一般なら大人気ジャンルのミステリーがラノベ系にないのはなぜ?その決定的理由!
こんにちわ。風倉です。こんな質問がきてました

さくっと答えましょう!これには2つの要因があります
1つ。素人投稿サイトと相性が悪い
2つ。一般文芸に溢れてるものはラノベやネット小説では需要が弱い
それぞれ解説します
まず1つ目
1:ネット投稿サイトと相性が悪い
今、書籍化のメインの流れとして、ネット投稿サイトでヒットする→書籍化する、という流れがあるのは知ってるでしょう。その前提で話します。
しかし、推理は「ネット投稿サイトとめっちゃ相性悪い」のです!
相性悪いから、ポイント伸びない→ランキング伸びない。書籍化されない。
なんか人気なく見える。そういうわけですね。!
もちろん時々は跳ねるのありますよ!
(跳ねるやつは、ミステリカテゴリじゃなくても跳ねそうだけど)
でも、全体としてはかなり人気ないジャンルです。
でもなぜ?
これは理想論でいうと、相性よさそうに感じるんですよね。
例えば、感想欄で「犯人は◯◯かな?」「いや◯◯かも!」「いやいや、俺は◯◯だと考えるね!」とか情報開示するごとにワクワク!みたいな。
作者とやりとりしつつ「ふふふ……惜しい!」みたいな。
いかにも相性良さそうじゃないですか!ねぇ?
でも現実はそうならなかった
ならなかったんだよ
なぜか……
そう。
「エタ(更新停止)」です。
はい、これが答え
素人作家は……とにかくエタる!完結なんて2割もないんじゃないか?
普通の物語でもエタるが、推理ジャンルでも当然のようにエタる!
問題編だけあって、解決編のない推理小説が珍しくもなんともない!
(筆者も何度も被弾ずみ)
こんなのに2,3回ぶちあたってみたら、どうなる?
「もう読まねえ!」ってなるでしょう。
解決編のない推理など、他の作品のエタとはわけがちがう!
それは水風呂のないサウナ!
デートにたどりつけないマッチングアプリ!
就寝時間のあとの会話がない修学旅行!
そう、存在理由の否定です。
広い心で譲っても「完結以外よまねえ!」ってなるよね
完結読むならいいじゃん?って次は思いますか?
ところがそれもなりません。
なぜなら……「完結するまで、ポイントをいれない」というのが次に起きるからです。
だって推理で途中でエタる作品にポイントいれたくないじゃん。
そうすると連載途中の作者はどう思うか?
「あ、これを楽しみにしてる読者はいないんだ」と作者のモチベは激減し、更新頻度の低下を招き、ただでさえ高いエタ率がさらに高くなるという悪循環が始まります!
じゃあその次。まあまて、だが感想ぐらいはいれてもいいだろう?それぐらいの盛り上がりは……。と考えるかも知れないですね!
だが、それもなりません。感想もトラップです
何が待ってるか……。そう「ネタバレ感想」です。
他人の感想をみて「あ、気づいちゃった」というわけです。
これは面白くないですね!一気に冷めます!
見なきゃ良いといわれても、あるとみるのが人の性!
ちなみに作者は作者で面倒です。
「え、もうバレた。どうしよ。なんか書く気なくなったな……」とか。
「バレたから、なんか無理やり変更しようかな……。あ、破綻した」とか
「推理書く派と、推理書くな派が感想欄で争ってる……もうやだ」とか。
「推理禁止!ってルール作ったら、誰も感想かかないでござる」とか。
というわけで、ガチガチの推理モノだと、ポイントもこねえ上に感想もこねえし、管理も面倒くせえという、とんでもないジャンルに成り果てます。
なんもかんもエタが悪い。でも完結してから投稿せよ!とかやってたら、素人作家なんてそんなのもっとムズいしな……というわけです。
あと補足として。めっちゃ読者厳しい、というのもあります。
ほんっとうに厳しい。マジで。優しくない。仕方ないが……。
トリックの穴はもちろんだけど。世界観の穴とかも容赦なくついてきます。
だからマジで、世界観に穴もないし、トリックにも穴もないし。みたいな、その上で完結してから投稿しろ。的な。
凄くなんか、初心者お断りなんですよ。ジャンル的に。
というわけで、これが1つ目、推理がネット投稿サイトと相性悪い
という理由でした。OK?
では次に、2つ目。
2:一般文芸に溢れてるものはラノベやネット小説では需要が弱い
です
これはねー。今の話じゃないです。ラノベやネット小説ができた頃そのものからの話しですね。だから20年とか30年前からずっとそうっていう話です
ミステリって、質問者さんは知ってると思うけど。数は死ぬほど、一般文芸で溢れてるんですよね。売上部数としてはラノベに押されてますけど。
数はもう、めっちゃあります。昔からの累計だと本当に、本だけで山どころかガチで積んで山脈になるだろっていうぐらいある。
で、ラノベやネット小説って、そこのアンチテーゼ的立ち位置なんですよ。
純文学とかだるくない?的な。もっとさ、中学生の妄想垂れ流したみてーなのないのかよ。ってところに「あるよ!へいどうぞ!」→「こういうのでいいんだよ」→爆売れ→こんな売れるならもっとだすわ→今、全盛期
というのがラノベ的な本の経緯なんで。
東野圭吾さんは、異世界転生神様チートハーレムって書かないでしょ?だからネット小説が読まれるんだよってことよー。
で、まあそういうわけで。ひるがえってミステリ。
一般文芸にめっちゃあるよね。だから、異世界からめるとか、ひねったミステリじゃないなら、お呼びじゃないって話。だってそれ読みたいなら一般で読むわっていうことになるんで。
一般文芸にないものを求めてできたのが、ラノベやネット小説だから、一般文芸にあるもんは読まれない。それが2つ目の理由です
さらに、補足の理由もあります
補足:いうほど一般文芸のミステリ、売れてない論
はあ?赤川次郎とか3億部なんだが?ご存じない?
とか聞こえそうなんでフォローします。させろ。
いやそれってもうだいぶ昔なんですよ。
今って、例えば2022年ですけど、ミステリの売上トップって「真実をお話します」なんですけど、多分年内は20万部弱なんですよね。
(2023年1月20日で20万部らしいので)。
で、逆にラノベのトップが53万部ぐらいで、5位が30万部なんですよ。1冊とシリーズの違いはありますけど
(参考数字↓)

ちとミステリの他の順位の売上はわからなかったんですけど。
1位で10万後半なら、5位で10万部はきってそうですよね。
下手すると数万部かもしれない。
数万部は、なろう小説なら普通によくきく売上の数字です。ファンタジーや冒険もの、恋愛系ならね。並ヒットというところでしょうか。
さらにラノベレーベルでだしたら、ほぼ間違いなく、一般ほどは広げれません。上でだした数字よりさらに下がることが予想されます
しかも、これは単発の話です。フェアに競うために、1冊で比較しましたが。実際はシリーズ類型で比較するでしょう。そうすると、数百万部がゴロゴロいたり、アニメ化したら1000万部とかいっちゃうファンタジー系のと比べて、推理系は、大概その1冊で終わるので(漫画版とかでても、やはり短い)総合的な収益は全然低いんですよね。
かといって、作者買いっていうほど、1冊あたったら次も同じぐらい買ってくれるわけでもないし。
それって、出版社が狙いたくなるジャンルなんでしょうかね?
僕だったら狙いません。
狙っても、会社の主力みたいな立ち位置にはおきません。リスキーすぎる。
そこが、ミステリーが、ネット投稿サイトを無視しても、出版社が出しづらい理由でしょうね。売上が強いように思えない。
あとそうだ。さらに補足ありました
補足2:ラノベは一度ミステリーでコケている
君は知っているだろうか……
「富士見ミステリー文庫」
というレーベルを。
説明は端折ります。これは、富士見ファンタジアという有名文庫の派生でできた、ミステリー専門文庫です。2000年に生まれ、詳細は省きますが。
売れなかったんで、2009年に消滅しました
筆者は当時世代だったので、結構買い支えてたんですけどね。
でも、売れてるのが「Dクラッカーズ」とかね。これ完全バトルもんです(ヤクで異能を発現するので現代では多分問題作になります)。
ラブラブコメコメしてる作品とかね。
2chとかでは「ミステリー文庫は、ミステリーしてないほうが面白い」とか身もふたもない事いわれたりしてました。
名作はありましたよ。砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけないとか、今でも熱狂的ファンいますし。僕もタクティカルジャッジメントとか、RoomNo1301とか、GOSICKとか好きで全部買ってたし。でもまあ、全体としてパっとしないレーベルとは思ってました。
だって「ミステリーは、質を保ちながらシリーズ続けるのが難しい」んだもんよ!
質保つにはキャラに寄せるしかないんDA!
でも、それに力入れるほど「ミステリー文庫」じゃなくてよくね?ってなってくんだ!
そしてやっぱり「一般で溢れてるようなストレートな推理モノを、読者は今更求めてなかった」んだ!
でもラノベ的にすればするほど「それミステリー文庫じゃなくてよくね?」となる事実!
消滅直前は「ミステリーじゃなくても面白ければOK」になり、無事レーベルの存在意義をなくしてたので消えました。ああ、かなしや
はよRoomNo1301のちゃんとした続き出すのと、タクジャの逆転裁判みたいなゲームだすのと、Dクラのアニメ化はよ(絶対無理)
あとこれ読んでる君らも買いなさい。
タクジャは小説版逆転裁判なんで、あれ好きな人は買ってください(ダイマ)
RoomNo1301も、いちゃいちゃするのに切なさもあるラノベなんで買ってください(ダイマ2)
というわけで。
ミステリーがなぜラノベで人気ないのか。誰もだそうともしないのか。お話はおしまいおしまいです。
まとめると。
1.ネット投稿サイトと相性悪い
2.一般文芸で溢れてるものはラノベやネット小説で求められてない
補足1:あえて狙うほどの売上が見込めない(他のジャンルのほうが金になる)
補足2:既にコケてる
以上です。
賢者は歴史に学ぶ。あなたがミステリーをもし書きたいなら、上のことを踏まえてトライしてください。
ではー
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あと、他にも似たような記事かいてるんで、ぜひ回遊してみてください
追伸:
ミステリーはウケない、といったけど。
「ミステリー要素」は凄くウケます
むしろウケる作品には必須といってもいいぐらい。
ミステリー要素は、メインじゃなくサブで使ってください。
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