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シンパパだった頃の話をしようか

三村九段のミム囲碁ラジオ 第101回

【要約】

  • プロ棋士として最も活躍した時期、じつはシングルファザーでした

  • プロ棋士は家にいる時間が多く、育児との両立がしやすい

  • 子育てと家事に追われながら規則正しい生活リズムを確立

  • 人間的な成長を遂げ、NHK杯優勝にもつながった

  • 人はなにより「失うことで学ぶ」と思う

【本文】

この放送は、プロ棋士40年、囲碁サロンと
子供囲碁道場を運営する三村智保が
囲碁の情報をお伝えする番組です。

今回は私のシングルファザー時代の
お話をさせていただきます。
約7年間、33歳から40歳前までの
期間に経験したことです。

これまでブログやYouTubeでも
話したことのない内容ですが、
プライバシーに配慮しながら、
自分自身のことを中心にお話しします。

プロ棋士という職業は、比較的
会社勤めの方より育児との両立が
しやすい面があります。家にいる
時間が多いためです。

当時3歳だった息子を保育園に預けて、
研究会に参加したり、対局に出かけたり、
時には自宅で研究会を開いたり
していました。

保育園には本当に助けられました。
プロ棋士は時間の制約が緩く、
通勤の必要もありません。子育てを
始めてからは、朝きちんと起きて
息子を保育園に送り、夕方には
必ず迎えに行くという生活リズムが
確立されました。

離婚を経験し、人間として挫折を
味わいました。しかし、育児を
続けられたことが救いとなりました。
朝のオムツ替えから、公園での遊び、
お風呂、食事の支度など、やるべき
ことに追われる日々が、むしろ
私を支えてくれました。

その後、NHK杯で優勝することが
できました。これは精神的な成長が
結果として表れたものだと感じています。
失って初めて分かることがあり、
深く打ちのめされることで学べた
ことも多くありました。

囲碁が打てることへの感謝、
息子と過ごせる時間の大切さ、
そういったものの価値を本当の
意味で理解できるようになりました。

現在シングルファザーとして
奮闘されている方々へ。
今は大変な時期かもしれませんが、
それは新たな幸せを見出すチャンスに
なるかもしれません。


この記事は「三村九段のミム囲碁ラジオ」
第101回の書き起こしです。
音声での視聴はこちら↓↓

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