【Part2】経理から開発職種にジョブ転して1年。ドメイン知識をプロダクト開発に活かすという選択はどうだったか?
このnoteは、【#日めくりLayerX】と題して発信するブログリレーの2025年11月11日の記事として投稿しています
こんにちは!LayerXでプロダクトマネージャーをしている、根本(@Nemo)です。前回に引き続き、経理から開発職種(以下、PdM)にジョブ転した意思決定について書きます。今回は、転職してからの苦労・その乗り越え方・仕事のやりがいについてです。第1回目のnoteはこちらです。
苦労したこと
未経験の職種に変わったこともあり、すべてが順風満帆だったわけではありません。1年たった今でもよくわからないことだらけですし、毎日忙しい日々です。主に大変なことを2つ書きます。
学ぶこと・リスキリング多すぎ問題
勉強すべきことももちろんですが、今までに話したことない職種の人とのコミュニケーションにも苦労しました。以下はほんの一例です。

全容が見えていない中で、「意思決定」が求められる問題
part1でも紹介した本の一節です。
遅かれ早かれ、チームと協力して答えるべき重要な質問があります。何を作りますか? そのうちどこまで作りますか? どうなったら成功だと思いますか? 作るべきでないのは何ですか? もっとはっきり言えば、切り捨てるべきところはどこですか?
(中略)
いつでもそうですが、自分が持っている情報が不完全で矛盾したものであったとしても(それが普通です)、その情報だけで最善の意思決定を下す能力が試されます。
ありがたいことにバクラクには日々、機能要望や改善依頼がたくさん届きます。今の事業状況を踏まえ、やることだけじゃなく、「何をやらないか(捨てるか)」を決めなければいけない。
ただでさえ技術的な知識はない、でも決めなくてはいけない。というプレッシャーがありました。
どうやって乗り越えたか?
「乗り越えた」と書いていますが、まだ完全に乗り越えたわけではありません。それでも、この1年で一定の壁は超えられた手応えがあります。
あなたの経験は、想像以上のアドバンテージであり貴重
LayerXにおいて、意思決定の基準は基本的にお客様に価値(アウトカム)を生めるかです。新しいプロダクトや機能を作る時は、多くのお客様にヒアリングをしながら、作るものを考えます。
①お客様の悩みに共感できること。
②「何がわからないかを理解」でき、お客様に的を射た質問ができること。
③お客様のニーズを抽象化して、プロダクトの機能に落とし込めること。
これらは技術的なことの理解と同じくらい重要で、実際これに苦労している社員もたくさんいます。これが入社した段階である程度できるのは非常に大きいです(自分に限らず業務経験者であれば一定できます)。
みなさんが普段している何でもないような経験が、実はLayerXにおいては貴重な財産なのです。
毎年のように変わる労基法をキャッチアップし、給与計算や勤怠を間違えず遂行した
請求書や領収書を全然提出しない社員のケツを叩き続け、会社の決算をスケジュール通りに正確に締めた

お客様に感動を届けることを一番に考えています
LayerXのサポート体制(短期的な成果を求めず、少しずつ自立)
中途採用によくある「お手並み拝見」的な感じで来られてたら、間違いなく僕は潰れていたと思います。
LayerXは研修資料が充実しているのはもちろんですが、半年〜1年以上かけて中長期的な目線で社員を育成していくという文化が、経営層含め浸透しています。
先ほど学ぶことが多いと書きましたが、これは難易度が高いというより、量が多くて時間がかかる。逆に言うと時間をかければ一定何とかなるものです。もちろんダラダラやっていいわけではありませんが、少なくともあなたのバックグラウンドを理解し、それにあった時間軸を設けてくれます。
AIによって、リスキリングのハードルは劇的に下がっている
最近はGeminiやChatGPTなどを使っている方も多いと思いますが、LayerXのAI活用はかなり実用レベルにあります。
社内には、Slackで質問すると答えてくれるAI bot(Alex)があり、疑問を即座に解消できます。
最近は開発の時、画面イメージをAIに伝えると、ラフスケッチを自動生成してくれる(Figma make)。これにより、膨大な説明ドキュメントを書かなくても意思疎通が進むのはとても助かりました。5年前だったら、この学習量を1年で消化するのは難しかったかもしれませんが、AIのフル活用で時間を圧縮できた実感があります。

(自分はプロンプトで指示しただけ)
PdMの面白さ・やりがい
営業・広報・事業企画等、プロダクトに関わることは何でも挑戦できる
上述のサポート体制を前提として、経理・労務をやっていては絶対経験することのない仕事にどんどんチャレンジできます。とにかく打席に立たせてくれる文化がLayerXにはあります。
この1年で、自分がやっていることの例は以下の通りです。大前提として、全てをやる必要はありません。自分が興味があるもの、やりたいものができるだけでも、PdMの役割は十分満たせます。
自分が考案した機能を、お客様に売る(営業)
プレスリリースを書く(PR)
新規事業の立ち上げ、成長するための方向性を考える(事業企画)
LayerXは、外から見るとAI・技術の会社と思われがちです。が、実は(?)人の会社です。社長の福島もAI時代だからこそ、全ての職種を積極採用すると宣言しています。
今まで感じていたモヤモヤを、プロダクトで解決できる
事業会社で経理をしていた頃は、与えられたシステムやルール内での効率化が中心でした。
PdMになってからは、「こうできたら良いのに」というモヤモヤを自分で問題提起する→AIでイメージを作る→チームで議論することができます。
もちろん優先度や技術的難易度もあるので、すぐに解決できるとは限りません。ただ、「こうなったらいいのに」が少しずつ実現に進める手応えも感じていて、ここには大きな可能性とやりがいを感じています。
以下は、直近リリースされた機能の一部です。ユーザーとして感じていたモヤモヤが解決されていく感はありませんか??
お客様に直接価値を届けられる・その声が聞ける
コーポレート業務をしていて、エンドユーザーと直接対話する機会はかなり少ないのではないでしょうか??
社外というと監査法人・証券会社・銀行・税務署くらいでしょうか。
開発の前にお客様の声を聞く・使っていただいた後に感謝の声を直接いただける。これは、ジョブチェンジして感じた一番の喜びかもしれません。
ドメイン知識をプロダクト開発に活かすという選択はどうだったか?
タイトルにした問いに答えようと思います。
今のところ正解。少なくとも、検討する・話を聞いてみる意義はある。
まだ1年なので、迷いもなく大正解とは言えませんし、そこまで言うのは無責任かなと思います。
ただ上述の通り、想像もしていなかった経験をたくさんさせてもらっていますし、とても充実しています。
それを踏まえると、実際に転職するかどうかは別として、検討する・話を聞いてみるのは悪くないと思います。
またAI時代において、職種をまたぐ挑戦は十分現実的です。
先日弊社COO 福島がイベントで話していた内容↓
『AIで世の中が変わる』ことを前提に、自分のキャリアや学習内容を『AIにAll-IN』すると決められるかどうかです。変化への好奇心と学習意欲こそが、あらゆる職種において価値を分けると思います
We Need You!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
LayerXはあなたの経理・労務のスキルを本気で必要としています。開発チームの中で、その力を発揮できるチャンスと環境もあります。
「コーポレート業務の生産性を良くしたい」という気持ちがある方、ぜひお話しさせてください!
