戦略コンサル・大手商社出身のメンバーが語る「100兆円のマーケットを創る」スタートアップとは
enechainは、日本最大のエネルギー卸取引マーケットプレイスを運営するスタートアップです。私たちは、電力から燃料、環境価値まで、あらゆるエネルギーの価値を交換できる、誰にも開かれたフェアなマーケットを通じて、日本の豊かな経済とサステナブルな社会を実現することをミッションに掲げています。
創業から5年で、主力の卸電力の出来高は累計2兆円に迫り、エネルギーのヘッジマーケットとしては日本最大を誇ります。昨年取り扱いを始めた環境価値取引も、累計取扱高も取引事業者も順調に増え、脱炭素社会の実現を支える取り組みも進めています。
今年の4月にDCM Venturesを含む国内外の機関投資家、金融機関と電力、ガス、商社のエネルギー取引に従事する9事業者を引受先とするシリーズBラウンドを実施し、長期借入の追加実行を含み総額で60億円の資金調達を行いました。
今回は透明性と流動性の高いマーケットを創るために、日々、最前線で事業企画・開発から顧客フロントまで幅広く取り組む商社やコンサルティングファーム出身のビジネスチームのメンバーが、なぜenechainを選んだのか、どのようなやりがいで挑戦しているのかを語っていただきました。
プロフィール
事業がやりたい、業界を変える当事者になりたい
ーenechainに入社した理由は?
新井:私は日揮から戦略コンサルに転職して電力系のプロジェクトに関わってきました。コンサルを7年経験して感じたのは、戦略や計画を作ることが多いですが、関わることができるのは全体の一部で、結果までみれない、実施されないプロジェクトも多いということでした。様々なプロジェクトを経験し、色々なものを学べたなという実感があり、自分がやりたいと思う事業にコミットしたいと思うようになりました。その中で、代表の野澤と出会って、私が感じていた電力業界の課題と、この会社が取り組もうとしていることが合致していると感じたので、入社を決めました。
三澤:私も商社で新規事業を経験し、コンサルに転職して経験を積んだ後に、やっぱり事業をやりたいなという気持ちになったのがきっかけですね。エネルギー業界って文字通り、エネルギッシュ、エナジェティックな人が多くて、好きなんですよね。偉そうかもしれないですが、商社やコンサルで得た知識や経験をこの業界に還元したいという気持ちがあり、enechainであればそれが実現できると思い、入社を決めました。入社して半年が経ちますが、思い描いていた通りのことができていると感じています。
鈴木:私は2022年の1月入社で、社員数が40名くらいの時に入社したのですが、転職したいと思っていたわけではありませんでした。ある時、enechainという会社があって、 プラットフォームをつくって業界の仕組みを変えていこうみたいなダイナミックなことをしようとしてるっていうのを知ってしまったんですよね… 商社での仕事もすごく面白かったのですが、その当事者になりたいというわくわくがとまらなくなってしまって、入社を決意しました。私も結構この電力業界が好きなんですよね。
「マーケットを創る」=事業・プロダクトをつくるところからお客様に使ってもらうところまで全部やる
ーやりがいを感じるのはどんなことですか?
鈴木:私は「熱量の高いチーム」「巨象を動かす」がキーワードですね。
私の役割は、ブローキングデスクという部署で、発電事業者と小売事業者とのやり取りを通じて、電力を売りたい、買いたいというニーズを把握し、マッチする相手を見つけて間に入って交渉し、取引を成立させる支援をするのが仕事です。 「チームブローキング」というかたちでお客様間のニーズをマッチさせるチームプレーが重要で、皆が高い熱量で、意見を言い合って同じゴールに向かって仕事してる時は非常にエモいですし、成果が出た時には、みんなでhigh-fiveするような絆の深いチームで働いています。 会社の収益を直接つくっている部署でもあるので、私たちが頑張れば頑張るほど、会社が成長し、素晴らしい仲間たちが増えてくる、それを感じられるのもやりがいですね。
「巨象を動かす」という点については伝統的な電力業界の中で、最初は認知されなかった私たちの存在も、徐々に共感を得られるようになってきました。大きな電力会社がenechainのマーケットを利用してくれるようになり、その結果が他のお客様にも影響を与え、電力業界全体に変化が起こる瞬間を見られることが、大きなやりがいとなっています。
新井:私も似ているのですが「巨象に対峙するアリ」をキーワードに挙げました。私は主に事業開発や新しい事業の推進などを担当しており、新規事業の立ち上げや、他社とのアライアンスなどを行っています。 顧客となる大手電力会社も私たちにとっては「巨象」ですが、電力業界は非常に規模が大きく、新しい事業を創っていくためには資金が必要なため、金融機関や大手保険会社などの大手企業とのパートナーシップが必要になることがあります。その中で私たちはまだまだ小さなスタートアップなので、特に実績もなく、最初は相手にされないことももちろんありました。しかし、私たちのアイデアやチーム力を武器に、共感してくれるお客様やパートナーを探して行く中で、こういった大手企業からも共感を得ることが出来るようになってきて一歩ずつ事業を進めることができるようになってきました。これは非常にやりがいがあり、少しでも前進すると大きな達成感を感じますね。
三澤:私のキーワードは「市場創出は集大成、行動変容から市場を創る」と「はじめてのモノづくり」ですね。新電力と呼ばれる小売事業者の多くは本業が他の事業で、電力事業を新たに始めた企業様も多いので、ETRMと呼ばれる電力取引のリスク管理ツールの導入支援などを通じて、リスクをヘッジした取引の仕方、トレーディングの仕方などを啓蒙しながら、マーケットで取引をしていただく顧客を増やすことが私の役割です。「市場を創る」ということは、場所があるだけでは意味がなく、そこに取引するプレイヤーが集まり、実際に行動していただく必要があります。様々な事情を持つお客様に対峙し行動変容を促し、実際に行動していただくところまで支援できることは、まさに市場を創っている手触り感があって非常にやりがいがありますね。
「はじめてのモノづくり」はまさにenechainで働く”超醍醐味”だと思っていて、商社やコンサルタントとして、ソリューションを伝えることやロードマップを作成することはもちろん重要ですが、「何を使って」の部分で、自社プロダクトを持っていない故のはがゆさを感じることがありました。
enechainは約半数の社員がエンジニアなどプロダクト開発に関わっているメンバーで、自社で開発しています。私がお客様のニーズを吸い上げてエンジニアに相談すると、数日で「こうしてみたけど、これでお客様に使ってもらえそうですか?ユーザビリティ向上しそうですか?」とエンジニアがすぐに対応してくれます。直接エンジニアと会話して一緒にプロダクトをつくって、次お客様と話す時には「この前いただいたご要望、反映できましたよ!」と伝えることができてお客様が喜ぶ顔を見ることができる、 これこそがモノづくりの醍醐味で、この手触り感が、私が感じるやりがいですね。
新井:本当にエンジニアの存在って尊いですよね。「こんなことをしたい」というアイデアを出すと、「エンジニア的な視点だとこういういい方法がある」とより良い方法を提案してくれて、素早くプロトタイプを作ってくれたり。このスピード感は、優秀なエンジニアが自社にいる会社でなければ味わえないものですよね。エンジニアとの仕事は最初はキャラも違えばコミュニケーションのスタイルも違うし、その違いに驚くこともありましたが、一緒に仕事をしていくうちに、この多様な人と働く楽しみが出てきて、今はこれも魅力だなと思いますね。
鈴木:社内にめっちゃ金髪の人がいるし、いつもTシャツとかが普通だし、今までの会社とは違う、すごい組織がカラフルな感じで、スタートアップ感がやっぱりありますよね。そういうエンジニアたちと一体感を持って同じ方向を見て、同じゴールを目指すことができるのは、私もすごいいいなと思いますね。
スタートアップであるenechainに入社してみて
ー期待通りだったこと、意外だったことはありますか?
三澤:私は今まで大きな会社で働いてきたので、スタートアップに飛び込むというところには正直不安はありました。事業投資などの経験もあったので、入社を決める前にenechainという会社がほんとに将来性があるのかを真剣に見て、穴を探してみたのですが (笑)、そしたら事業としてしっかりと押すべきボタンを押していて、顧客とのネットワークも構築できていて、政府との関係性もできている、「なかなか穴のない計画を立てているな」と思いましたね。一方で、事業が優秀でも組織に人が揃っていないと意味がないと思っていて、選考プロセスでたくさんの社員と話す機会をもらいました。結果、一部ではなく優秀な人材が集まっている「プロフェッショナル集団」だと実感できたので入社を決めました。その点は入社してからも全然ギャップはないですね。
逆にいい意味のギャップとして、思った以上に業界の一線級の人がいるなと思いました (笑)。 生意気ですが、スタートアップに入ったら自分はアウトプットすることがメインになると思っていましたが、実際はインプットが非常に多いです。社内にはコンサル出身の人もいれば、商社出身の人や金融出身の人もいて、エンジニアなどテクノロジーの人もたくさんいます。意欲さえあれば、会社の中で得られるものがたくさんあるのも魅力ですね。様々な業界の一線級の方々からのインプットを受けながら、自分自身も成長を実感しています。そして、その成長を通じてより良いアウトプットを出せていると感じています。
鈴木:そうですね。一線級の方々が自分たちの知識を惜しみなく共有してくれますよね。それって「圧倒的当事者意識」だと思っていて、大きな会社にいると自分がどれだけ貢献しているかが分からないこともありますが、会社のことも自分事に思っている人達が集まって、皆が花ひらくことが会社の成長につながる、全体最適を目指しているからこそ、社内のメンバーがそれぞれ持っている専門知識や経験を他メンバーに還元することを惜しみなくやっている、そういう会社だなと思いますね。
新井:私もずっと電力系のコンサルをやっていて、発電と小売の知識はありましたが、 「電力取引」「トレーディング」 とかは知見がなくて正直不安はあったんですが、入社してみると、伝説的なブローカーとか、 伝説的なトレーダーとか、ロンドンのごりごりの燃料トレーディング会社の元社長とか、その領域の一線級の方々が社内にごろごろいて、本当に勉強になりますね。その社内で得た知識と今までの経験をかけ合わせて戦えてる感じがあって、それはほんとにいいなと思います。あれすごくないですか、「フェロー出てこい」っていうSlackのスタンプ (笑) 。そのスタンプを押すと、フェローが出てきて問題を解決してくれるっていう。有識者に気軽に相談できる環境・カルチャーっていいですよね。
フェローが登場している記事
鈴木:そういう環境だからこそ、エネルギー業界出身でない人たちも、入社後に必要な知識をキャッチアップできるんですよね。直近チームに入ったメンバーもマーケットの知見を積極的に吸収しようと頑張っていて、チームでサポートしながら仕事を進めています。
新井:カルチャーの話だと「コンクリ」という言葉が象徴的で、会話の中でよく出てきますよね。
鈴木:「コンクリ」は建設的な批判 (= Constructive Criticismの略) のことです。意見を言い合うことって大事だよねという考えで、違った意見を持っていても、それを発信することを止めてしまうような心理的安全性のない状態は良くないという考えがあって会社の中でも「サンクスコンクリ」とかの言葉もあるくらい、積極的に意見を出し合い、コンクリすることを歓迎する文化があります。誰もが自由に意見を出し合い、最適な解を探していくことがカルチャーとして根付いている感じがありますよね。
三澤:私も以前は人の顔色をうかがうようなこともありましたが、この会社に入ってからは自然とそういったことがなくなったと感じますね。Slackで社長とメンバーが直接議論するみたいなコミュニケーションが活発に行われているのも新鮮でした。
新井:あとenechainのメンバーは、結果を出すために労を惜しまないっていうところが共通してあると思っています。私は事業がやりたくてenechainに入社しましたが、営業したり、パートナーに交渉したり、資料を作ったり、印刷したりと、全て自分でやる必要があるんですよね。事業をつくるって本当に大変ですが、メンバーそれぞれが結果を出すために労を惜しまないというのは、それはすごくいいカルチャーで、やりがいがあるというか、一緒に働いていて楽しいと思うところですね 。
鈴木:そして成果が出た時には、みんなが喜んでくれますよね。「賞賛する」っていう、これもenechainのカルチャーですね。成果が出た時に社内で共有して、皆で喜びあえるって素敵ですよね。
新井:私は一度泣いちゃったことがありますね…大きなプロジェクトで初めて成果が出た時、業務後に社内にいたメンバーを集めてくれて、皆でhigh-fiveして祝ってくれた時、それまで色々心配だったことが解放されて「よかったー!」って思って、そしたらぼろぼろ泣いちゃって…恥ずかしかったですけど、こういう経験はenechainに転職しなかったらたぶんできなかったかなと思いますね (笑)。
三澤:何か成果が出た時に会社内で発信すると、想像の数倍の反響ありますよね。圧倒されるくらいみんな喜んでくれる(笑)。これがスタートアップの熱量なんだなって思います。
最後にスタートアップへの転職に迷っている方にメッセージ
新井:私が入社を決めた時期はまだ会社の事業も組織も立ち上げ期で、外側からなかなか評価できないような時期だったのですが、その時でもやっぱり市場の動きだけで企業の価値が倍になったり半分になったりするという、業界の課題感を強く感じていたので、それを安定させるサービスが絶対必要だと感じていて、enechainがやろうとしていることは社会のためになる、 だからこそ、きっとスケールするだろうみたいなところが信じられたというか、 私はすごい実感として持てたので決断できたみたいなところがあるんですよね 。業界の深いニーズがある、一方でそれを知っている競合となるプレイヤーが少ない、これは絶対にenechainでやるべきだと自分を説得することができましたね。
三澤:私は長い間エネルギー電力業界にいて、シンガポールでずっと仕事をしていたのですが、シンガポール駐在時に丸紅の同僚が先に初期のenechainに入社した時は、「本当に大丈夫なの?やろうとしてることってそんな簡単じゃないよ?」って思ったんですけど、2年前に日本に帰ってきたら、浦島太郎じゃないですけど、enechainがぐいぐい業界に入りこんでいて驚きました。私たちがつくろうとしているマーケットや事業に共感して「enechainが好きだから」と期待して応援してくださるお客様が多いのも有難いですよね。それはとても嬉しく、やりがいを感じていますね。
鈴木:私はenechainが2社目なので、 初めての転職でスタートアップということで、大丈夫かなって思うところがあったのですが 、地に足着いた大人のスタートアップだなと入社してみても思います。働き方については、個人の裁量が大きくメリハリもつけられる環境です。私は去年一年間育休を取り、復帰したばかりで、一年間育休を取ったのは私が初めてでした。スタートアップで、マネジャー職なのにいいのかなという想いもあったのですが、快く承認していただいて、皆さんが家族のように喜んでくれたことがとても嬉しかったです。お子さんがいる社員も多く、今も小さい子供がいることを理解してもらいながら、仕事をさせてもらっています。
対談イベントのまとめは以上です。いかがでしたでしょうか?
少しでも興味を持ってくださった方がいれば嬉しいです。enechainのミッション実現のためにはまだまだ仲間が足りていません。一緒にこのどでかいマーケットを創ることに興味を持ってくださる方、まずはカジュアルに面談でもOKですので、ぜひご連絡ください!