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ビットコイン ・ 仮想通貨で稼ぐってどうやるの総まとめ(2020年版)

はじめに

現状の仮想通貨投資は「分かっている」人にとっては非常に割が良く、他の金融商品にはない金脈がそこかしこに残されています。しかしこの場合の「分かっている」はそれなりの知識で武装していることを指しますし、その上で多少の手間暇をかけることも求められます。
とはいえ抑えるべきところを抑えていれば大怪我はしないこと、またテンプレ的な「正解」もそれなりにあることから、ほどほどの利回りを得ようと思ったらそこまで苦労する話でもない…… という絶妙なバランスの上にあります。
適度にサボるのも自由、本気出して頑張るのも自由。頑張っただけリターンは返ってくる。

はい、こう書くと非常に魅力的に見えますね。こっから先はそこそこ長いですが続きを読む気になりましたでしょうか?

そんなこんなで皆さんお久しぶりです。ヨーロピアンです。皆さん、消耗してますか?(挨拶)

冒頭に書いた通りで、今の仮想通貨はめんどくさいことをサボらずにやったらそれなりの収益が見込めるという感じになってきています。
つまり「寝ているだけで朝起きたらお金が増えている」の時代はとっくに過ぎ去り、「それなりに工夫して朝起きたらお金が増えている」くらいにまでグレードダウンしました。

ここはちょっと違うところで、例えば株式投資やFX投資では「環境」は非常に整備されていて、有名なネット証券の中から手数料やポイント等特典がお得なところを、発注ツール等が使いやすければなお良し……と適当に選ぶくらいではないでしょうか。それも、寡占化が進んでいるマーケットですから実質的な選択肢は非常に少ないです。

ところが仮想通貨ではまさに人の行く裏に道あり花の山、新興の取引所や誰よりも先駆けて試し、考え、利益の源泉を追い求め続ける者には多大なる収益がもたらされるであろう……ガハハ!の世界になってきています。これは「環境」についてであって、「銘柄選び」とはまた別の話です。
つまり道なき道にこそ利益ありというわけで、常に試行錯誤し続ける者が美味しい果実を手に入れることができるわけですね。

とはいえそんなことやってらんないよこっちはお前と違ってクリプトオタクじゃないんだ手っ取り早く簡単で儲かる方法だけ教えろ!というのも人情だと理解しています。はい、理解しています……。

この記事は何?

ということでこの界隈でもう5年以上トレードを続けている、世間的には完全に奇人である僕が、なんとなくガイドライン的に、仮想通貨投資で実際何がやれるのか?というテンプレ行動を網羅しておこうというのがこの記事の趣旨です。みんなゲームやるときは攻略サイトとかwikiとか見ますよね?あんな感じです。

一応、僕自身もアウトプットはcoinrunやビットコイン研究所さんで日々細かくやらせてもらってるのですが、有料コンテンツですし、コミュニティで集まって情報共有していく場なので最新のフロー情報が中心となり、ストックにまとまっていなかったりします。そのため、自分向けの情報整理を兼ねて濃い目にアウトプットしてみます。

さて、本題に入る前に一応自己紹介をしておきましょう。僕は本業がソフトウェア技術者の資産運用歴10年のトレードオタクです。仮想通貨には非常にマッチしたキャリアだったので技術リテラシー・金融商品リテラシーでなんとか生き残ってこれました。(2020/04追記:本業も財務局監督業界の人間になりました)

これは余談ですが、2016年くらいからTwitterでチョロチョロしてたこともあって界隈は古参みたいな扱いを受けていることもあり、極稀に「それくらいからやってたらすごい大金持ちになるんじゃないですか?」的なことを言われます。これは一面では真実であり、実際に億トレになったりしているわけですが、同時にあの黎明期にお名前を見かけた方も今は大半がひっそりといなくなってしまっている認識もあり、それなりに心を痛めたりしているわけです。
決して全員が全員退場(資産を失って投資をやめてしまうこと)したとは思いません。単に興味を失っただけかもしれません。が、全員が大きく利益を得られていたということはないでしょう。それだけ、その頃の日本では仮想通貨はとても怪しくてわけのわからないものでした。そのため単純にホールドし続けるだけのことですら非常に難しかったのです(僕はビットコインが主ですが、アルトコインであればなおさらです)。

今ではそんなことはなくなりましたが、相変わらず半ば詐欺のような話は身近に転がっています。仮想通貨の皮を被ったそのような上手い話に騙されないためにも、この記事は存在します。

ちなみに、この記事はタイトルに2020年版とあるように、1年に1回リライトするつもりです。残念ながら2019年版はmediumの意地悪によって消されてしまいました。(1400いいね超えてたのにね…)

今でも仮想通貨ラブな方については総復習として、そうでない新規の方や久しぶりに戻ってこられた方には水先案内の役割になれば良いなと思って書いています。

ではここからは仮想通貨投資手法の総まとめと所感です。

大型通貨を買って値上がりをずっと待つ

1つ目です。時価総額大きめのコインを握って強烈に値上がりするまで気絶しておく方法ですね。多少の値下がりで手放したりはしません。俗にガチホ(ガチホールドの略)などと呼ばれたりします。
数年〜数十年レベルの待ちを想定している方が多いので長期投資と呼べなくもないですが、これだけで利回り(インカムゲイン)があるわけではありません。あくまで差益(キャピタルゲイン)狙いとなります。

これについて、僕個人の場合は確信を持てるのはビットコイン(BTC)くらいなものなのですが、人によってはこれがイーサリアム(ETH)だったりリップル(XRP)だったりして、信条の強い方々はそれぞれビットコイナー、イーサリアン、リップラーなどと呼ばれます。長期的に何が正解かは誰にも分かりませんし、ETHやXRPも僕が仮想通貨投資を始めた2014年からするととんでもなく値上がりをしています。各々自分が信じたコインをホールドすれば良いという結論です。

一応時価総額低めのコイン(日本では俗に草コインと呼ばれます)でこれをやることもできますが、結果は死屍累々となったのが2017〜2018年頃の歴史です。全くオススメできません。

この手法のいいところはとにかく楽なことです。余裕資金でやる分には仮想通貨を買っている事実を忘れることができますし、チャートを見る必要もありません。トレードにのめり込むと頭がそれいっぱいになってしまいがちですが、この方法なら人間らしい生活を送ることができます。
あるいは、同じ信念で賭けている仲間たちとコミュニティを作ってワイワイ楽しむこともできます。趣味領域にしてしまうのも一つの手だということですね。

一方で、短期でとんでもない金持ちになりたいだとか、日々細かく利益を得て生活を豊かにしたい目的がある方にはこれだけでは不足かと思います。

2017年末にはまさにバブルと言える超高騰劇を見せたので、2015〜2016年頃からこれを実践していた方は幸運にも僅か数年で資産100倍を達成した方もいます。が、同じ状況の再現性が今後あるかは何とも言えないため、基本的には長い目での資産形成を覚悟されている方が多いと思います。

とはいえ、仮にジャスト1年前の2019年1月にビットコインを買っていれば2020年1月現在には2倍以上に資産が膨らんでいますから、タイミング次第では当然大きな利益が発生することになります。

ビットコインについてだけ言えばこれまでの歴史的を振り返ると必ずその年の最安値を切り上げてきていますから、例えばドルコスト平均法で購入するのはタイミングに惑わされず心理面の負担も小さいため良い投資と言えるでしょう。
伝説の投資家ウォーレン・バフェットは「良い投資は退屈な投資だ」と語ったそうですが、僕も自らの経験から枕を高くして寝られる投資が良い投資だと考えています。ついでに将来にワクワクできる要素がくっついてくれば最高ですね。Buy Bitcoin!

大型通貨を買って値上がったら手放し、値下がったら買う

こう書くと非常に簡単そうに見えますが、それができるならみんな大金持ちになってるだろとツッコミが入りそうな題です。笑

言うは易く行うは難し、ある意味トレードの基本にして全てと言える方法です。この項では1日〜数週間くらいの時間軸でポジションを動かすことを想定しています。現物に限らずデリバティブ(レバレッジがかけられるFXや先物などの派生商品)を使ったロング/ショートもこれに含まれています。というか、デリバティブが主戦場になりがちだと思います。
いわゆるデイトレード〜スイングトレードに該当する短期トレードで、僕自身が今やっていることの一つですね。

2020年現在の状況では、ある程度短い時間軸で継続的な利益を上げようとするとこの手法が中心になると思います。

2017年ごろまでの手法はどちらかと言えばニュースが中心となっていました。黎明期の仮想通貨では規制の報道や新規マネーの流入が非常に大きな影響を与えていました。
中国によるマイニング規制報道があれば下がり、米SECによる法整備が進展すれば上がり、G20での仮想通貨への言及に一喜一憂し……といった具合です。
日本、中国、韓国のアジアマネーが多く流入している仮想通貨の世界で、英語圏のニュースが非常に大きな影響を与えていました。それをいち早くキャッチして相場が動意付く前に先行することで簡単に利益を上げられた時代で、かなりいい思いをさせてもらいました。

残念ながら今はそこまで単純ではなく、上記に加えてデリバティブ取引の発展と共に各種指標を横目に観ながら資金の流れを意識してトレードを行う手法が中心となってきています。金利や先物についての基礎知識がかなり物を言うようになっているということですね。こういった面だけを見れば、金融業界出身の方が知識を取り回せる世界になってきていると言えます。

前述しましたが現物売買よりもレバレッジが効いて手数料が安いことが多いデリバティブ取引を活用する方が良いです。

取引所は日本人なら(商品特性がトリッキーながらも)bitFlyerのBTC-FXが稼げると話題だったのですが、これは1年前までくらいのお話。2019年の規制によってレバレッジは4倍に引き下げられ、今後2倍へとさらに引き下げられることが示唆されています。完全に下火になってきていると言えるでしょう。

本当に日本の事業者が何をしたって言うんだ……金融庁さん……?

この規制もあり、日本の取引所のデリバティブはかなり厳しいのが現状です。非常に残念です。現状を冷静に見るのであれば、日本の取引所で現物を買った後、海外の取引所に送金してレバレッジ取引をした方が圧倒的に資金効率は良いです。

ただどちらにしても、海外の仮想通貨取引所に入金するにはBTCが必要なので、まず国内の取引所を登録してから日本円でBTCを買わないといけないんですよね。そんで海外取引所のレバレッジ取引を使ってBTCを増やす。満足いくまで増やしたら日本の取引所に戻して売却、日本円で出金するというコースになります。
また、人によっては売却せずにそのままBTCを増やし続け、将来BTC価格がもっと上がるのを待つというホールド戦略を組み合わせる場合もあります。僕自身もそうです。

国内取引所はブロガーによって比較記事がたくさん書かれてるので、適当に検索するとたくさんヒットします。bitFlyerやLiquidを紹介する記事が多いですね。国内取引所に日本円を入金してBTCを購入しましょう。

そんでこれらの取引所に登録しても何を指針にトレードすればいいのって話になってきますが、僕の場合はskew.を観ていることが多いです(上級者向け)。

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情報だけあっても何に活かせばいいか分からないかもしれません。Binanceの金利や先物のサヤに気を配ったり、BitFinex、OKCoin、CMEのポジション動向をチェックして売買に活かすのが一般的です。オプション動向に気を配る方もいますね。細かく説明すると長くなるのでまた別の機会に。

今ならFXcoinやコインカレッジの記事を参考にして直近の相場を掴むのも一つの手だと思います(コインカレッジは上級者向け)。

先んじて色々紹介してしまいましたが、当然雰囲気で売買して儲けてる人もたくさんいますし、難しく考えずにまず始めて見るのが肝心だという意見もあります。初めはあまり気負いすぎないのが良いのかもしれません。

本当の仮想通貨初心者なら最初は自分の思うままに買ったり売ったりすればいいと思うのですよね。始める前からトレードの細かい知識をつけようとして頭でっかちになっても仕方ないです。まずは売買を繰り返して細かく利益を上げたり損切りを覚えていけば良いのです。

大金をかけるのでなければ、まずは習うより慣れろくらいの精神がいいのではないでしょうか。

スキャルピング

数秒〜数分単位でポジションを建てたり閉じたりして数百円〜数千円幅の細かい利益を積み上げていくトレードスタイルです。昔からやっている人は多かったものの、2018年の後半あたりから爆発的に流行したイメージですね。

というのも当時は仮想通貨の値動きが非常に小さく、完全な停滞期間でした。このスキャルピングくらいしかまともにやれそうな手法がなかったという背景があります。
海外取引所の無期限先物やbitFlyerのBTC-FXを使っていわゆる「板読み」をやるのがこの時流行っていたスキャルピングだと思います。ざっくり言えば、現在値付近に厚い売り板があれば極短期的に下がり、厚い買い板があれば極短期的に上昇すると見込んで一瞬でポジションを建て手仕舞いする、というのが基本の手法でしょうか。これに細かく味付けしていって独自の手法に昇華している方が多かった印象。

とにかくやることが明確で実践的であるというのもあり、試行錯誤がしやすいのがメリットですね。また、一応板読みには常にある程度の価格変動説明力はあり、戦略次第でエッジが残されています。これ一本で生計を立てるような方が実際に存在しているのも、つまりはそういうことなのでしょう。

僕自身はbot(後述)でこの戦略を実践していたことがあり、こちらは「高頻度取引」と呼ばれています。

裁定取引(アービトラージ)

同一のコインが複数の取引所に上場しているとき、その価格差を利用して利益を上げる手法です。

仮想通貨の世界はほとんど一物一価になっておらず、各取引所ごとに微妙に価格が違っているのが現実です。こうした価格の違いを一般的に鞘(サヤ)と呼びます。鞘があるところに裁定取引あり、例えば取引所Aの売り板が取引所Bの買い板よりも安いなんてことは日常茶飯事です。

こういった状況で取引所Aの売り板から現物を購入し、取引所Bの買い板に対して売却することで鞘の分だけ利益を得ることができます。
実際にはA -> Bの送金時間がありますし、価格も常に変動しているからこのような単純な手法が通用するのはよほど鞘が大きいときだけでしょう。しかしこの原理を利用する収益機会は常に存在します。

利ざやは薄いためある程度の原資を必要すること、時にカウンターパーティリスク(取引所にお金を預けるリスク)を取らなければならないことが欠点です。一方で構造上この価格差をゼロにすることは不可能であり、それゆえに利益の源泉が完全になくなることはありません。
例えば先日の高騰ではMONAやXRPといった通貨で完全手動の裁定取引を行って100万円以上の利益を得た方の報告を聞いています。

僕自身も2016年にはこの手法でかなりの収益を上げていました。とはいえ1BTCの価格が10万円未満の世界でしたから、あとから振り返ればBTC現物にオールインして放置していたほうが儲かっていたのですが笑。もちろん2020年の今でも一貫して続けており、割合は小さいながらも安定した収益確保手段の一つとなっています。

もちろん、今は日本の取引所を使ったBTC/JPYだけの裁定取引はかなり効率化されてきており、国内取引所だけでは満足いく収益を上げることは不可能と言っていいでしょう。海外取引所を組み合わせたり、アルトコインを使ったりしながら上手くヘッジして裁定できる組み合わせを見つけていくのがコツとなります。

アルトコイントレード

値上がりそうなアルトコインを狙って買いで攻める手法です。2017年頃はアルトコインバブルだったために、なんでもかんでも価格が急上昇しました。数倍から数百倍まで、まさに仮想通貨投資に夢を見られた時期だったと思います。

現在ではそこまでの上昇は見込めないものの1ヶ月で2倍程度の値動きは大型のアルトコインでもありますし、時価総額が小さい草コインについては数日で3倍、のような激しい動きも見かけることができます。
アルトコイントレードの基本はBTCを入金してBTCでアルトコインを買い、そのアルトコインが高騰したら売却することでBTCの残高を増やすことです。

前の項でも説明したので気が付かれた方もいると思いますが、このように仮想通貨トレードが大体何をやっても基本は「BTCを増やすこと」になるのです。これはBTCが仮想通貨の基軸通貨であることに起因します。

さて、肝心の取引所ですが……結局Binance(バイナンス)一択ですね。

Binanceの影響力は絶大と言ってよく、ここに新規上場した通貨はそれだけで高騰するほどです。Binanceの成功から似た形態(大量のアルトコイン現物を取り揃えた)の取引所がいくつもローンチされましたが、残念ながらどれもBinanceほど奮いませんでした。
使い勝手や手数料の安さ、安全性どれを取ってもBinanceは優等生で、もはやBinanceのアカウントなしで仮想通貨トレードは不可能。世界最大のアルトコイン取引所として盤石の地位を築きました。

アルトコイン現物取引をするなら国内取引所で良いと思うのですが、大抵の方はアルトコインの「目利き」は難しいと思います。プロジェクトについて調べ、ソースコードにまで目を通し……というのを実行できるのはクリプトマニアの技術者だけです。

この項の冒頭では現物購入の値上がりを想定した記述をしましたが、値下がりしそうなアルトコインを狙って信用取引やデリバティブを使ったショートポジションを組む戦略も存在します。

特にアルトコインは時価総額が小さいがゆえに比較的どうでもいい理由で急騰することが多く、またそのようなケースでは全戻しするパターンがほとんどです。「急騰しそうなコイン」を持って待ち構え続けるのでは機会損失が大きいですが、急騰した後のコインを狙ってショートポジションを組むのは後出しジャンケンで済むので非常に効率が良いのです。

こんなのは典型例ですよね。

アルトコイントレードの場合はこのような戦略以外にも、例えば似た性質を持つコインの発展の違いに賭けることが考えられます。例えば同じ匿名性の強いMoneroとZcashでより有望だと考える方をロングし、同時にもう片方をショートすることで価格の伸びの差に賭けるロング・ショート戦略なども有効です。

2020年のアルトコイン取引ではこれまでのような現物取引中心ではなく、デリバティブを組み合わせてさらに高い収益を狙っていくのがメインとなるでしょう。レバレッジが効かせられるため、原資が少ない方にも大きなリターンが狙えるようになりました。ビットコインが増やせればいいので、アルトコイントレードも現物にこだわる必要はなくなったのです。ここが以前までと大きく変化した部分ですね。

現物と先物の鞘取り

※初心者には小難しいですので、読み飛ばしてください

先に紹介したBinanceで最も人気のある商品は無期限先物ですが、通常の先物商品も存在しています。これを使って現物と先物の鞘取りをすることで「必ず」利益を上げることができます(!)

先物の方が現物よりも高いとき、例えば6月30日期日の先物商品が5400ドルで、現物価格が5300ドルだったとしましょう。6月30日には現物価格で先物商品が精算されるため、この差額の100ドルは期日に向かって収束する可能性が高く、収束しなかったとしても現物 + 先物ショートの両建てで利益を確保することができます。期日までに収束するようなら現物は売却し、先物ショートはクローズすれば良いです。

このように、現資産(現物)と先物間で価格差がある場合に両建てすることで未来の利益を確保する方法は伝統的な金融商品では一般的なトレード手法です。多少の時間と資金拘束があるため、「利回り」と見なすこともできます。

僕も先物プレミアムが大きくなったときには積極的にポジションを取るようにしていて、不定期ではありますが利益の源泉の一つになっています。

例えばこの記事を書いている現在、僕は3月27日物の先物を使ってポジションを構築しています。わずか2ヶ月半で取れる鞘は+3.1%。年利に直せば+15%近い高パフォーマンスです。

この手法はまさに「落ちているお金を拾う」と言って差し支えなく、非常に優れているのですが、今の所はBinanceなどの海外取引所を使うしかありません。日本の取引所にもいい感じの先物商品が登場してほしいのですが、金融庁の規制もありますのでしばらく長い目で見なくてはいけなさそうです。

ICO(Initial Coin Offering)

アルトコイントレードの話を出したので、ICOの話も避けられないでしょう。

仮想通貨関連プロジェクトチームがプロダクトを開発する際に必要な資金を仮想通貨建てで集める手法で、2017年に爆発的に流行しました。投資家達は購入したトークンが即座に数倍〜数十倍になると考え、「夢のチケット」を手に入れるために殺到したのです。

2017年のバブルの真っ盛りには一瞬で数百億円を集めるプロジェクトも複数ありましたが、どのプロジェクトも破綻もしくはお行儀の悪い事件が報道され、あまり良い印象はなかったように思います。

その後は米SECの規制や、騙された投資家達がそっぽを向くなどの影響があり2018年にかけて徐々に縮小しました。当時のICOはそのファイナンス手法と構造から言ってダメダメであり、この結末は目に見えていたと言えます。
当時盛んに煽られてそれで運良く短期で儲かった方もたくさんいたと思いますが、今の現状を見ればほどほどに距離をおいておくべきだったと言えますね。

ところが、2019年に再びこのICOが形を変えて流行しました。取引所主導で行うICO、通称IEO(Initial Exchange Offering)です。ただし2017年ほどの熱狂ではなかったので、知らない方も多かったと思います。
このIEOでは取引所がプロジェクトチームを精査し、一定の基準をクリアすることで資金調達を開始することができます。調達のプラットフォームはその取引所です。また、IEO終了後すぐに上場されます。

それなりのプロジェクト審査が存在して、なおかつすぐに売却することができるセカンダリの存在が保証されていることから従来のICOとは安心感が段違いだったわけですね。

このIEOを大流行させたのも先程紹介したBinanceです。当初は早いもの勝ちのクリック速度競争で購入する馬鹿げた形態でしたが、すぐにBNB保有者にチケットを配布し、チケットの当選で購入権利を獲得するロト方式に変更されました。このためBNBを一定期間保有しているホルダー向けのイベントとなったのです。
当然BNBをヘッジする必要はありましたが、僕も所属しているcoinrunでは主催者の田中さんが熱心にヘッジ方法を研究してくれたこともあって参加した全員が毎月400〜1500ドルほどのお小遣いがもらえる定期イベントと化していました。僕自身も合計4500ドルほど(約50万円)がほぼノーリスクで手に入ったこともあり、ありがたいイベントでした。

しかし前述した通り、日本人である我々は既にBinanceから弾き出されることが決定されている身。今後のIEOにもおそらく参加できないでしょう。これは残念なことです。

相対売買業者攻略

仮想通貨の売買業者には二種類存在しており、ユーザ同士の板取引を提供する取引所(これが主流です)、GMOコインやTAOTAOなどの相対売買業者が存在します。
後者は外国為替FXの世界でスタンダードな方式ですね。この方式はいわゆる呑み行為を行っている業者が多く、提示されるレートは各業者によってまちまちだったりします。

そのため、例えばGMOコインでは2017年にbitFlyerやcoincheckのレートを参照して先回りすることで簡単に利益を上げることができました。

今でもできるかどうかは不明ですが、2-way price形式で相対売買を提供する業者には常にこのような弱点が存在しています。それを攻略することで大きな利益を上げることができました。
ただし、ある程度利益を上げたところで大抵アカウントをBANされてしまいます。要するに利用規約上非常に怪しいところがあるということですから、個人的にはオススメできません。

今は単純に国内事業者でカバーを行うのではなく、LP(リクイディティプロバイダ、流動性供給業者)を使ってカバーすることが多いのではないでしょうか。僕自身もこういった業者の中の人に何度か接触したことがありますが、こういった業者は世界中の取引所でカバーを行います。そのため2017年に通用したような先回り手法は通用しなくなっていると考えて良いでしょう。

マイニング

残念ながら、国内個人では儲からないです。

と言って流してしまうのもつまらないので何故儲からないかを説明します。

ビットコインのマイニング業者は苛烈を極めており、最新機材を使い、人件費の安い地域を使ってギリギリという採算基準のようです。具体的にはカナダの一部地域での水力発電、アメリカの風力発電、カザフスタンなど。

そして個人では容易に最新機材を手に入れることはできません。Bitmain社やCanaan社の機材はまず自社が独占的に使い採掘し、その1世代前の機材がお下がりとなって流通します。しかしこのお下がりの流通すらも限られていて、実際に個人が手に入れることができる限界は2世代前(今だとAntminer S9など)だったりします。中国のブローカーを通して入手するために新品だと言い張って送ってきた機材がどう見ても中古品だった、なんてトラブルもよく耳にします。

ビットコイン以外のマイニングにはまだ妙味はあるかもしれませんが、結局ある程度相場の読みが必要になるためそれであれば素直にトレードしたほうが良いのではないでしょうか。

結局のところ、利益度外視で好きなコインを掘る健全な趣味、が落とし所になると思います。

レンディング

他人に仮想通貨を貸し付けることで利息収入を得る手法です。貸す対象は信用取引をするユーザーだったり、取引所だったりします。

例えばBTCを借りたユーザーはこれを証拠金にしてETH/BTCをロングしBTCを増やして返却しようとします。あるいはBTC/USDをショートし値段が下がったところで買い戻すことも考えられますね。

このような信用取引を行うためには必ず誰かから通貨を借りなくてはいけませんので、その貸し手としてレンディングが存在しています。仮想通貨界では2016年頃から広まり知られている伝統的な運用方法です。

この手法の最大の問題は預かり手が逃げてしまうことです。これをカウンターパーティリスクと言います。最近では国内でライセンスを受けた業者がこのレンディングサービスを提供し始めたため、ようやく「ガチホ」のお供となることができるレベルにまで安心度が高まった考えています。どうせ売らないなら貸し出して利息を得ようという考えですね。

ただしその分国内取引所サービスの貸出利率は低く、上記bitbankを例に出すなら年利は僅か3%。そして途中解約すると非常に高いペナルティ(5%)を取られてしまいます。正直なところ、あまり魅力的とは言えません。

かつてはCoinOnのような良心的サービスも存在していたのですが、残念ながら早期に終了してしまいました。

海外にもBlockFiなど有名なものを筆頭にレンディングサービスはいくつか存在しますが、利率もまちまちなのでリスクと天秤にかけて判断する必要があります。

2020年の最新の状況としてはDeFi(分散型金融プラットフォーム)が非常に発達してきています。技術リテラシーが非常に高い方であれば、DeFiを利用するのも一つの手でしょう。僕自身も少額ですが、勉強のためにDeFiでDAI(ETHを証拠金にしたステーブルコイン)を貸し出して運用しています。現在年利4.5%程度。

https://defirate.com/lend/

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DeFiではカウンターパーティリスクをほとんど気にしなくて良い一方で、自らの操作ミス等で全てを失ってしまう可能性もあります。誰も助けてくれない自己責任が非中央集権性の特徴ですから、技術に自信がない方はまだ慎重になっておいた方が良さそうです。

botトレード

botとは簡単に言えば自動売買システムですが、この界隈特有の呼び名だと思います。株や為替の世界だとシステムトレードと言いますが、そこまでカッコつけた大げさなもんじゃないよ、という謙遜も込めてbotという呼び名が定着したのではないでしょうか。

言語はなんでもよく、決められたストラテジーに従って自動売買するプログラムを書ければいいわけです。当然ですがプログラミングの知識が必須になるのでここに参入障壁があります。
僕は本業がソフトウェア技術者ですのでこの辺りのハードルが非常に低く、黎明期から自動トレードを基本に立ち回っていました。

いわゆるHFT(高頻度取引)的なbotは動かせる資産の上限が流動性に依存することから、今はもう少し長い時間軸でのトレードが主となっています。
かつてはbitFlyerやcoincheckの売買高ランキングを独占し、長いことブイブイ言わせてたわけですが、ある程度資産が大きくなった中で利回りを最大化することがかなり難しくなってしまっているわけですね。

裁定取引やスキャルピングはbot化しやすい領域ですが、それ以外にもテクニカル指標に従って売買を繰り返すなど、人間ができることならほとんどなんでもbot化できることになります。

ちなみに、プログラミング素人だからという理由でインターネット上で販売されているものを購入するのはやめたほうがいいです。それで儲かることはほとんどないと思ってください。
中には優れたものもあるにはあるはずですが、高利益を謳っているbotの中から本物を見分けるのは技術リテラシーのない人間にとっては非常に難しく、お金をドブに捨てる結果になる方が多いと思います。

bot製作者もTwitterに数多くいるのですが、個人的な思い入れがあるせいか紹介したい方が多すぎます……。とりあえず二人組でシステムトレードをされているUKIさんとHohetoさんをフォローするのがオススメです。

彼らの書かれているブログだけでも十分な量の情報がありますので、プログラミングができるorこれから覚える予定があるのであれば是非読んでみてください。

とはいえbot運用自体、基本的には自分でプログラミングができることが前提なのでそこまで勉強する気はない場合には他の手法をオススメします。正直このためだけにプログラミングを勉強するのはコスパが悪すぎるので、他にプログラミングでやりたいことがあるか、もしくは既に腕に覚えがある方向けの手法と言えますね。

その他

オプション取引を利用したターゲットバイイング、カバードコール、ロングストラドルなど…… デリバティブを使った取引は細分化してしまおうと思えば本当に様々な手法がありますが、ここでは紹介しきれません。

僕自身も常に研究してアウトプットしていますし、インターネット上にも分かりやすくアウトプットしてくださっている方は何人もいらっしゃいます。

一例(FcukOKsan):

他には取引所のキャンペーン攻略などもあります。これは収益の源泉が明確であって「見つけたもの勝ち」になっています。といっても当然向上的に存在するようなものではないので、頭の片隅においておく程度ですね(僕は大好きです笑)。

物をくれる取引所もあるようです。黎明期のbitFlyerはキャンペーンでAppleWatchとかPS4を配ってたのを思い出しますね。

終わりに

はい、これで全部です。詳細は大分端折ったけど全部です。ここまでで14000字を超えています。長い、長すぎる……。キーボードを叩く手がすっかり痛くなってしまいました。

とにかくこれで大体網羅できたと思います。もし上記に挙げた以外の手法を試されている方がいましたらTwitterでこっそり僕に教えてください。笑

2020年1月現在、新年明けからBTCやアルトコインが力強い値動きをしていますし、国内外の事業者からは様々新しい取り組みが聞こえるようになってきました。もちろん確定的なことは何も言えませんが、再び人口が増え、取引高も増え、楽しい相場がやってくるのではないかと予感させてくれます。

そんなチャンスが巡ってきた時にようやく動き始めるようでは遅すぎる、やはりいつの時代も勝つのは先行者だと思います。というわけで既に界隈にいる皆さんに向けて総まとめを書くのはそれなりに意味があるんじゃないかな、と思いました。我々みんなで勝っていこうな!

筆不精ながらにせっかく手を痛めながら書いたので、もし気に入ったらシェアしていただけると嬉しいです。

それでは皆さん、引き続き良い仮想通貨トレードライフを!(「暗号資産」って全然定着しないよね)




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