ラノベ作家:初鹿野創の〝価値〟とは
みなさまこんにちは、お久しぶりです。初めましての方は初めまして。
山奥の一軒家をDIYでリフォームして暮らしつつラノベを書いてる、引きこもりならぬ山ごもり系ラノベ作家の初鹿野 創(はじかの そう)です。
ここ一年弱ほど、俗世とSNSから極力離れて己の創作と向き合いつつ、少し遠いところからオタクエンタメの世界を眺めておりました。
そしたら色々と思うことありまして、いっちょここいらでファンのみなさまに令和を生きるラノベ作家:初鹿野創の今の想いやスタンスをお伝えしておこうと思い至り、こうしてネットの世界に舞い戻ってきた次第です。
いい機会なので、まずは『初鹿野創というラノベ作家は何者なのか』ということから始め、『令和のラノベ作家:初鹿野創は、これからファンのみなさまにどんな〝価値〟を提供するつもりか』ということまで、順を追ってお話ししていこうと思います。
正直めっちゃ長いので、興味のあるところだけ読んでいただくのでも全然OKです。また「作家と作品は分けて考えたい」「そもそも作家のお気持ちに興味ない」「いいから早く新作書けよこのナメクジ野郎」等々いろんな考えがあるかと思いますので、ご自身のスタンスに合わないという方は遠慮なくスルーしてくださいまし。
ファンのみなさまにとって、少しでも有益な情報提供になれば幸いです。
*この記事の内容は全て初鹿野個人の意見・見解であり、確固たるデータに基づく論述ではありません。
*他の作家さんや業界全体を代弁する意図は一切ございません。
*本文中で言及される事柄は批判や誹謗中傷を意図したものではありません。
1.初鹿野創とはナニモノなのか
さて、この記事を読まれている方の中には初鹿野を全く知らない方もいらっしゃると思いますので、まずは自分のプロフィールについてお話ししておきます。
人によっては退屈な過去語りパートみたいなものですので、もう知ってる&興味ない方は飛ばしていただいてOKです。
○ラノベ作家としての初鹿野創
自分は第14回の小学館ライトノベル大賞にて優秀賞を受賞し、 「現実でラブコメできないとだれが決めた?」(略称:ラブだめ/全6巻)というシリーズで商業デビューしました。
現実でラブコメできないとだれが決めた? - Wikipedia
本シリーズは大変ご好評いただきまして、『このライトノベルがすごい!(宝島社)』への連続ランクイン、コミカライズやオーディオブック化、ベトナム語版の出版など、メディアミックス展開もしていただいております。
その後、別シリーズとして「彼とカノジョの事業戦略(ビジネスプラン)」(略称:カノビジ)をスタートしました。
本作は諸事情により第2巻までで刊行停止中です(詳細は下記にて)
現在は新シリーズの企画・制作を進めつつ、ちょこっとだけラノベ以外のお仕事にも関わらせていただいている感じです。
著作のジャンルはラブコメ、ビジネス知能バトルとバラバラですが、共通して「主人公・ヒロインタッグの魅力」「予想外のストーリー展開と伏線回収」という部分でご好評いただいてるようです(ChatGPT調べ)
ちなみにアバターは、Xのアイコンにもなってる『空飛ぶナメクジ』です。
デビュー前、ラブだめ一巻の改稿が遅々として進まず、「ごめんなさいごめんなさい進行スピードナメクジ野郎でごめんなさい、今後はせめて空くらい飛べるようになります」と担当さんに平謝りしたことがきっかけで爆誕しました。
○一般オタクとしての初鹿野創
ついでに一般オタクとしての初鹿野のこともお話ししたいと思います。
X(Twitter)のスペースでちょこちょこお話ししたこともありますが、まとめて話すのは初めてかもです。
自分は小学生の頃から漫画・ゲーム(主にRPG)を嗜み、中学・高校でフリゲやラノベにハマって以降、アニメ・ギャルゲ・エロゲなど、数々の二次元コンテンツを渡り歩いてきた20年選手の二次オタであります。
中でも特にお金と時間を費やしてきたのはエロゲでして、シナリオが神とされる名作はひと通り履修してます。好きな作品を上げ始めるとキリがないので割愛しますが、どの作品も平均3回は周回しております。
特に感情がゆっさゆっさ揺さぶられるタイプの作品が大好物で、その振れ幅がデカければデカいほどイイ派閥に属しています。感動的なハッピーエンド、絶望しかないバッドエンドどっちも大好きです。
(*ちなみにエロゲといってもただのえっちなゲームではないです。詳しく知りたい方は以下をご参考ください)
基本的にエンタメ作品であればジャンルの拘りも特になく、ラブコメ、厨二バトル、SF、ホラー、日常系、歴史物に至るまで何でもおいしくいただけます。逆にエンタメ成分の薄い純文学方面の作品は苦手です。
グッズを集めるよりコンテンツに課金したいタイプなので、フィギュアやタペストリーなど目に見えるオタクアイテムはありません。ただイラストレーターさんの画集は好きで色々集めてます。コミケでいうと創作島が主戦場。
あとは聖地巡礼が大好物で、ドライブがてら色々周ってます(地味に拙作『ラブだめ』の勝手に聖地巡礼企画なんかもやってたりします↓)
逆にライブとかファンミーティング的なリアルイベントには全く参加してこなかったので、ソロプレイヤー気質の陰キャオタクになるかと思います。同志との交流や布教活動は好きなんですけど、人混みが苦手なんですよねー(山暮らしに至る所以の一つ)
とまぁまとめると、一般オタクとしての初鹿野は『延々とおもろいコンテンツを摂取しまくるタイプのオタク』という感じです。
○ただのオタクがプロのラノベ作家になるまで
初鹿野がラノベ作家デビューしたのは社会人になってからなので、一般オタクとして過ごしていた時代は主に学生時代になります。
そしてその時代からラノベ作家やゲームのシナリオライターといったクリエイター職を目指してバリバリ文章を書いていたかというと、そんなことはまったくありませんでした。
なんせ自分は独特な感性の持ち主でもなければ、特別な文才があるわけでもありません。そのくせ様々な名作に触れて目だけは無駄に肥えてしまったせいで、自分程度の人間が作品を作ったとしても絶対に「なんかコレジャナイ」ものになってしまうと思っていたからです。
なので、趣味程度に小説のネタ的なものをノートにメモしたり、おもろそうなワンシーンをちょろっと書いてみる程度のことはあれど、それらを『自分の作品』として完成させたことは一度もありませんでした。
「ラノベ作家みたいなクリエイター職に憧れはあれど、自分には向いていない」
それが一般オタクとしての初鹿野の結論でした。
そんなわけで普通に社会に出ることになり、SE(正確にはインフラエンジニアですが)として会社に勤めることになりました。
が、しかし。
そこで 毎日の満員電車と土日祝日朝晩関係なく降りかかる障害対応とバチギス人間関係というお手本みてェなブラック社畜生活 とても有意義な社会人生活を経験させていただいたことで、どうにかしてこの生き地獄から抜け出してぇ! 自分だけの責任と裁量で、自由に働ける環境でチャレンジしたいなぁという思いが天元突破。それに一番近い職業として、フリーランスクリエイターの道を模索する考えに至りました。
とは言えやっぱり、クリエイターとして働く自分なんて全く想像できません。会社を辞めてやってける自信なんて皆無です。
そんな折、学生時代からの数少ないオタ友(以後、H氏とします。ラブだめ1巻のスペシャルサンクスに登場する人です)と話す機会がありました。H氏は自分とは違い、クリエイターとしての能力が卓越している人です。
その人にこんなことを言われました(語り始めるとクソ長いので要約します)
と、精神が崩壊して牛丼の味がわからなくなるレベルの大説教をくらい、甘ったれメンタルと人格が粉微塵にすり潰されました。
しかし軟体生物ゆえ再生能力に定評のある初鹿野は、サラサラの小麦粉状になった人格を寄せ集めてこねこね練り直し、新たなるカタチに成形。消費型オタクのメンタルから生産型オタクのカタチに魂を作り変えた新生・初鹿野となり、「プロのクリエイターに、おれはなる!」と決心。そうと決まればとサクっと会社を辞め、本格的に創作者としての道に進むことになります。
それから創作とはなんぞやを学ぶ修行期間があり、その他にもあーだこーだといろんなありまして(この間実に数年。クッソ長いので今回は割愛します)、やっと処女作として書き上げたのが『現実でラブコメできないとだれが決めた?』でした。
長いオタク人生を経て、やっと自分の作品と呼べるものを作り上げることができたわけですが、当時の初鹿野は「でもこれって、本当に他の人が読んでも面白いのか?」と猜疑的でした。
もちろん自分の肥え太った目から見ても最高にいい仕上がりだと思ってる。
でもだからとって、他の人も同じように面白いと思うとは限らない。
なんせ今まで誰にも自分の小説を見せたことがないのですから、他人の反応なんて全く未知なわけです。
そんなわけでいきなり新人賞なんて大それたチャレンジができるわけもなく、カクヨムでひっそり連載を始めました(*当時のタイトルは『現実で〝青春ラブコメ〟できないなんて誰が決めた?』でした)
すると幸運なことに、たくさんの読者さまにご好評いただき、カクヨム公式レビューなるものまでいただけて、やっと「もしかして本当に面白いのかも?」と思うに至ります。「これなら新人賞に出してもいいのかも」と。
こうして原稿を新人賞用に改稿し、いくつかの賞に応募します。中には中間選考を突破したものもあれば一次選考で落ちたものもありましたが、一通り送れるところには送ってみようと改稿を重ねてチャレンジを続けます。
そして最終的に、ガガガ文庫さまに拾っていただくこととなり、プロのラノベ作家デビューと相成りました。
長くなりましたが、ざっとこんな流れでただの一般オタクだった初鹿野はラノベ作家の末席に名を連ねることとなり、デビュー作がたいへん好評いただいたこともあって、現在は専業作家として活動している次第です。
2.初鹿野に立ちはだかった現実の壁
さて、本編と関係ない0.5巻的な過去語りはここまでといたしまして。
なんやかやで初鹿野は、4年近く専業のラノベ作家として活動してきました。
もはや新人とは言えない年数で、会社で言えばようやく担当者として一人前、くらいの立ち位置になるでしょうか。
そしてとにかく作品を書き続けることで精一杯だった状況から少しだけ余裕ができ、ふと「ちょっと違う世界にも触れてみるかー」と別のエンタメ界隈をひょっこり覗きに行った時、ハッと気づきました。
「あれ? なんかラノベを取り巻く状況、やばくね?」
と。
本章ではなぜそう思ったかについて順を追ってお話ししていきます。
○山籠りしていたはずのラノベ作家が突然VTuberオタクになった件
最近初鹿野は、VTuberやストリーマーといった動画・配信系のエンタメコンテンツにどっぷりハマっています。
元々自分はVTuberに関してはほとんど知らず、『アイドルの二次元版』程度の認識でした。初鹿野は二次元オタクではありましたがアイドルオタクではなかったので、アイドルが主となるコンテンツにはあまり食指が動かなかったというのが本音です。
しかしその認識は間違っていました。
VTuberは『アイドルコンテンツではなくキャラクターコンテンツ』だったんです。
『アイドル』が二次元の皮を被って活動しているのではなく、二次元キャラのガワや設定と中の人の個性とが混じり合った『キャラクター』が何をするかを楽しむコンテンツだったんです。
その認識の差が個人的にものすごくカルチャーショックを受けたところでして、まるで『人格のある二次元キャラが毎日何時間ものドラマを量産していく、超リアルタイム志向のノンフィクションアニメ』のように感じたんですよね。
アニメとは違って主軸となる物語があるわけではないので、それぞれのVTuberさんがどんなキャラなのか把握するまでの敷居は高いですが、一度それを知り、好感を覚えてしまえば、「この魅力的なVTuberさんが、いろんな場面でどんな行動・反応をするのか見てみたい」という気持ちになるのです。
魅力的なキャラクターがいて、そのキャラクターの今後を見たい。他のキャラクターとの掛け合いも見たいし、関係性の変化も知りたい。
そしてそれは、アニメや漫画、ラノベを摂取した時に至る思考と全く同じでした。
だからこそ初鹿野はものの見事に沼って、今や完全にVオタになってしまいました。元々キャラの関係性や掛け合いが好きなタイプのオタクなので、コラボ動画を見まくった結果、気づけば箱の違いや男女の区別なく「みんな違ってみんないい」という全推し派閥になってました。VTuberオタク初鹿野の爆誕です。
「だからなんやねん。それがラノベ作家であるお前と何の関係があるんだこのナメクジ野郎」とお思いかもしれませんが、わりと重要です。
なぜなら、VTuberがラノベと同じ快楽成分を得られるエンタメコンテンツだとしたら、それは我々ラノベ作家が生み出す作品と競合するからです。
○手軽さと物量で圧倒されるラノベ
ラノベは文字がベースとなるエンタメで、アニメやVTuber系のコンテンツは動画ベースのエンタメです。
どちらでも同じ栄養が摂取できるとした場合、より気楽に手を伸ばせるのは圧倒的に後者でしょう。
書店に行って本を買い、文字という限られた情報から情景やキャラの動きを予想して、一冊何時間もかけて読み切って初めて満足に栄養が得られるラノベと、スマホで気になるサムネをワンタップして見てるだけで栄養が得られる動画コンテンツ。どっちの方がハードルが低いかは言うまでもありません。
まして現代は、誰もが時間に追われ、ストレスを抱え込むことが多い時代です。タイパやコスパに優れるものを優先的に摂取したい、と考える人は多いでしょう。
もちろん電子書籍やWeb小説のように比較的気楽に読めるラノベもあることにはありますが、切り抜き動画ぽちー、ショート動画しゃっしゃっしゃーのカジュアルさにはどう足掻いても勝てません。
加えて言えば、動画コンテンツは供給量もまた尋常ではありません。
特にVTuberはエグすぎます。単推しならいざしれず、箱推し、全推しともなれば毎日生産されるコンテンツは、1日が48時間あっても消費しきれません。
(*参考:Vmiru)
仮にこれをラノベに置き換えてみると、毎日好きな作品における推しキャラのSSが、それこそ何万文字ものボリュームで供給され続けるのと同義です。
生産者側である我々ラノベ作家にそんなことができるかといったら、絶対に不可能です。脳がオーバーヒートして焼失します。それこそ個人経営の手づくり洋菓子店が工場生産・全国展開のシャトレーゼに喧嘩売るレベルで無謀です。
つまり令和の今、『ラノベはオタクにとって気軽に手が伸ばしにくいだけでなく、供給量すら物足りないコンテンツ』になってしまっているのです。
この現実、あまりにもエグい。
それがV沼に落ちて気づいた、ラノベ作家:初鹿野の前にドーンと立ちはだかった壁です。
そして同時に、「この状況で、果たして自分はどうやってファンのみなさまが満足できるような〝価値〟を提供すればいいんだろう?」と思ったのです。
3.ラノベ作家:初鹿野が提供できる〝価値〟とは
みなさまからお金をいただいているプロ作家として第一に考えるべきは『どうやったらみなさまが満足できるような〝価値〟を提供できるか』です。
無論ラノベ作家である以上、『面白いラノベ』を提供することが大前提としてありますが、盲目的に今まで同じようにやっていたのでは他のエンタメコンテンツとぶつかって爆散してしまう可能性があります。
なので、どうにかして他のエンタメと差別化するなり付加価値をつけるなりして、みなさまにより多くの〝価値〟を提供することを考えねばなりません。
というわけで最後に「令和に生きるラノベ作家:初鹿野創は、この先どんな〝価値〟を提供するつもりなのか」ということについて話したいと思います。
○ラノベからしか得られない栄養素を抽出・濃縮してお届けします
前章でラノベを個人経営の洋菓子店、動画エンタメを全国チェーンの洋菓子店に例え、利用の手軽さと供給量の点で戦うのは絶望的だと話しました。
しかしそれはあくまで『糖分という栄養素が含まれる食品』という広い括りの中で戦う場合のお話。誰もがいつ何時も手軽に食べられる洋菓子を食べたがるかというと、そんなことはありません。
100年の歴史を持つ老舗洋菓子店の極上ケーキや、ご当地フルーツをふんだんに使った限定スイーツを食べたい時だってあるはずです。
つまり何が言いたいかと言うと、例えラノベと動画エンタメが同じ栄養素を得られるものだったとしても、『ラノベならではの味わい』がある以上は必ず需要があるということです。
ラノベ独特の良さというのは確実に存在します。
美麗な文章を読んだ時の脳内に直接イメージが広がるような独特な没入感、費やす時間が長いからこそ得られる深い満足感、文字+挿絵という限られた情報しかないからこそ広がる想像の余地など、他にも挙げればいくつもあるでしょう。
じゃあ、初鹿野が提供できる『ラノベならではの味わい』とは何か? ということを考えた時、以下のようなもの挙げられると思っています。
予想外のストーリー展開と爽快感のある伏線回収、気づけば時間が溶けているような没入感(物語の構成)
読みやすくわかりやすい文体と文章(リーダビリティ)
より濃厚な主人公・ヒロインたちの掛け合い(より深いキャラ描写)
いずれもファンのみなさまが評価くださっている点であり、初鹿野が『味わい』として提供できると思っているものです。
特に『物語の構成』という点は初鹿野なりに自信があり、どんなジャンル、シチュエーション、キャラクターであっても『読んでて飽きない面白いお話にできる』と自負しています。
ついでに『キャラクターの動く土台となる物語があること』は、リアルタイムかつ筋書きなしのアドリブ勝負が基本となる配信系動画コンテンツが持ち得ない明確な差別化要素なので、そこに秀でた作品というのはまさしく『ラノベならではの味わい』が感じられると思っています。
これにプラスして、Vオタとして得た知見を元に、今までに以上濃厚なキャラの魅力、掛け合いや関係性を描くことによって、ファンのみなさまが他のエンタメと比べて遜色ない〝価値〟を感じられる作品を提供できるんじゃないかと、そう考えております。
○作品の枠から飛び出すような体験価値を提供します
前項は『ラノベならではの栄養素を濃縮して提供する』という、言ってしまえば「レベルを上げて物理で殴る」的なド直球の正攻法についてお話したわけですが、それだけだと『作品』という枠の中だけで完結する、閉じた楽しみ方しか提供できません。
ただ一冊本を読んで「面白い話だったなー」で終わってしまうのはあまりにもったいない。少なくとも初鹿野はそう考えます。
なので自分は、作品の枠を飛び出して楽しめるような価値をみなさまに提供したいと考えています。
ひとつわかりやすい例を挙げるとすれば『聖地巡礼』です。
これは自分の趣味でもありますが、作品の舞台となった場所に訪れ、キャラたちが食べたもの・見たものを実際に体験するというのは、まさしく作品の枠を飛び出した楽しみ方でしょう。
他にも作品内で扱ったものと関係するコラボ商品の展開だったり、舞台となった店舗と協力したリアルイベントだったりと、色々できることはあると思います。
作中に楽しみ方を拡張できるような『種』となる要素を散りばめ、作品を飛び出した体験価値が得られるようなラノベを提供する。
それを初鹿野作品の〝価値〟の一つにしたいと考えています。
ただこれは作家個人の裁量ではどうにもできないこともありますので、出版社さまや他企業さまと協力しつつ展開していくことになるかと思います。
関係者全員がWin-Winになれるよう努めますので、お声がけさせていただいく際は何卒よろしくお願いいたします(関係企業さま向け営業トーク)
○ファンのみなさまと一緒に創りあげる『ラノベ 3.0』を開発します
さて、ここまでの内容はぶっちゃけそこまで新鮮味のある提案ではないかと思います。当たり前と言えば当たり前のことですし、人気作品はどれもやっていることでしょう。
それだけじゃ〝価値〟としては弱いですし、どうせやるならもっと派手に「これは今までとは違うんだぞ」感を出したいところです。
じゃあどうするか?
初鹿野の答えは一つです。
それは、令和ならでの新しいスタイルのラノベ――『ラノベ 3.0』を開発して提供することであります。
「ラノベが今っぽくない媒体なら、今っぽくしたラノベを作っちゃえばいいじゃない」という発想ですね。
となると次は「今っぽい」とはなんぞや? という話になってきますが、個人的にこれは『双方向性』が鍵になるかなと思っています。
これは動画コンテンツを摂取して気づいたことではありますが、最近のエンタメは、視聴者のコメントや反応が活かされてコンテンツが作られていくパターンが多いです。
つまり、生産者が作ったものを送りつけるだけの一方通行のコンテンツではなく、消費者であるファンのみなさまと一緒に作り上げていく双方向のコンテンツが動画コンテンツなわけです。
その観点から考えると、ラノベはかなり一方通行なコンテンツです。作家と編集者が密室であーでもないこーでもないと考えて、イマジナリー読者さま
相手に作り上げたコンテンツを提供するのですから。
もちろん、作品を読んでくださった読者さまの感想や意見を取り入れることはあるかもしれませんが、それは成果物に対するフィードバックであって、一緒に作り上げたものとは言えないでしょう。
それじゃあ、その作り方を変えてみたらどうでしょう?
例えば、企画段階で読者さまに情報を公開し、応援いただける内容かどうかをあらかじめ確認してから制作に移るとか。逐一進捗を報告して、みなさまと悩みや問題点を共有するとか。
そういうSNS的なやりとりを経て作るラノベ、なんか面白そうじゃないですか?
これを初鹿野は『ラノベ 3.0』と定義し、令和最新スタイルのラノベとしてチャレンジしてみたいと考えています。ちなみに2.0じゃない理由は、3.0の方が今っぽいからです(安直)
ただ当然、これを実現するには多くの課題があります。
「最初から企画内容を開示するとか完全なネタバレでは? そんな作品読んで面白いの?」「どうやって読者さまとコミュニケーションを取るの?」「色んな人の意見を聞いて作ったとして、作品のクオリティは担保できるの?」「そもそも契約の問題とか権利関係みたいな大人の事情はどうすんの?」などなど、パッと思いつくだけでも問題だらけです。
でもだからこそ、挑戦するのは面白い。
もともと初鹿野という人間は新しいもの好きで、ノリと思いつきでいきなり未開の地に突っ込んでいく癖があります。
だから万年運動不足の貧弱ラノベ作家が山に中古物件買って丸々一軒リフォームしちゃったりするわけですね。予想の10倍ハードで何回か死にかけましたが、それでも今は快適田舎ライフが送れるくらいのものを作ることができました(なお貯金は吹っ飛んだ模様)
今回もまた、その時と同じ空気を感じてワクワクしております。
現状、具体的にどう動くかを示せる段階にはありませんが、既に構想はいくつかあります。ちゃんと用意ができたら、みなさまに告知したいと思います。
4.まとめ
なんてこった、気づけば10000字も語ってしまった!!!
正直途中から飽きてスルーしてしまった方もいらっしゃるかと思いますので、最後に要点だけ箇条書きでまとめますね。
○令和のラノベ作家:初鹿野創は――
初鹿野が得意とする『物語構成の巧みさ』『読みやすい文体と文章』『より濃厚なキャラ描写』を売りとする、動画エンタメにはない『ラノベならではの良さ』があるエンタメを提供します
『聖地巡礼』、『コラボ商品』、『リアルイベント』など作品の枠を超えた楽しみ方ができるコンテンツを提供します
読者のみなさまと一緒に作り上げる令和最新型の『ラノベ 3.0』にチャレンジします
ざっくりまとめると以上が、自分が今後ラノベ作家として活動する上での基本方針です。
だいぶ抽象的で観念的な話になってしまったかと思いますが、今まで以上にみなさまにお楽しみいただけるラノベをお届けできるよう、鋭意努力してまいります。
また、Xでの活動も再開するつもりなので、活動の進捗や最新のトピックはそちらをご覧ください。
それでは、長々とお付き合いいただきましてありがとうございました。
今後ともよろしくお願いします!
5.余談
投稿前、一旦冷静になって記事を読み直してたら「オイオイ、なにこいつ真面目に語っちゃってんの?(笑)」って気持ちになって発狂しそうになったので、初鹿野恒例、隠す気ゼロのダイマ・オブ・ダイマでオチつけときます。
○『現実でラブコメできないとだれが決めた?』第1巻〜第6巻(完結済)
「ラブコメみたいなことが起こらない現実なら、自分でラブコメみたいなこと起こしちゃえばいいじゃない」という常軌を逸した思考にたどり着いた主人公が、膨大 なクラスメイトに関するデータ(ストーカー行為によって収集)を駆使して学校生活でラブコメを〝創り出す〟、ラブコメ創造系ラブコメ!
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読んで!!!!!!!!!!!!!
○『彼とカノジョの事業戦略』第1巻〜第2巻(未完)
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