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キッズライン炎上とその後の対応についての個人的見解

先に結論を申し上げると、キッズラインは誠実に謝罪し、今回の炎上の事実を対策と共に公表・説明した方がいい、というのが個人的意見です。今回のキッズラインの炎上とその後の対応である以下のページ(なんとまさかのTOPページからはたどり着くことができない)は残念と言わざるをえません。

企業がネットで炎上した場合、基本的に①静観、②謝罪、③反論の3つの選択がありますが、口コミサイトでの炎上以外は基本的に謝罪した方がいいというのが、過去に企業の危機管理広報の支援をしたことがある私の意見です。(一応全くの未経験者じゃないよ、ということだけ記述しておきます)

そして、今回の件を風化させたくないという方は、後々さんのブログをシェアするのが効果かなと思っているので、ご検討ください。非常に建設的かつ、各方面での噂を整理して分かりやすくまとめていらっしゃいます。

今回の炎上は、伝聞ベースですがキッズラインで手配したシッターが、依頼家族のお子さんに非常に証拠が残りづらい性的悪戯をし、キッズラインがプラットフォーマー理論をかざして個別対応をしなかったことが原因と言われています。

当然ですが、シッターと家族をつなげるプラットフォーマーとして双方間で起きた問題にプラットフォーマーがいちいち介入しているとビジネスは成立しません。しかし、子供という生命を一時的にでも預かるというビジネスをしている以上、全てをプラットフォーマー理論でぶん殴り、社会的倫理や利用者の気持ちを無視した行動は許されていいとも思っていません。

キッズラインのおかげで良いシッターに出会えたため、キッズラインを批判する気持ちになれないという声も一部ツイッターで見かけますが、非常にその気持ちは分かるものの、例えば子供が言葉を喋れるようになり、今以上に状況が理解できるようになった時に、仮にですが「実はあの人から、おむねとパンツの写真パッチンされたの~」と報告されたら、この人たちはどういう反応をするのでしょうか。

仮にそのシッターのスマホを探ったものの、証拠が見当たらない場合(既にどこかに送付したもののラインやメールが削除されていて確認できないなど)、その時の混沌とした気持ちは想像するだけで胸が詰まりませんか。

今回の件、プラットフォームを利用してシッターを手配する家庭なら誰にでも起こりうる話だったはずです。

なぜ謝罪を避けるのか

冒頭でも述べましたが、炎上した際に企業が取れる対応として①静観(愚直に言うと放置)、②謝罪、③反論があります。今回のキッズラインのリリースは厳密にいうとどれにもあたりません。一応、公式サイト上で一部SNSで騒動があり、”事実確認はできていないが”、現在継続して調査中であると述べているからです。

しかし、そこに謝罪の言葉は見当たりません。

基本的に、危機管理広報に詳しい弁護士の方に相談していれば「炎上は世間の声の反映であり、多くの人を不快な気持ちにさせ、世間に迷惑をかけていることから謝罪をした方がいい」とアドバイスを受けていたと思います。今回、一言の謝罪もなかったことから、社内で内々に対処しようとしたことが安易に想像できます

なんでもかんでも謝罪することが企業にとってベストとは言いませんが、

・炎上の内容が自社のサービスに関連するか否か
二次被害の発生が予想されるか
・顧客離れを招いてしまうかどうか
・公表しないことが隠蔽であると評価されてしまうか

のどれかに一つでも当てはまっていたら、謝罪を行うのが適切な対応ではないでしょうか。

今回、キッズラインは一言の謝罪の言葉も掲載しなかったわけですが、個人的な妄想ですが、「謝罪をしたら法的責任を追及されるのではないか?社会的責任を負わないといけないのではないか?損害賠償を請求されても回避できないのではないか?」という懸念があったのかもしれません。

この懸念はあながちに的外れではなく、多くの企業が謝罪に躊躇する理由が「謝罪をすることで非を認めた結果、業務停止や更なる責任追及をされるのではないか」という懸念です。

弁護士ではないので詳しい説明は避けますが、今回の場合は「性的悪戯という結果にたいして、キッズラインの行為があり、その結果と行為との間に相当因果関係があるうえ、企業に故意または過失があるといえる場合」にのみ法的責任が発生します。全て伝聞ベースでしか把握していない私ですが、今回はこのケースに該当しないため、法的責任は発生しないのではないでしょうか。(あくまで私の個人的見解ですので、ご理解ください)

炎上時の謝罪の意味とは

それでも謝罪に関して納得しない方も多いかもしれません。では、炎上した時になぜ謝罪が適切なのか、そして昨今ではほぼ必要・当たり前という認識がなぜ高まっているのでしょうか。

炎上時の謝罪は必ずしも企業の非を認めるのではなく、あくまで世間を騒がせたこと、不快にさせてしまったことについての謝罪です。

例えば、通勤時に混みあった駅や電車の中で隣の人がぶつかってきた、カバンが顔に当たった場合、無言でお互いに何もしないということはないと思います。謝罪もなく居直られたらどのように感じるかを想像すれば明白ですが、このような態度を一度とられると、そのような人とは今後付き合いたくない、関わりたくないと思うのではないでしょうか。特に日本社会では謝罪は人と人がうまく世の中で共存していくためのマナーとして定着していると思います。

嫌なら見るな!と指摘する方もいらっしゃるかもしれませんが、今回の件は多くが勝手にタイムラインで流れてきたため、回避するも何も自然に目に入ったものなので、この理屈は通らないのではないでしょうか。

今回の騒動ですが、(あくまで伝聞ですが)キッズラインではなくシッターが問題を起こしたため、キッズラインとしても「ある意味自分たちも被害者だ」という意識があってもおかしくはありません。そのような場合、どうしても自社の問題としてとらえていないような謝罪をしがちなので、社内でもどうまとめればいいのか専門家がいない状況下では難しかったのかもしれません。

二次炎上

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このnoteをキッズラインの中の人が読んでいる可能性はそこまで高くないと思うのですが、今回の騒動が「謝罪をしなかったこと、事実を公表しなかったこと」が原因で更に拡大したという認識がキッズラインにあまりないような気がしています。

例えばこちらのツイートはリリースの後に呟かれたものです。今回の対応が信用低下を加速させ、リリースに反応した人たちの残念な声を表現したツイートがデジタルタトゥーとして残ったことに関して、キッズラインはどう考えているのか気になるところです。

炎上についてはなるべく公表を控えたい、重大な問題ではないと印象付けたいと思う気持ちは理解できますし、そういった動機が働くことは企業ではよくあります。しかしそういった動機は、公表する内容をごく一部に絞り、透明性や誠実性に欠けたリリースを世間に曝し、信用低下につながります。

そしてこのような態度は説明が二転三転するリスクを増加させます。というのも、今回被害に遭われたご家族が「実はこうだった」と開示したり、大手メディアが今回のキッズラインの炎上を追求し、事実を認めざるを得ない状況になったとき、「最初の発表と違うじゃないか!嘘つき!隠蔽!」と更なる追求を受ける可能性があるからです。

てか、実際に被害者家族が刺し違える覚悟で全てを開示した場合、キッズラインどうすんのよマジで。(ちなみに私が過去に関わった案件で、当事者が少し時間が経過した時に全てを曝露して、実は企業が内々に済ませようとしていたという事実などを開示したことがありました…)

炎上が起きたにも関わらず、事実を積極的に公表・説明しない、謝罪すらしない。そのような態度をとる会社が世の中から”不誠実”と認識され、信用を失う典型的なパターンではないでしょうか。

そして、放置することが信用の低下を放置することと同じであるという認識もキッズラインには欠けているのではないでしょうか。

現在、説明責任を問うツイートが複数ある状況ですが、私が先方の危機管理広報のコンサルなら、「説明責任を果たすこと」をSNSユーザーに主に期待されている状況を逆手に取り、その期待を超えた対応をとることをお勧めします。(電卓を叩いていないので恐縮ですが、防犯カメラのレンタルや、定期予約している方には月数百円でレンタルだったり、警察への被害届や現場検証にCSが付いていくなどの提案やよくある質問への記述など)

そして謝罪文を書こうと思ったときは、こっそりDMで私に依頼してください。大丈夫です。格安の100万円で手を打ちます!!(嘘)

※危機管理広報気になる人はいつでもDMくださいw

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坂口ジャス子
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