仲邑菫三段ビッグタイトル獲得ならず
【要約】
韓国の女流三冠戦で仲邑菫三段が惜しくも敗退
世界最強の崔精九段に対し、第1局を勝利し第2局は終盤で逆転負け
第3局は大きな戦いの碁となり、チェジョン九段の作戦に押し切られる形で敗北
しかしすぐに国手戦決勝でキムチェヨン八段との戦いが続く
仲邑三段は着実に実力をつけており、タイトル獲得が期待される
【本文】
韓国の女流三冠戦、仲邑菫選手の決勝三番勝負を
戦った結果が昨日出ました。
残念ながら仲邑選手は敗退しました。世界最強の
チェジョン九段に三番勝負の第1局を勝って、
追い込んだ第2局、大ヨセの時点まで優勢でした。
一時は5目ほど優勢で、評価値では90%超える
くらいだったのですが、たぶん優勝を意識して
硬くなってしまったと思います。
世界最強者に勝利しての優勝を、あと一歩のところ
まで来たことで意識してしまい、3目半ぐらい勝ち
そうな碁が逆に2目半負けてしまいました。
第3局は大きな石をゴソッと取られて、
中押し負けでした。すみれさん得意の白番
だったのですがチェジョン九段が作戦を
コントロールしてきた気がします。
1局目は腰を落とした進行で、仲邑選手は離されず、
最後のヨセの勝負になりました。
少し棋力差があれば、長期戦にした方が確実に
勝てるというところがあります。
力の差がはっきりしていればいるほど、短期決戦
の大きな戦いをするのはリスクになります。長く
ゆっくり打てば、少しずつ差がついて、最後は
確実に、安全に勝てます。
それを1局目でどうも仲邑選手には通用しないと
確認したチェジョン九段が、特に最終局は積極的
に打って出て、途中までに勝負をつけるという
方針に変えたのだと思います。
仲邑選手の石は崩されて、追われて逃げ回る
ような形になってしまったので、形勢には差が
ついて、受けていては勝てないと見た菫さんが
開き直って地を頑張り、最後は死んでしまった
という結果になりました。
あと一歩だっただけに非常に残念でしたが、
この後また女流国手戦の決勝戦があります。
国手というのは韓国独自の表現です。
韓国語だとククス、ククスジョンて言いますけど、
この国手戦で決勝に進出しています。
こちらの相手は準決勝でチェジョン九段を破った
キムチェヨン八段。これも韓国のトップ選手、
強い選手ですけども、仲邑選手はこちらでの決勝戦
がすぐにまたありますから、落ち込む暇もなく、
どんどん対局が続くので、落ち込む暇も心配も
ないでしょう。
とりあえず世界最強のチェジョン九段に、
かなり近づいている、ほぼ互角の勝負ができた
ということです。スミレさんは確実に進んでいます。
タイトル獲得も近い、世界戦の優勝へも徐々に
近づいているということで、これからもファンの
私たちは見守っていきましょう。
ということで今回は仲邑菫三段が、韓国の女流棋聖戦で
惜しくも1勝2敗で敗れました。
というニュースをお伝えしました。
この記事は「三村九段のミム囲碁ラジオ」第104回の書き起こしです。
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