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新製品サイト制作―インハウスにおけるコミュニケーションデザインの現場

こんにちは。LegalOn Technologiesのコミュニケーションデザイングループの前川です。
弊社は、2024年4月に新製品「LegalOn Cloud」の提供を開始しました。
新しい製品開発と並行して製品サイトを立ち上げる中で、私たちコミュニケーションデザイングループはいくつかの課題に取り組み、大きな成長を遂げました。今回は、私たちのようなインハウスデザイナーだからこそできた貴重な経験を振り返りながら、現在の状況や今後の展望についてお伝えしたいと思います。

新製品「LegalOn Cloud」開発の始まり

約2年前、弊社LegalOn Technologiesは既存製品である「LegalForce」や「LegalForceキャビネ」がそれぞれ顧客課題を部分的に解決できているものの、法務業務の体制が短期間で整うような圧倒的な価値が提供できていないことに悩んでいました。そこで、AIを活用した新しいプラットフォーム型製品の開発にチャレンジしたのです。
会社の経営陣を含むメンバーで、何度も議論を重ねる中で、私たちが目指すべき方向性が徐々に明確になってきました。AIの力を存分に活用し、業務プロセス全体をカバーするプラットフォーム的な製品。そして、その中に様々な機能を組み込み、顧客が自由に組み合わせることで、それぞれの課題に柔軟に対応できる製品。そんなビジョンを描き始めたのです。
具体的な製品設計の議論は、2022年の12月頃から本格化しました。約2、3ヶ月にわたり、ほぼ毎日のように議論を続けました。この期間は、私たちにとって非常に濃密で、創造的な時間でした。

製品ブランドの進化

製品開発と並行して、私たちは新しいデザイントーンの策定にも取り組みました。これは単なるデザインの変更ではなく、会社としての新しい方向性を示す重要な作業でした。
最初のステップは、以前の「LegalForce」と「LegalForceキャビネ」のトーンから、新しい製品にふさわしいトーンを模索することでした。この過程で、私たちは何度もワークショップを開催しました。これらのワークショップでは、Figmaを使用して様々なアイデアを視覚化し、チーム全体で議論を重ねました。
ワークショップの中で特に印象的だったのは、ちょうどその頃登場した生成AIのサイトデザイン(濃色背景にポイントで鮮やかなグラデーションなどのグラフィックトーン)が私たちのデザイン方針に少なからず影響を与えたことです。AIソリューションとしての製品デザインを意識し始め、その他のAI関連企業のデザインなども参考にしました。ここで行われた議論は、テクノロジーの急速な進化とデザインの変遷を肌で感じられる有意義な時間でした。
徐々に、私たちの新製品「LegalOn Cloud」のアイデンティティが形作られていきました。2023年11月頃には、トーンを抽象化したキーワードをいくつか出し合い、それを視覚的に表現する方法を探り始めました。これは製品の本質を理解し、それを適切に表現する重要なプロセスでした。

ロゴデザインの決定

製品名が決まった後、私たちはロゴデザインの検討も同時に行いました。
コミュニケーションデザイングループのメンバーが各自ロゴ案を持ち寄りました。そして、全員で集まり、それぞれの案について議論をしました。ここでは単なる見た目の良さだけでなく、長期的な運用に耐えられるかどうかも重要な判断基準となりました。
最終的に選ばれた案は、私たちの製品の特性を適切に表現しつつ、将来的な拡張性も考慮されたものでした。ロゴの決定は、私たちの新しい製品のアイデンティティを視覚的に確立する重要な一歩となりました。

製品サイトの制作

ロゴが決まった後、私たちは製品サイトの制作に着手しました。この過程では、見た目が良く分かりやすいといったスタイリング面だけではなく、技術的な挑戦も求められました。
開発にはAstroというフレームワークと、NewtというヘッドレスCMSを採用しました。これは、以前のサイトで直面していた課題を解決するための選択でした。以前のサイトはフレームワークを使用しておらず、PugとSassという最小限の環境で構築されていました。そのため、コードの管理や更新が難しく、誰が何のために書いたコードなのかが分かりにくいという問題があったのです。
新しいサイトでは、これらの課題を解決するために、最新のツールと現時点で最適な管理方法ベストプラクティスを採用しました。これにより、長期的な運用と保守が容易になり、チームでより効率的に作業できるようになりました。

現在の課題と未来への展望

現在、私たちのチームは成長の過程にあり、いくつかの課題に取り組んでいます。同時に多くのプロジェクトを進めているため、効率的な知識共有や適切な業務分担が重要になってきています。
特に、技術面でのサポート強化が今後の焦点の一つです。「コーディングスキルを持つメンバーがもう少しいると良いね」という意見も出ています。また、製品サイトの改善に加えて、コーポレートサイトの刷新など、様々なプロジェクトが控えており、リソースの最適な配分を考えています。
しかし、これらの課題は私たちにとって大きな学びの機会でもあります。製品サイトの制作を通じて、チームが長期的な運用を見据えたデザインの重要性を実感し、技術面とデザイン面の両方で大きな成長を遂げています。
例えば、他社の製品サイトを見る目が変わったという声があります。「長期運用に耐えるためにこういう設計になっているんだ」という理解が深まり、デザインの意図を読み取る力が養われてきています。
また、この経験を通じて製品のコンセプトや特徴をより深く理解できるようになり、それがデザイン作業にも良い影響を与えています。一から製品サイトを作り上げる過程は、技術面だけでなくデザイン面でも大きな学びとなりました。

私たちと一緒に挑戦しませんか?

LegalOn Technologiesのコミュニケーションデザイングループでは、上流からWeb制作をマネージメントするWebプロデューサーを募集しています。
課題は多いですが、それは成長の機会でもあります。一人一人の貢献が製品の品質向上に直結します。私たちと一緒に、LegalOn Technologiesの未来を創っていきませんか?


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