」「難しい」「正解」「簡単」といったレベルで自己評価を付けます。その自己評価に基づいて、次にそのカードが表示される復習のタイミングが決定されます(もちろん簡単な評価ほど復習の間隔長くなります)。その後、その日にあてがわれたデッキのカードが終われば、その日の勉強は終わりです。
3.4. 定期的に (できれば毎日) 学習する
Ankiは Spaced Repetition (間隔反復) が肝。できるだけ毎日少しずつでも復習を行うことが大切で、その反復学習が記憶の定着に寄与します。
何より数日ため込むと一日の消化しないといけない単語が、消費者金融の金利のごとくみるみると増えていき、「この量は1日で終わらないわ!!!」 と辛くなり、ギブアップするはめになります。習慣化するまで少し大変かもしれませんが、効率的に単語を覚えることができますので、ぜひトライしてみてください! ¡Vamos!
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