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noteはストック情報を蓄積する場所ではないのかもしれない

去年から今年にかけて160日連続でnoteを更新していますが、今更ながら現在のnoteはブログのような、記事をストックさせ、ロングテール的に価値を蓄積する場所としては向いていないのではないかと考え始めています。

もちろんこれは、「ブログ」的なものをどのように考えているかということにも左右されますし、noteを利用する目的にもよりますので一概に結論が出るものではなく、人によって判断が異なるものです。

そうした前置きを置いた上で、少なくとも私のようにフローのコンテンツとストックのコンテンツの交点で時間とともに文章の価値が増大することを期待しているユーザーの場合、現在のnoteには多少機能的に足りない部分が見えてくるのです。

エクスポートがないことと、整理方法が少ないこと

一つは先日記事でご紹介した話ですが、noteノートにエクスポート機能がないという点です。私の中ではそれに多少関係している点として、記事の整理方法が少ないというものがあります。

先日の記事の後で、コメント欄でゆくゆくは新しいエディター機能とともにエクスポート機能を実装することを検討している(実装されるか決定はしていない)とうかがったのですが、エディター機能が増すということはそれだけ私たちの書いている文章とnote自体の親和性が高まるということでもあります。

それはnoteがより便利で独自性の高いサービスになるという良い面があるとともに、書かれたテキストにとっては可搬性が少なくなるという悪い面をあわせ持った変更であることが予想されます。

ほとんどの人にとってこれは気にすることではないでしょうけれども、データの可搬性や、別の形でデータを利用したいと考えている人にとっては面倒なことになります。テキストの寿命が、サービスの寿命に左右されるということですから。

これと並行して、記事の整理方法が少ないこともこれに追い討ちをかけています。たとえば毎日更新をするために私は日記や、記事や、YouTubeライブのショーノートや、雑学などを周期的に扱っています。

ざっくりとした分類はマガジンで可能なのですが、たとえば自分の記事の中で特定のタグのついたものだけを集めるといったことはできません。これは長い目で見ると、自分自身の記事がノイズとなって蓄積するという、かつてEvernoteが辿った道と同じものでもあります。

note内で記事がなかなか検索できない

すると、もう一つの点が浮かび上がってきます。noteの中で、自分の書いたnote記事だけを検索するのが難しいという点です。

先日、ツイッターとトランプ大統領の争い、そしてSection 230についての情報を過去にnoteに書いた記事から探そうとしていましたが、note自体に自分の記事に限定した検索機能がないので、結果自分のノートの記事を探すために Google 検索を使うという本末転倒なことをしていました。

note の検索窓に mehori とユーザーIDを入力して検索すればかなり絞り込むことはできますが、それでも他のかたが私の記事を引用して記事を書いた場合や、言及している場合もそれなりに入ってきます。

可能なら、user:mehori tag:Twitter date:2020 といったように検索することができればこの部分は軽減するのですが、やはりnoteはアーカイブ性よりはストリーム的な性格の方が強めに出ている気がします。

たとえばこれがWordPressならば、ユーザーとタグで絞り込みをして、指定した記事をエクスポートして私がツイッターについて書いた文章だけをまとめることはすぐにできます。静的サイトジェネレーターなら、findコマンド一行でできるかな?

noteはフローの文章と、過去のストックを載せてゆく

それではどうするかということを、他のユーザーの投稿なども参考に考えると、一つにはここを完全に日記や作業記録のような、未来にとってそこまで意味のないフローの文章の置き場所として使うことが挙げられます。

もちろんその場合でも、マスターをnoteの側ではなく、Day One のようなエディタや、Ulysses のようなテキストエディタの中に蓄積させておいて、そこからエクスポートしたものをnoteに載せるという手段をとります。noteはインスタンスにすぎないという使い方です。

もう一つはブログとの間でクロスポストをすることによって、ブログの読者の見ている範囲と、noteのフォロワーが見ている範囲を重ね合わせつつ広げておくという方法も使えます。今では私のブログ記事は全てGithubに入っていますので、noteとブログのそれぞれにインスタンスが存在すると考えてもいいでしょう。

(以前はクロスポストはSEO的に忌むべき存在と言われましたが、今ではGoogleは相互参照や著者を見ることによってスパム的なクロスポストをそうでないものと判別できるようになっています)

なんにせよコンテンツをロングテールで維持することを考えるならば、可搬性、検索性、そしてアーカイブとしての編纂方法といった部分はこだわりたいポイントです。

大半のユーザーには関係がないかもしれませんが、こうした長い目で見た情報蓄積にうるさい知的生活の設計を意識しているユーザーとしては、ちょっと運用方法を再考して、新しい記事投稿の流れを作ろうかなと考えています。


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