都知事選と都議補選が無事終わる
はじめに
都知事選、都議補選、選管・各陣営、警視庁、メディア含めて関係者の皆さま、また暑い中投票に足を運んでくださった東京都の有権者の皆さま、お疲れさまでした。
いやまあ現在投開票日7月7日19時20分で、45分には出ないといけないので25分で可能な限り感じたことを書き残すぞ。そしてそのまま今夜は徹夜でいろいろ数字をいじるデー、夜半から報告書作り、明日は朝から報告会&反省会行脚という流れでございますね。疲れるんじゃバーカ。でも有権者が本当は何を考えているのか、きちんと観測することができるのは今日この時間だけなのですよ。
外向けに書く記事の建設予定地はこちらです。
小池百合子さんが支持されたわけではない、いまの都政方針への支持だ
さて、今回はまあ順当に小池百合子さんが勝ったのですが、数字を見ていて思うのは、圧倒的な強さに見える小池百合子さん、ある選挙期間中の数字では「不満がない」「都政に満足している」という有権者が約7割いるのに対し、追い聞きで「小池百合子さんを支持していますか」ではとても支持している13%、ある程度支持している33%、どちらでもない26%ということで、都政の政策は満足しているけど別に小池百合子さんを熱狂的に応援しているわけではないことが分かります。
ああ電話が鳴った腹立つ。まあ要するに小池都政は良いけど小池都知事は割とどうでもよく、どっちかって言うと都知事と都議会与党(都民ファースト、公明党、自由民主党)に対する緩やかな支持ですね。
なので、小池百合子さんが圧倒的な支持を受けているわけではないので、都議補選で都民ファースト各候補はなかなか厳しい戦いになるわけです、ただ告示時点での調査に比べれば都ファ各候補2割近く下駄を履いてるのは投票所に小池百合子って書いた人がついでに都ファ候補に入れたんじゃないかと思います。
「現状批判票」の受け皿になった石丸伸二
現状ではたぶんまあまあの票差で2位に石丸伸二さんが入りそうです。
まあ支持の9割ぐらいは藤川晋之助さん一派のノウハウの奏功とYoutubeインフルエンサーの告知効果ですね。当初は20代から30代の無党派層男性が蓮舫さんと食い合う感じで供託金ラインをうろうろしていたんですが、6月30日7月1日の調査時点で主に蓮舫さんの無党派票を喰う感じで肉薄し、区部、40代以上にも石丸票が広がって得票を伸ばしていきました。
明確に逆転したのが確認できたのは3日4日調査時点で、サンプル調査でも蓮舫さんをほんのり超えていきましたので、加速度はかなりついていたのではないかと思います。これは、もっぱら無党派層で現状批判票の受け皿として「小池百合子でも蓮舫でもない誰か」という票の取り方ですから、藤川さん上手いなといった感はあります。
ここでいう現状批判票は、今回争点で3位か4位に入っている「政治とカネ」という政治不信にまつわるトピックスを重視する都民が、幅広く石丸伸二さんに票を入れた感じだろうと思います。電話かかってきたウザい、音声入力からキーボードに切り替えるわけですが、まあ要するに小池も蓮舫も書きたくなかった人の受け皿という意味では石丸伸二さんは知られていなかったから救われた面があります。個人献金も2億円を超えたとか言ってましたが、その前にドトール鳥羽さんから借り受けた5千万だか軍資金がどう判定されるのかは極めて重要なことではないかと思います。
蓮舫さんはどうしてこんなに人気が無いのか
今回は立憲民主党を離脱して無所属で立憲と共産でオール東京を僭称し選挙戦に突入したのですが、告示時点のヨーイドンですでに14%の差が小池さんとあったんですよね。そのまま差が開いていって、途中で石丸さんに抜かれ、大型演説会・街頭宣伝も動員こそまあまあできたものの票にはつながらず失速し転落していった形でしょうか。
まあ手塚仁雄さんとその周辺が共産と混ざった時点で「共産党の蓮舫」になってしまったわけで、そりゃちょっと著名な共産テンプレ候補レベルなのですから票は取らないでしょう。むしろ、蓮舫さんだからここまで粘れたんじゃないかと思うぐらいに、本当の意味でもったいない戦い方ではなかったかと感じます。
蓮舫さんとしては、本当に勝ちに行くのであれば、都民において分厚い中間層から票をもらわなければならず、個々の人たちはいまの都政には概ね満足をしていますから、言わなければならなかったのは「暮らし」であり「通勤」であり「子育て」であり「防災」でした。裏を返すと、それだけを具体的な政策案と共に演説で繰り返し言っていれば、もっと票は取ったんじゃないかと思うんですよ。
「いまの小池百合子さんよりも、私はこういう政策を実現しようと思っていて、私が都知事になれば小池さんよりもうまく都民の幸福を実現できる」という話し方ではなかったため、街頭演説をして立憲と共産のコア左翼票が喜んでいる間に、本来得るべき中間層の票をどんどん小池さんと石丸さんに逃がしていたという形になりましょうか。
外苑再開発とかほんとどうでもいいんですよ。多摩の人の通勤どうするんだとか、都心にも増えてきた空き家とか、子育て世帯が都心に住めないハウジングコストどうするんだとか、大地震が来たら俺たちはどうなるんだとか、そういう話が大事です。そういう大事な話をしないんだもん、蓮舫さんを支持する理由は左翼以外の有権者にとってはないんじゃないですか。
都民有権者のニーズに合った話をせず、身内の陣営とその支持者が喜びそうな話しかしていないんだから、そりゃ人気も出ないでしょう。責任問題になるんじゃないかと思うんですが、返す返す2020年の選挙に出ていればねえ、と残念な気持ちになります。賞味期限切れとまでは申しませんが、あくまで知名度が高いだけで意味のある実績もなく、積み上げてきたものが特にない政治家になってしまったなあと。
都議補選どうしよう問題
蓮舫さんが自爆したこともあって、同日選になった都議補選がものすごく影響されて、告示時点では優勢だったはずの立憲・共産の候補が失速していってしまいました。当初自民党系候補1勝8敗(ひとつは不戦敗)かなと思ってたんですけど、金曜調査で割と競ってる感じにまで戻してきていたので、みんな頑張れよって思います。
もっとも、今回の都議補選はどうせ来年都議選なので、むしろ東京都30選挙区予備調査と予行演習みたいな感じにもなっています。
時間切れになったのでこの辺で