noteのサービス設計で参考にしている本
noteのサービス設計で、参考にしている本など。チームメンバーと価値観を共有するためにも、オススメの本を集めてみました。
経済政策で人は死ぬか? 公衆衛生学から見た不況対策
経済危機に国家がどのような経済政策ととったか。それが天然のA/Bテストになりうるという話。本書では、世界中の経済危機や動乱のなか、経済政策や衛生政策の違いで、市民の生死がどのように変化したかを分析した本。危機時に、どのようなテコ入れをすべきかの参考に。
国家はなぜ衰退するのか
noteのようなコミュニティの設計は、国家や文化の変遷を観察するほうがよいのかなぁと思います。この本は、歴史上繰り返し発生する衰退のゴールデンパターンを観察する本。先行者が搾取的な利権構造を作るほど、後発のプレイヤーはやる気を無くしコミュニテイからイノベーションが消滅する。そして停滞した社会に、外国の侵略が加わって消滅する様は、そのままスタートアップの新陳代謝に相似形を発見できます。noteがこのパターンに陥らないようにするのが、僕の仕事です。
2030年 世界はこう変わる
アメリカには、新しい大統領に今後の世界情勢シミュレーションをレポする部署というのがあるらしいです。大統領に渡されたレポートは、数年後に核心情報をちょっと削って、世界各国にも配布されるのだとか。本書はそのレポートの和訳。アメリカや中国がどういうポジショニングをとるのか、複数のシナリオ分岐とともに予想されます。日本については「もうだめぽ」と数行書いてある程度なのが悲しい。国家レベルのシナリオ分岐予測を、最高指導者にどの粒度でインプットするのか参考になります。
ホモデウス
サピエンス全史の続編ですね。テクノロジーをつきつめた人間が、これからどこに向かうのか、そのとき何が生まれるのか?を考察する本です。森博嗣のWシリーズと合わせて読むと楽しいです。
貧乏人の経済学
人はなぜ貧困に陥るのか? 貧困の構造、どうしてそこから出られないのか。むしろ、なぜ中流の人間すら、貧困に引きずり込まれるのか。「とるべきでない行動」にはまり込んでしまう仕組みなどについて、いろいろと参考になります。「善意で貧困はなくせるのか」とセットで読みたい。
暴力と不平等の人類史
「格差の再分配にもっとも寄与する要因」は、戦争・革命・崩壊・疫病の4要素だった…というお話。大破壊がどうして、最終的に格差を再分配するのか? 忖度や先送りをゆるさない自然現象と、改革・ルールチェンジの関係を論じた本。
ファスト&スロー
脳と行動に対する一般的な知識を抑えるための本。ちと長いのが玉に瑕ですが、今の行動経済学のベースを全体的に学べるのでオススメ。あわせて「実践 行動経済学」、「予想通りに不合理」、「ずる 嘘とごまかしの行動経済学」あたりも読みたいところ。
悲劇的なデザイン
デザインの失敗で人が死ぬ、爆発する、破滅する…人が触れるものへのミスインストラクションやミス設計が、いかにあらゆることを破壊し、大事故の起因となるかを語った本。安全側設計の大事さを実感させてくれます。
ブランディングの科学
「マーケティングのセオリーって、大半が統計的ファクトないよね。ただのアノマリーだよね」という強烈なボディーブローを叩き込んでくる本。様々なマーケティング手法に対して、統計的なファクトがあるのか、そもそもファクトを誰かが研究したのかを分析する本。顧客ロイヤリティの嘘を分析する「おもてなし幻想」とセットで読むとオススメ
幸せな選択、不幸な選択
統計としての幸せの本。幸福、やりがいといった概念は、定量化して測定できるのか。人が勝手に幸せになったり不幸になるバイアスはあるのか。幸せだと定義されている社会通年が、本当にその人に幸せに寄与しているのか。noteにおけるクリエイターのキャリアややりがいといった概念を、ふわっとした理念で終わらせず、システムとして記述するために参考にしています。「幸せとお金の経済学」とセットで読みたい。
Hooked ハマるしかけ
フック・モデルなど、人が習慣化するための認知メンタルモデルを解説する本。良い本ではあるけれど、倫理観をもって使わないといけない本。こういう思想はKPIだけで見るとダークサイドまっしぐらなので、常に正しい使い方かを意識していきたいです。
「学力」の経済学
学習すること、学習のモチベーションについてなど、学力に対する統計的なリサーチをまとめた本。noteにおいては、何が人の学習を促進させるのか?また、なにが人の学習意欲や学習習慣そのものを破壊してしまうのか、スキルアップ系の基礎設計で参考にさせていただきました。
意識はいつ生まれるのか
もともとは脳の本で、「脳のなかでどう意識が生まれるのか?」について語った本です。統合情報理論では、意識とは「複数モジュールが統合され、情報がエコーチェンバー的に反響する状態そのもの」と定義されています。統合情報理論に従えば、「SNSやnoteというサービスそのものも、なにがしかの意識を持っている」という解釈になります。脳の話ですが、モジュールを統合させるという概念そのものが参考になります。
欲望のオブジェ
産業のツールとしてのデザインが、いかに不便や苦労を発明してきたかを論じた本。この世に存在する不便や苦労は、もともと当たり前のものだった。デザインというものが切り口をかえ、当たり前を「実は不便なこと」と再定義い、新しい市場を開拓していったかについて論じる本。デザインという行為そのものの歴史的やくわりと、機能の倫理指針として読んでおきたい。
といった感じでしょうか。いやぁ、あたらしいnoteのショッピングカート、本の推薦が捗りますね!