「良い景気」をグローバルでAIドリブンな開発組織で実現していく。ログラス新CTOとしての挑戦。
今年もアドベントカレンダーが盛り上がりましたね!ログラスでは今年はシリーズ1、2と2ラインを走らせてまいりましたが、本日で無事最終日を迎え、完走することができそうです!この記事が皆さんの目に届いているということは完走しているはず!
シリーズ1の最終日の記事である本稿では、11月より執行役員CTOに就任したいとひろより、ログラス新CTOとして取り組んでいくことについて書いていきます。
CTOになってまず大きなレバレッジをかけたい領域としては、3年後を見据えた技術戦略のロードマップをつくりながら、グローバルかつAIドリブンな開発組織を形成していくことです。
本記事ではこのチャレンジについて書いてみたいと思います。
ログラスが目指す「良い景気を作ろう。」をグローバルな開発組織で実現する
改めてですが、ログラスは「良い景気を作ろう。」というミッションを掲げ、Loglassというクラウド経営管理システムを中心に事業展開を行っています。
この壮大なミッションの実現を目指すために、Loglassというプロダクトを通じて多くの企業の価値向上をサポートし、その先にある国民所得の向上、そしてその双方が正の循環として回っていく状態を創出していきたいと考えています。
企業の経営をテクノロジーの力でアップデートしていく。その結果として良い景気を現実のものとして作っていくことがログラスのプロダクト開発、そして中長期的な技術戦略を通じて解決していきたい領域になります。
この道筋を阻害する大きなハードルが、いまだ多くの企業に根強く存在する「経営のBLACK BOX」です。
重要な意思決定が属人的・断片的な情報によって左右されてしまったり、透明性が確保されないまま経営判断が進んでしまったり。そうした課題に対してテクノロジーの力で経営の意思決定をアップデートしていく、それが私たちログラスの実現していきたい未来です。
ここから先の2年間、ログラスは10個の新規事業を立ち上げていく計画をしています。
前回CBDOの斉藤が発表した記事では大枠のビジョンが語られましたが、あれから数ヶ月、すでに新規事業の種が複数生まれてきています。
このスピード感はまさにログラスらしさでもあり、大きなチャンスでもあります。ですが、その分開発組織としてのケイパビリティを一段と引き上げないといけません。
そこで重要になってくるのが、海外開発拠点とAIの積極活用です。
インドでの海外開発拠点(GCC)の開設
まず、今年度中にインドでのGlobal Capability Center (GCC) を立ち上げる予定です。
“オフショア開発” という言葉が広く知られていますが、私たちは単なるオフショアとは位置付けていません。日本と同じ目線で技術をリードし、共創する拠点としてのGCCです。コストカットを目的とするオフショア開発ではなく、戦略的なケイパビリティ拡張としての海外開発拠点設立を目指しています。
日本国内でエンジニアを採用していく難しさや限界スピードを考えたとき、やはりグローバル視点で優秀な人材を巻き込む体制を整える必要があります。そこには国を超えた多様性の力と、新たなイノベーションを生むポテンシャルが存在すると信じています。
今年の10月にはインドのベンガルールを訪れ、初期の拠点の候補となるシェアオフィスの訪問や、他社様の開発拠点の視察、候補者となるエンジニアの面談をこなす弾丸ツアーをしてきました。
私自身、かつてインドのエンジニアたちと働いていたことがあり、懐かしい感覚を覚えました。一方、初訪問のログラス共同創業者取締役 坂本にとってはインドという国が持つエネルギーと、会う人会う人が芯に持つマインドの高さは、良い意味での驚きの連続だったようです。
今現在国全体が成長の真っ只中にあるインドの人々にとっても、「Let's Create A Prosperous Economy.(良い景気を作ろう。)」というミッションは響くものがあるようで、出会う人出会う人がログラスの可能性について目をキラキラさせながら共感の意を示してくれてます。
まだこの挑戦はほぼゼロベースではありますが、今後の開発拠点設立から始まるさまざまなチャレンジと、日本の開発チームとともに作っていくシナジー形成に、ものすごくワクワクしております。
AIを用いた質とスピードを両立したプロダクト開発の実現
もう一つのキーワードがAIです。
昨今の生成AIブームに伴い、多くのプロダクトでAI機能を実装するケースが増
えてきており、ログラスも例外ではありません。
今年7月から提供を開始している「AI予実分析レポート」はその一例です。
このように、プロダクトに組み込むAIも非常に重要である一方、“AIとともにプロダクトを開発する” という視点も非常に重要だと考えています。
単純な自動化ではない、より創造的なフェーズをAIとともに開発していくことで、少数精鋭チームでも品質を落とさず、スケール感のある開発組織を作っていくことが可能になる。そんな世界観を実現していけるのではないかと考えています。
実は一年半前のChatGPTのモデルがまだGPT-4だった頃に、AIと一緒にスクラム開発に取り組んでみたことがあります。
1年半前のこの時点ですでに、AIはスクラム開発におけるプロダクトオーナーやスクラムマスター、はたまたフロントエンドエンジニアやバックエンドのように振る舞い、一定のレベルで開発を進めることができていました。
その後1年半の間には、GitHub CopilotやCursor、Cline、v0、bolt.new、さらにはDevinといった、開発プロセスのさまざまな領域で活用できるAIツールが登場してきています。
最近、ログラスのQAエンジニア大平が、Cursorを活用して形式手法を実現する取り組みとして、Alloyで仕様をモデル化するトライをしてくれました。
ログラスのようにミッションクリティカルかつ仕様が複雑になりがちなドメインにおいては、形式手法を用いて仕様策定の段階で堅牢な仕様設計を実現できると、品質向上において重要なブレイクスルーとなりそうな予感がしています。形式手法のような方法論はこれまでなかなか現場に適用するのは難易度が高かったですが、昨今のAI技術の発達により、AIのサポートを得ながら現場に適用していくというのは現実味を帯びてきました。
このように、単にコーディングの手助けという位置付けのみならず、AIを戦略的に品質改善や開発プロセス改善の戦略的方法論として取り入れていく、そんなトライをやっていきたいと考えています。
これからはAIネイティブで開発を進めていくことで、少数精鋭でも開発がスケールしていく世界観が実現できるのではないかとワクワクしております。
これは海外拠点を広げる動きと矛盾しないのか?という考えもあるかもしれませんが、実はむしろ相乗効果を狙っています。
新規事業が多数立ち上がり、それぞれが異なるドメインやアーキテクチャを必要とする中、組織そのものも柔軟に拡張していく必要があります。
GCCのエンジニアと日本のエンジニア、そしてAIによる開発サポートを掛け合わせることで、これまでにない新たなグローバルかつ非線形な開発プロセスを作り上げていきたいと考えているのです。
それがログラスの開発組織が大切にしている Update Normal という Tech Valueの体現にもつながると考えています。
GIDSで登壇してきます
最後にちょっと告知です。私いとひろとログラスのEnabling & Platform部長の鈴木は、来年春に開催される GIDS (Great International Developers Summit) で登壇してきます。
こちらはインドのベンガルールで開催されるアジア最大級のソフトウェア技術カンファレンスで、毎年世界中から数千人のソフトウェアエンジニアが参加する大規模イベントです。
Speakersの一覧に掲載されているので、見つけてみてください。
それぞれのセッション概要は以下のリンクからご覧ください。
すでにグローバル開発組織の展開に向けてのアクセルは全開に踏み始めています。
終わりに
以上、CTOとしてログラスの開発組織がどのように向かっていくのかについてお話ししました。2年間で10個の新規事業、グローバル拠点(GCC)の開設、そしてAIによる非線形な開発プロセス。これらが掛け合わさることで、「良い景気を作る」というミッションの実現に一歩一歩近づいていくと信じています。
アドベントカレンダー最終日まで読んでくださった皆さん、本当にありがとうございました。2025年に向けてさらなるアップデートが続きますので、今後もログラスの動向をぜひ追っていただけると嬉しいです。
本記事を読んでログラス面白そうだな、と思った方はPittaやXのDMで話しかけていただいても大丈夫ですし、採用サイトからの応募等、ぜひご検討いただけると嬉しいです!
それでは皆さん、どうぞ良い年末を。そして来年も新たな挑戦を続けるログラスを、引き続きよろしくお願いいたします!