見出し画像

「北欧、暮らしの道具店」アプリ 小さな声を集め、こつこつ改善した話

こんにちは。デザイナーの白木です。
今年11月、「北欧、暮らしの道具店」のアプリが、400万ダウンロードを突破しました!この成長の背景には、マーケティングの強化などの取り組みがあります。詳細はプレスリリースをご覧ください。今回は、「アプリの改善」に焦点を当ててお話しします。

課題を知る

「北欧、暮らしの道具店」では、アプリの課題点を明確にするため、新規ユーザー向けのアンケートを実施しています。このアンケートは、アプリを新規インストールしたユーザーがアプリの使用に慣れてきたタイミングで行われます。設問はとてもシンプルで、困っていることをフリー入力で答えていただく形式です。

アンケートの回答はSlackに投稿され、チームで日々確認しています。

アンケートを取り始めた当初、多く寄せられた意見は「商品が探しにくい」でした。広告を通じて新規ユーザーが増加している中で、広告で見た商品にたどり着けないという問題がありました。このような残念な体験を減らすため、「目当ての商品にたどり着きやすくする」ことをテーマに改善に取り組みました。

施策を考えて、優先順位をつける

改善のテーマが決まったら、次はユーザーの行動をデータで可視化し、どこに問題があるかを分析します。
行動データの可視化は、施策のアイディアを出す助けになります。これに加え、アンケートや過去のインタビューで得た声を基に具体的なアイディアをまとめました。

ユーザー行動を可視化しておくと施策のアイディアが出しやすくなります。

施策の優先順位は、RICEスコアリングを使って決めました。この方法は、エンジニアと話しながら開発工数を考慮して、優先順位を決められるのが利点です。相談の中で工数を抑えられる別の方法や新しいアイデアが出てくることも多く、結果として実現可能な形に落とし込めました。

RICEの項目(Reach, Impact, Confidence, Effort)ごとに基準値を決め、1~3でスコアリングしています。

施策の紹介

RICEでスコアリングした施策を、優先順位の高いものから順に実施しました。
施策実施の前には仮説を立て、効果検証の方法を決めて進めています。良い効果を出すことも重要ですが、次に繋がる学びを得ることも同じくらいに大事にしています。そのため、ABテストで検証を行った上で、全ユーザーに展開するようにしています。
主な施策をいくつかご紹介します。

初回起動バナー

内容
アプリをインストール後の最初の3日間、ホーム画面の一番上に定番商品のリストへ誘導するバナーを表示。

仮説
インストール直後のユーザーはホームから興味のある商品が探せていない。定番商品への導線を追加することで広告バナーでみた商品をみつけやすくなり、商品詳細ページへの到達率が上がる。

結果
商品詳細画面の到達率、カート追加率、購入完了率が上がった。
初回起動バナーの内容は何度かABテストで検証し、現在のものになっています。

検証したバナー(一部)広告掲載商品やカテゴリごとの人気商品より定番商品のほうが効果がよい結果になった。

買いものトップに商品カテゴリーを表示

内容
買いものトップ画面にある商品カテゴリーを目立つ位置に移動する。

仮説
インストール直後のユーザーは目的の商品を探す方法がわからない。
商品カテゴリーをファーストビューに移動することで、商品が探しやすくなる。

結果
カテゴリー画面への到達率、カート追加率が上がった。
表示位置は何度かABテストで検証し、現在は一番上に表示している。

大カテゴリの小カテゴリにサムネイル追加

内容
小カテゴリーリストにサムネイル画像を追加する。

仮説
小カテゴリーは数が多く、テキストだけだと選びにくい。
サムネイル画像を追加し視覚的にわかりやすくするとことで、商品が探しやすくなる。

結果
次の画面(商品リスト)への到達率が上がった。
ひとつのカテゴリーのみでABテストを行い、効果がよかったので全カテゴリーに展開した。


最後に実施した中で効果が出なかった施策もひとつ紹介します。全ユーザーに展開する前に効果を確認できたこともABテストをやっていてよかった点です。

買いものタブのアイコン変更

内容
買いものタブの馬アイコンを一般的なモチーフに変更する。

仮説
馬アイコンは直感的ではないため、新規ユーザーにとって商品を探す際に迷う原因になっている。
アイコンを虫眼鏡に変更することで買いものタブへの遷移率が上がる。

結果
遷移率に変化なし!
迷う原因にはなっていないと確認できたので、当店らしさのある馬のアイコンのままにしました。

※ちなみにこの馬はウェブサイトでも使用されていたモチーフで、北欧の木彫りの馬をイメージしています。かわいいですよね!

結果どうなったか

こつこつと改善を続けた結果、1年後にはアンケートで「探しにくい」という声はかなり少なくなりました。さらに新規インストールしたユーザーの商品詳細画面への到達率と購入完了率が大きく改善していました。

個々の施策は数値的には小さな変化でしたが、期間を経て、振り返ってみることで、大きな変化になっていたことに気づきました。
小さな声を集めて、こつこつと改善を繰り返していくことが、サービスをよりよくするための一番の近道なのだと、改めて実感しています。

今後も皆さまに「北欧、暮らしの道具店」で楽しい時間を過ごしていただくため、引き続き改善に取り組んでいきます。


クラシコムではWebエンジニアを募集しています

ユーザー体験をよりよくするためのプロダクト開発に興味がある方がいらっしゃれば、ぜひお声がけください!
https://findy-code.io/companies/2068