Rubyコミュニティ「Fukuoka.rb」のロゴデザイン
こんにちは、プログラミングを勉強中のデザイナー、sugiweと申します。
福岡周辺の地域RubyコミュニティであるFukuoka.rbのロゴデザインコンペが開催され、ありがたいことに自分の提案を採択していただきました!
今回の記事では決定したロゴのご紹介とともに、最終的なデザインに至るまでの過程などについて書いていきます。
背景
note記事で触れるのは初めてですが、私は昨年の10月からフィヨルドブートキャンプというプログラミングスクールでプログラミングを学んでいます。
ある日、フィヨルドブートキャンプ用のDiscordでこんな告知がありました。
ロゴのコンペ!
フィヨルドブートキャンプではプログラミングを学ぶことが主目的であるのは勿論なのですが、普段デザインの仕事をしている自分としてはエンジニアコミュニティの中で何かデザインでも関わることができたら良いなと常日頃から思っていましたので、これは参加するしかない、と思いました。
ロゴとコンセプトの紹介
早速ですが、こちらが採択していただいたロゴです。
このロゴのキモは、上述のコンセプトにもあるように、福岡らしさとRubyらしさを兼ね備えているところです。
「福岡のシンボルである福岡タワーと、Rubyのアイコンを掛け合わせたロゴにできないか」というアイデアは初期からあったのですが、この2つをうまく繋げられずに、色々な試行錯誤がありました。
ここからは、制作の過程とともに試行錯誤したボツ案の数々をご紹介します。
周辺ロゴの調査
Fukuoka.rbのロゴを考えるにあたって、まずは色々なRubyコミュニティやRuby関連イベントのロゴを見てみました。
その前に、プログラミング言語Ruby自体のロゴはこれです。
Rubyというプログラミング言語のロゴが宝石のルビーを使っているため、RubyコミュニティやRuby関連イベントのロゴも、一目で「Rubyに関すること」ということがわかるように宝石のルビーの形を活かしたデザインが多いようです。
「Ruby関連のコミュニティやイベントでルビーをモチーフにする」というのは、お約束というかセオリーのようなものかなと思います。今回もそのセオリーには従いつつ、「福岡」ならではのモチーフを掛け合わせることでFukuoka.rbらしいデザインにしたいと考えました。
モチーフの選定
さて、Fukuoka.rbでモチーフとして何を取り入れるべきか。
RFPにはこう書いてありました。
例示されていたものを含め福岡にまつわるものを色々と眺めていて、自分的にピンときたのは福岡タワーでした。
最上階部分の逆三角形がとても印象的で、この要素を使うことで「あ、これは福岡タワーの形で、このロゴは福岡にまつわるものなんだね」ということが一目でわかるのではないかと考えました。
Rubyのアイコンと福岡タワー。この2つを掛け合わせることで、Fukuoka.rbに相応しいロゴができるのではないかという仮説を立てました。
ロゴ案の制作とブラッシュアップ
「Rubyのアイコンと福岡タワーをかけたマークを作る」これが自分の提案の肝になると確信した後は、ひたすら案を作りました。
なんか上手くいかない…。福岡タワーの形とRubyアイコンの形が微妙に異なるので、重ねても無理矢理になってしまうし、無理矢理じゃない形状にすると今度は「Rubyらしさ」と「福岡タワーらしさ」のいずれかが伝わらなくなってしまいました。
それからさらにしばらく試行錯誤を繰り返して、偶然にも1つの形にたどり着きました。
それは、福岡タワー上部の逆三角形になっている部分を、三角形ではなくルビーアイコンのシルエットとなる逆五角形(って言うのか?)にするというものです。
「逆三角形」は福岡タワーらしさの肝として捉えていたので、これを崩すという考えが全然出てこなかったのですが、色々と手を動かしている中で偶然この形にしてみると、この形状でも福岡タワーっぽさは充分に担保できるのではないかと感じました。
このことに気づいて自分の提案の骨子は固まったと感じたので、さらに案を作り続けて最適な形を探っていきました。
検討を重ねる中で、色味はRubyにちなんだレッド系にすることや、マークを円で囲むことでコミュニティであることを示すなど、骨子となる部分以外についても固まっていきました。
文字部分のデザイン
続いて、マークの下にセットでついてくる「Fukuoka.rb」という文字部分についても軽くご説明します。
今回のロゴはコンペであり、もし採択されたらロゴを納品して案件としては終了、今後の別制作物への展開等は委ねるであろうことが想定できたので、「サイトや告知物などでロゴに合わせたフォントを使いたい」という場合にFukuoka.rb側でも自由に使えるフォントが良さそうと考えました。
そこで、Google Fontsの中からコンセプトに合うものを色々と探して、Dongle というフォントをベースに調整していくことにしました。
この丸っこさがとても可愛らしく、マークにもフィットしそうだしRFPに記載のあった「Fukuoka.rbっぽいゆるさ」を体現できているのではないかと考えました。
ただしロゴとしてそのまま使うには違和感もあったので、活用するにあたり、細部の調整を行いました。
主な調整としては「k」「b」の部分です。
下画像の青いほう(ベタ打ち)や中央の重ねたものを見ていただくとわかると思いますが、「k」「b」の上に伸びる部分(アセンダーと言います)が、大文字の高さである「F」の上の横棒よりも高くなってしまっています。これは、汎用的なフォントとして文章を組んだときに可読性を高めるためには有効ですが、ロゴとして「Fukuoka.rb」と並べた時には「kとbが高い」(感覚としては、「Fがちょっと低い」という言い方のがしっくりくるかも)という印象を与えてしまいますので、高さを揃えるように調整しました。
それ以外も細かい調整を加えて、文字部分も完成しました。
こうして、「これが自分の提案だ」と言える形が出来上がりました。
展開例
提案資料の補足になるものとして、展開例のイメージ画像も作りました。
展開例自体でロゴが良くなるわけではありませんが、Webサイト上での表示やTシャツ・ステッカーなどのグッズに展開された時にどう見えるのかをイメージする、という意味では重要な過程です。また、ロゴの使い方によってロゴの視認性が悪くならないかを確認する意味でも重要ですし、あと単純に作っていてワクワクするので、ロゴの提案をする際には可能な限り展開例を入れるようにしています。
おわりに
思いのほか長くなってしまいました、ここまでお読みいただきありがとうございました。
また、今回コンペ参加のチャンスをいただいたFukuoka.rbの皆さま、フィヨルドブートキャンプで告知してくださった @udzura さん、どうもありがとうございました!!!
おまけ:Ruby30周年ロゴ作りたい
Rubyが来年30周年らしいですね、おめでとうございます🎉
Ruby30周年のロゴを作りたい!関係者の方、もし見ていたら何卒よろしくお願いいたします🙏