アビスパ福岡様とのスポンサー契約満了について
今回ふくやがアビスパ福岡様とのスポンサー契約を満了とした理由については、下記の2点です。
アビスパ福岡でパワハラ等の事案が再発、もしくは過去の事案について再燃した場合、スポンサードをしている弊社に対してのレピュテーションリスク発生の可能性を排除できないから
今回の監督選定のプロセスが、アビスパ福岡の基本理念「アビスパ福岡は、スポーツを通じて、子どもたちに夢と感動を地域に誇りと活力を与えます」と相違していると考えるから
理由はまったくもってこれ以上でも以下でもなく、金明輝監督就任に抗議するという意味でも、ましてや弊社の業績不振を理由に撤退するものでもありません。監督人事については、アビスパ福岡の取締役会で議案として審議・決定されたものであり、その結果についてスポンサーの立場で意見を表明するということ自体が筋違いだと考えます。(ただし、そこについては社外取締役の立場で明確に「反対」意見を表明しました)
弊社はリーマンショックやコロナで最終赤字の年であっても、アビスパをはじめとした地域貢献は継続をしてきました。上記のような問題が片付いた暁にはスポンサー契約が再開できるよう、来期もアビスパに対する予算は例年通り計上する予定です。
最も心配しているポイントは過去の事案が「再燃」しないかということです。監督就任記者会見での金監督の発言に「匿名性がある中で、被害者個人を特定して直接謝罪することはなかなか難しいというのが現状です。個人に対しての具体的な対応はできておりません」というものがありました。川森会長によると「当時、過ちを犯してしまったクラブを通じて謝罪を行いました」とのことですが、謝罪をすることと、それを被害者側が「受け入れ許した」かは別問題です。調査報告書から漏れている被害者の存在も否定できませんし、過去のことは全て解決済みであるというアビスパ側の見解に対して、確信を持つに至りませんでした。
むしろ、その火は消えているのではなく、今でも深い怒りと悲しみをもって熾火のように燻り続けているのではないかと感じています。
正直、パワハラを含むコンプライアンスリスクについては「再発」するリスクは低いと考えています。金監督自身はもちろんその周囲も、万が一再発してしまった場合には個人にもクラブにも破滅的なダメージを与えてしまうことはわかりきっているはずですから。
今回、私共のスポンサー契約満了という判断をきっかけとして、サポーター間の分断と、クラブ・フロントとの対立構造を生んでしまったことについては、もちろん本意ではありません。
ただ、今回のことはきっかけにすぎず、基本理念と実際のクラブの行動にギャップを感じていたステークホルダーが顕在化しただけなのではないでしょうか?
もう一度「ALL SUPPORTERS」と胸を張って言えるようになった暁には、形は変わるかもしれませんが必ずアビスパ福岡のサポートをするために戻ってきます。関係者諸氏のこれからの行動によって、その時が一刻も早く訪れるよう祈っております。