GAFA垢とは一体なんだったのか【総括】

さよなら、さよなら!
  いろいろお世話になりました
  いろいろお世話になりましたねえ
  いろいろお世話になりました

さよなら、さよなら!
  こんなに良いお天気の日に
  お別れしてゆくのかと思ふとほんとに辛い
  こんなに良いお天気の日に

-中原中也「別離」

2021.12.15 一部内容を追記、修正しました(犬から人へ戻ったとかTJOさんのご指摘があったため)
こちらを読めばさらに理解が深まりますん。→
【匿名2.0】自称GAFA勤務のバリキャリ営業・トリリンガル雨宮妻のありがたいお言葉がツッコミどころしかない
【バリキャリGAFA】雨宮ふみ(元・雨宮妻)さん、不妊をコンテンツにした高額note販売で怒りを買う

キラ子ですよ。

皆さん、覚えているでしょうか。今年のはじめにTwitter界隈を席巻した匿名2.0こと「自称GAFA社員」による……Excelショートカットや高速ブラインドタッチによる仕事の時短術といったビジネス系意識高杉アカウントの数々を。

もうキラ子も忘れかけていました。気がついたら匿名2.0の名付け親であるかよちゃんがマルコ氏の勇退を機に自身も身を引き(今は復活していますよ)、彼らの発するネタの枯渇&マンネリに飽きてしまった雨宮息子もアカウントが消え、何より匿名2.0を牽引していた雨宮夫婦のVoicyもいつのまにか妻ふみさんが体調不良を理由に降板し、あの面白みに欠けた夫の方こと雨宮まこと氏が孤軍奮闘、しかし再生数はダダ下がる一方という悲惨な状況に目も当てられない、というのが正しいんですけども。

時代の流れは残酷なものですね。季節も移ろい、春を迎え夏が過ぎ秋……というかもう冬みたいな寒さが続くある日、飛び込んできたのがこのニュース。

マジですか。と思ってみたら本当にGAFA社員だった皆さんのアカウントが消えたり沈黙したりしてるではないですか〜! どうしたどうした!!

ここではそんなGAFA騒動を振り返りつつ、彼らの凋落によって出せなくなっていたいくつかのネタについて出しつつ供養とさせていただきます。

勘違いしてる人も多いけど、彼らは本当にGAFA勤務だった

キラ子も最初の頃は信じていなかったんでアレですけども。本当に「いた」んですよ、GAFAに。
あんなに頭の悪いことを書いてたのに!? という意見も、当然あるかと思います。でも本当だったんだもん! トトロいたもん! しかも倉庫勤務などではなく、ちゃんと日本法人のオフィス勤務だったもん! びっくりだね!

雨宮妻ことふみさんの身バレ以降、他の自称GAFA垢もLinkedinが掘り返され、どいつもこいつも馬鹿正直にSNSに載せていた特殊な経歴をそのまま掲載していたせいで本名から居住地までまるっとバレていたのは、実はGAFA垢ウォッチャーの間では有名な話です。騒ぎを知った当該企業で働く人々からも「いかがなものか」という問い合わせが社内にあがっており、GAFA(と書いていますが特定の一社です)ではその後、彼らへ向けたと思われる警告の文書が回ったとかなんとか……。

そんなことをおくびにもださずアカウントを継続していた彼らに、今回改めて強い警告が直接出されたのでしょう。
GAFAの副業規定はもちろん企業によって異なりますが、彼らの所属していた特定の一社では申告制という形で許可されていたようです。もっとも「GAFAブランドを活用した高額有料noteを販売したい」なんて申告は通らないと思いますから、そういった意味でも一部の人はアウトでしたね。

GAFAの肩書を看板に彼らは何がしたかったのか。

この辺りでも論考されていましたが、実は彼ら、ただ情報商材ビジネスをしたかったわけではないんですよ。あくまで情報商材はオマケのお小遣い稼ぎ、フックにすぎませんでした。

といっても、信じるも信じないもあなた次第ですけども。(そして割と固い筋からの情報です)

実は、彼らの中のとある一人が副業で転職支援(所謂人材紹介業)を行っており、あの薄いショートカットや自己啓発ツイートに引っかかる人をいいように持ち上げて転職させ、紹介料の上前をハネることを目的としていたらしいんです。そして他のメンバーにその話を持ちかけていたと……。つまりあのGAFA垢はリアルでも皆、GAFA(といいつつ特定の一社)で繋がっていたわけです。
なお、この副業をしていたアカウントも、やはり今はGAFAの肩書を消しています。

意外と奥が深いようで全然深くない話でした。

ふみさんが、自分の連絡先を1万円の有料noteのオマケにつけていた理由もこれで納得できます。「今悩んでいる人の話を聞きます」と言って相談に乗り、転職に繋ぐためだったと考えると……てっきりリストマーケティングのためにメールアドレスを集めたかったのかと思っていたのに、実はもっとダイレクトアタックだったというね。
真実なんていつもそんなものです。私も祖母が作ってくれたお寿司が一番美味しいと食べていましたが、残されたレシピを見ると「味の素を大量投入」と書かれてありましたもん。秒で再現できたわ。

GAFAの特定の一社アカウントマネージャー(と言ってもマネージャー職ではなく一介の営業)の年収は、巷では800万などと言われています。その年収を得ながら転職支援のキックバックのおこぼれ(おそらくどんなに頑張っても数十万円/人くらいにしかならない)にあずかろうとしてあんな薄っぺらいことを連呼していたんだとしたら、かなり切ないものがありますね。それでこうやって色々バレてその活動もできなくなっちゃうんだから意味ねえ。最初から本業で頑張っておけばよかったのに……。査定にも影響出ますよねぇ、これ。

といっても実際GAFAで出世するのは大変なこと。日本企業と違って年功序列じゃないですし。この先どれだけ頑張ってもずっと年収800万だとしたら、ふみさんがイキって書いていたような暮らしを維持するのはシンドイのかもしれません。服や身につけるものはやたら安物でしたが、家電はカタログにでてくるような有名メーカー一本槍でしたし。
最近はテレビでも「タワマンを買うのはパワーカップル」と言われ、まさに件の雨宮夫婦はそこに該当するんですが、妊活や子育て、当人の健康やこの先必ず直面するであろう老親の介護問題などを考えると、ずっと年収800万/人のままでは厳しいのかもしれません。とはいえ、それをなんとかする方法が「SNSでGAFA勤務を匂わせながらショートカットについて啓蒙しつつ、現状に満足していない人を転職させる副業に手を出す」というのは、あまりにも浅はかだったのではないかと思うわけです。回りくどすぎるんですよ!
これならまだ週末にウーバーイーツやってる方がマシだったのでは……? 釣られた人は少なからずいるんでしょうけども、笑われた挙句身バレして会社に本気で怒られた現状を考えると、割に合わないにも程があるなぁと思いました。

そして雨宮夫は犬アイコンに(修正済み)

画像1

雨宮夫の方は今も細々とVoicyは毎日更新していますが、視聴数は最盛期に比べるとかなり落ち込んでいます。そして伝説へ……というか、犬になったー!※今(2021.12.15現在)は元に戻りました
まだ国内一流企業に勤務するプロジェクトマネージャーの夫は会社から怒られていないようですね。芋づる式に色々バレちゃってるのに細々と続けるあたり、つまんない割にいい神経をしています。

今、サラリーマンの副業は広がりをみせつつあり、それを題材にした書籍も多く書店で見かけるようになりました。政府の対策も、それを後押ししたいような空気を感じます。
それにともない、副業をやたら勧めてくる、自称サラリーマン副業家を名乗るアカウントもSNSで増えてきました。実際は情報商材売ったりマルチだったりがほとんどなんですけど。

情報商材屋さんや転職サービスへのアフィリンクで一所懸命副業を推したいアフィリエイターには都合の悪い真実なのであまり言及されていませんが、SONYなど多くの有名企業は未だ副業を認めていません。ちなみにGoogleでも禁止されています……と聞いていましたが、制約はあるものの副業OKだそうです(ソースはこちら)。2021.12.15追記
副業禁止を企業体質と見るか、労働時間との兼ね合いでやらせたくないと取るかでだいぶ話は違ってきます。副業のせいで本業が疎かになっては本末転倒ですし、MLM、いわゆるマルチなどは上の人にいいように持ち上げられ、逃げ場をなくしてマルチ活動に専念させるために本業を辞めさせようとしがちですし。逃げ場をなくすために「嫌なことからは逃げろ」とあの界隈は言いがちですが、それを鵜呑みにして逃げてちーとも稼げなくなった人の人生について、彼らは一切責任とる気なんてないですからね。さらにいえば、一連のGAFA勤務アカウントのように、副業を許したばかりに企業の看板を汚すような人が現れれば、ますます副業解禁に二の足を踏む企業もあるでしょう。

結局のところ、誰にとっても都合が良く、また効率よく稼げる方法なんてものはそう簡単に見つからないという話です。ガッカリだー!!

補足:
本文中ではGAFAと連呼しましたが、現在Googleはアルファベットという名前に、FacebookもMetaにかわったのでAAMAというのが正しくなったけどあまりにも言いづらいので、今後はAAAMでスリーエーエムと読まれるようになっていくらしいですぞ。