
アドビへの要望 2022
アプリがどんどん進化したり、使えるフォントが増えたり、Adobe Stockを契約していなくても使える無料素材が増えたり、追加費用なしに使えるモバイルアプリが増えたりなど、嬉しいことがたくさんある一方、Creative Cloud全体でのユーザー体験において、細かいところで残念に思うところがあるんです。
こういう内容を進言する窓口がない、というか、みんな思っていてもあきらめているみたいなんで、改めて記事にしてみました。
アプリがどんどん進化したり、使えるフォントが増えたり、iPadで使えるアプリが増えたりなど、嬉しいことがたくさんある一方、Creative Cloud全体でのユーザー体験において、細かいところで残念に思うところがあるんです。
— DTP Transit (@DTP_Transit) February 8, 2022
→ アドビへの要望をまとめてみました。https://t.co/rnDN4476vv
(続)
声が大きくなると何か変わるかもしれませんので、ぜひ、賛同されるものがあれば、Twitterの方にてリアクションをお願いします!
バージョン、アップデート関連
呼び方のダブルスタンダードをやめて欲しい(せめて両方併記して!)
CCDA(Creative Cloudデスクトップ)や、その他もろもろ西暦表記されることもあればバージョン番号で表示されることもあります。

現在、「直近の2バージョンまで」というルールになったものの、新バージョンが出る10-11月あたりだと、「Illustratorだと 2022が26ね」と脳内での変換が必要です。
開発者:日々、バージョン番号に触れているため「26.0.3」のような番号で意識している
ユーザー:「Illustrator 2022を使っている」という意識
優先すべきはユーザーの意識です。とてもとても不親切な慣習ですので、どちらかに統一、または、常に両方を記載して欲しいです。
たとえば、こちらには次のように記載されています。
2021年26.0月リリース(バージョン1.0)

正しくは「2021年10月リリース(バージョン26.0)」です。
自分たちで管理できないものは、ユーザーも困ります。
macOSのバージョンのダブルスタンダード問題も同様に困っています。
名称のダブルスタンダード問題、どちらかに統一するか、常に併記して欲しい…
— DTP Transit (@DTP_Transit) October 21, 2021
《macOS》
・macOS Mojave(10.14)
・macOS Catalina(10.15)
・macOS Big Sur(11)
・macOS Monterey(12)
《Creative Cloud》
・Illustrator 2021(25)
・Photoshop 2021(22)
・InDesign 2021(16) pic.twitter.com/ogMpHtm1ac
備考:2022年に変更されたバージョン表記
これまで長らく「小数点第1位の数字が増えるとき(ドットリリース)は機能強化、小数点第2位はバグフィックス」というルールでした。
Photoshopは23.1から、InDesignは17.1から、このルールが変更されています。これは…わかりにくい。従来のルールの方が明確でした。
アップデート時の挙動(アプリ終了まで面倒見て欲しい)
CCDA(Creative Cloudデスクトップ)で[アップデート]ボタンをクリックすると「競合」というダイアログボックスが開き、[続行]をクリックすることを促されます。

次の手順を踏む必要があります。
自分でアプリケーションに切り替え、
自分でアプリケーションを終了し、
自分でCCDAに戻り、
[続行]ボタンをクリックする
多くのアプリケーションでは、ここでアプリケーションに切り替わり、開いているファイルがあれば「閉じますか?」を聞かれ、アップデートを作業を続行します。これに慣れているユーザー(私を含む)は[続行]ボタンを連打して途方に暮れるんです…
毎日行う作業ではありませんが、アドビのアップデート作業はちょっと面倒です。
追記(2022年11月18日)
[後でアップデート]というアップデート方法が追加されました。
アプリケーションを閉じずにアップデーターをダウンロードし、アプリケーションを閉じたタイミングでアップデートするというものです。

アプリケーションの終了は自分で行う必要がありますので、あまり変わらないかな〜
英語のページに飛ばすのをやめて欲しい
「お!、アップデート来てる!!」と[詳細を表示]をクリックすると、たいてい英語のページにリンクされます。
年末年始ならともかく、アップデータを公開するタイミングで、日本語ページをご用意いただけませんか?

インターフェイス関連
XYWHのUIを揃えて欲しい
「XYWH」(座標と幅/高さ)がアプリによって異なります。
近年、アプリを縦断して仕事をすることが多いのですが、目視で確認するまでもなく、「左上はX」のように決めるのがスマートです。同じ会社のアプリですので。

昔から伝え続けているのですが…
#Illustrator #Photoshop #XD #UI
— DTP Transit (@DTP_Transit) May 10, 2017
Illustrator、InDesign、Photoshop、XDの「XYWH」(座標と幅/高さ)の表示、なんとかならないものか|DTP Transit https://t.co/xTMQYb9cQg pic.twitter.com/vok4LgTRrq
PhotoshopのみXDと同様に変更されています。

ツールのアイコン類も、もうちょっと揃えてもよさそうです(この図版は2018年に作成したもので、現状、少し変更されています)。

仕様変更は慎重に行って欲しいです…
Illustratorの[リンク]パネル、ずーと「埋め込みはアイコンあり、リンクはアイコンなし」だったのですが、2021年10月に逆になりました。
いろいろな思惑があってとのことと思いますが、Illustratorを使って仕事をする以上、日々、目を光らせる必要がある箇所。4ヶ月経ちましたが、いまだに慣れず「アレっ!!?」とドキッとすることがあります。
Illustrator 2022(2021年10月リリース)から[リンク]パネル内のアイコン(バッジ)が大きく変わっています。
— DTP Transit (@DTP_Transit) October 30, 2021
・埋め込み:アイコン「あり」から「なし」に
・リンク:アイコン「なし」から「あり」に
・クラウド:別の列に
慣れるのに時間がかかりそう…#イラレの基本 pic.twitter.com/oGUl9RjzJG
重要な変更なので、広く周知されるべきだと思うんですが、「Illustratorの新機能」のページでは触れられていませんし、

[新機能の概要はこちらから]をクリックして開く、特設ページでも紹介されていません…

オンラインレビューのUIを統一して欲しい
ここ数年のアドビはオンラインレビュー推し。レビューされたコメントは各アプリ内の[コメント]パネルなどで確認できるという流れです。
ところが、それぞれのUI(ツール名、アイコン、順番、ツールの種類)などが少しずつ異なります。
その結果、たとえば「この文字を〜に変更」とレビューする場合、Aさんは取り消し線を引いてコメントで指定、Bさんは[テキストを置換]で指定のようにレビューの記入方法が異なってしまいます。
揃えませんか?
ここ最近のアドビ製品はオンラインレビューに力を入れています。
— DTP Transit (@DTP_Transit) November 20, 2020
Acrobat(Document Cloud)、InDesign、XD、Creative Cloud webでのレビュー用のUIについてまとめてみました。 pic.twitter.com/DoM9Vnu21H
アクセシビリティに気を配って欲しい
まず、XD。どのツールを選択しているか、正直わからないです…
UIを制作するツールがこれでいいのか…

タブがわかりにくいです
選択されているタブ(次の図版では「囲み罫」)の背景色が暗くなり、青い文字になっていますが、特にダークモードでは選択されていない方が目立ちます。
グレースケールにしてみると一目瞭然ですが、「暗い色+青い文字」はコントラストも弱いです。

Illustratorのステータスバーの数字類が見切れています…
自分の場合、ストレスが貯まるので、もうここは見ないことにしていますが、ちょっと悲しい…

[選択ツール]と[ダイレクト選択ツール]のダークモードの形状はこれでよいのでしょうか?
最初からダークモード、常にダークモードであればよいのかもですが、そうもいかず、特に教育現場では混乱する方が多いです。
白黒反転してみると一目瞭然です。

ローカライズ
オンラインヘルプの画像もローカライズして欲しい(日本語にして欲しい)
オンラインヘルプはユーザーにとっての“よりどころ”。これを頼りにしているユーザーが多いのですが、いかんせん、画像がローカライズされていないことが多いんです。
コントロールパネルの「環境設定」ボタンをクリックします。
とありますが、画像内では[Preferences]。
「赤枠がついているから、わかるでしょ!!!」では困るユーザーがいます。

https://helpx.adobe.com/jp/illustrator/using/setting-preferences.html
アドビ語…
翻訳の精度を挙げて欲しいです。
Illustratorのリフレクトと反転、なにが違うの?一緒じゃないの??となっているところ。https://t.co/AXqvWAsggB pic.twitter.com/kIfnKJDQA7
— hamko (@hamko1114) February 21, 2022
たまに乱暴です…
「入らないから…」は理解できるのですが、さすがに「オブ…」「マテ…」はちょっと乱暴だと思います。

そもそも問題として、日本語はひとまわり大きいわけですが、このあたりを吸収できるようなフォントが必要だと考えます。
サイト関連
契約していることを覚えていて欲しい
「Creative Cloudコンプリートプラン」を契約しているアカウントでブラウザーにログインしているにもかかわらず、[購入する]や[無料で始める]というリンクが出現します。

右上に自分の顔が見えていますし、[ダウンロード]というボタンが表示されていますので、ログインしているユーザーが契約していることは理解されているようです。
その場合には、[購入する]や[無料で始める]は不要なんですよー!
ほかのページでも出てきます。

さらに、次のようなセールのバナー広告がよく表示されます。
「長く契約しているから割引しますよ」じゃなくて、「最大32%OFF」や「新規に契約すると40%OFF!!」などの広告は不要ですし、正直見たいものではありません。

加えて、自分は学生ではないので「学割」のバナーが出るのは広告のターゲット設定がユルすぎます。

「ログインし直し」が多いです…
さっきもログインしたんだけど、「また?」って感じでログインし直すのが面倒です。特にAdobe Fonts。たいてい、ログインし直す必要があります。

「数年ごとにURLを一新して、一切リダイレクトしない」という風習をやめて欲しい
日本のサポートコミュニティも活発になっていますが、USでのサポートコミュニティで調べものをしていて、これかな!?というリンクをクリックすると…

「ないよ!」でもなく、サポートコミュニティのトップページが表示されます。

聞いたところによると、使用されているCMS(ウェブページのコンテンツ管理システム)を数年おきにリプレースする際、リダイレクト処理をされないようなのです。つまり、旧URLから新URLへの転送処理が行われないため、リンク切れしてしまうんですね…
サポートコミュニティでの発言
ブログ記事
その他、もろもろ
「コンテンツは資産」であり、ユーザーにとって問題解決の助けとなるものです。
URLの生成ルールは決まっているため、「こういうルールで転送する」と1行書けば済むハズなんのですが…
契約関連
ルールを変更したら、せめて「お知らせ」が欲しいです!
Creative Cloudは当初、次のようなルールでした。
「どのバージョンも出し入れ可能」としてCS6以降のすべてのバージョンを自由にインストール/アンインストールすることができる
営利企業ですので、何かと事情がおありのことがあります。しかし、せめて「お知らせ」のメールひとつ送ってくださってもよいのでは!!と思うんです。
契約していますので「セールのお知らせ」メールは不要なんです。

スマートなサブスクを
Netflixの休眠ユーザーへの施策が話題になりました。
動画配信サービス『Netflix』が休眠ユーザーに「継続の意思表示」を求め、「継続の意思表示」がなければ「自動解約」するといったものがありました。
一方、アドビは…(皆まで言うな…)
Adobeのひどいダークパターン。Adobe Creative Cloudの「7日間無料トライアル」に申し込むと、自動的に年間契約の開始に同意したことになる。しかもキャンセル料は年間利用料の半額 (約2万円強)。この注意書きは最小のフォントで書かれており、しかもスクロールバーが見えないようなUIになっている。 https://t.co/2yOlVRj2Iy
— 新山祐介 (Yusuke Shinyama) (@mootastic) February 6, 2022
アドビユーザーとして、このような噂を聞くのは喜ばしいものではありません。憧れのブランドでいて欲しいです。
GIGAZINEでも記事になっていました。
Acrobat/PDF関連
PDFからのテキストのコピー
(Acrobatにて)PDFからテキストを(普通に)コピーしたいです!
文字化けすることも多く…
最近見かけたこのツイート。
「1,922件のリツイート、108件の引用ツイート、1.1万件のいいね」と、多くの方のペーソスを刺激しています。
P DF から コピ ペしたレポー ト。
— George (@Love_yellowhat) February 3, 2022
セキュリティの設定でコピー&ペースト不可のときにはあきらめます。
「PDFは修正可能」というダブルスタンダードなメッセージの発信を止めて欲しい
たとえば、こちらのツイートやバナー広告で、「PDFは修正可能、簡単です」というメッセージを発信されています。
\PDFをもっときれいに、わかりやすく/
— アドビ クリエイティブ クラウド (@creativecloudjp) November 13, 2019
AcrobatならPDF内の文字やレイアウト修正も簡単。画像はPhotoshopで開いて編集も!第一線のクリエイターが活用術をご紹介。
ビジネス向けであればOKとしても印刷向けのデータでは絶対に避けるべき悪手です。
『PDFを修正する』は悪手です。
— モリオ (@moriwaty) September 6, 2021
DTP現場にそのような指示をするのはめちゃめちゃコスパが悪いです。
印刷営業やクライアント様に直結するの皆様方におかれましては、意地でも元の「生データ」を手に入れられますよう強く求める次第です。
上記のツイートですと、次のような引用ツイートがついています。
こういう宣伝は、本当に誤解を招く恐れがあるのでやめて欲しいです。
— 社員「C」 (@Shine_C3) November 21, 2019
昨日も、印刷のプロから、渡してるPDFで修正してって言われましたし。 https://t.co/m0ZbrtYZzL
マジでやめてくれないかなぁ。。あどべさん。。PDFは編集しないっていうものじゃないのかなぁ。。 https://t.co/EoXybtAZdA
— rocke@WEBぷろぐらむ (@rockenota) March 12, 2020
最終PDFは編集しちゃダメ。
— ぬこ也@デネブ・ローブ勢 (@NUKO_GOD) March 17, 2020
最終のネイティブデータを編集して。そこからPDFを作って。
お願い。(^人^) https://t.co/5a7bQXPVXW
困るのは現場なんです…
クラウド関連
環境設定をクラウドで同期したい
実はCreative Cloudが導入された頃(2013年)には環境設定をクラウドで同期する機能がありました。
ところが、CC 2015の11月アップデートにて廃止されてしまいました。なんでも「使っている人が少ないから」が理由という噂。
2台のPCを同期したり、PCを入れ替えたりするとき、環境設定をクラウドで同期できるのが理想です。

CCライブラリの自動更新は深刻なトラブルにつながる可能性があります
次のようなシナリオがありますが、出るべき更新アラートが出ません。これは非常に深刻なトラブルにつながる仕様です。
「AさんがIllustratorでロゴを作成し、CCライブラリ経由でBさんに渡す」
「BさんがInDesignに配置」
「AさんがCCライブラリ上のロゴを修正」
「次にInDesignを開くと、自動的にロゴの修正が反映される」
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