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ADHDを生き抜くための習慣12選

ADHD当事者である私が生産性を向上させ、人生を豊かにするために意識している習慣をお伝えします。抽象論なので各自のケースに当てはめてご使用ください。粒度はバラバラです。

紙に書いて考える

メモリーが少ないのでアウトプットする際は思考の軌跡を書き出したほうがいいです。その際にはパソコンやスマホではなく紙を使用します。紙とペンはここ数千年、人類の思考ツールとして頭を張ってきました。キーボードやフリック入力では直感性に欠けます。媒体に思考が規定されてしまうのです。
最終的なアウトプットがワードであれパワポであれ、構成は紙で練ったほうが結果的に早く質の良いアウトプットを出せます。

頭で理解する

インプットする際はいきなりノートを取るのではなく、まず頭の中で理解しようと努めます。既存の知識体系のどこに位置付けるのか、頭の中にマップを描くイメージです。まず脳内のどの引き出しにしまうかあたりをつけた後に、必要であれば紙に書き出して理解を深めます。原則は、アウトプットは紙で、インプットは頭で、です。

TODOリストをやりたいことリストにしない

TODOリストは常に(追加量)<(完了量)を保つべきです。追加量の方が多いとリストは膨張し、結局永遠に完了されないTODOの墓場になります。
運用の要は「やりたいことを追加しない」ことです。つまり、追加するのは「やらないと本当にまずいことになる」ものに絞ります。「あ、これもやっておいた方がいいかも」みたいな思いつきで追加するのは厳禁です。今すぐやるか、忘却して永遠にやらないかの2択です。

いますぐやる

「2分以内に終わるなら今すぐやる、それ以上かかるものはTODO化する」とよく言われますが甘いです。とにかく今すぐ取り掛かります。先延ばしにして意識のリソースを割き続けるコストは果てしないです。TODOにするのは物理的制約があったり他の人の対応を待っていたりして自分ではどうしようもできない場合のみです。

仕組みで解決する

意思の力に期待するのは愚の骨頂です。そんな不安定なものに頼っていては明日は保証されません。仕組みで構造的に解決できないかまず考えます。生活をプログラムのように自動化するのです。
アプリやサービスで仕組みを整えるのがおすすめです。

ルール化する

仕組み化の一つ。判断に迷う状況は認知負荷が高いので、「こういう状況ではこうする」というルールをあらかじめ決めておきます。「帰宅したら5分片付ける」「昼食後にメールボックスを空にする」など、シンプルなルールなら守れます。ただし、覚えられる範囲で作りましょう。紙に書いて貼ったりする必要はありません。忘れたルールは必要なかったということです。目的はあくまで生活を楽にすることです。

脳をバグらせる

今すぐ取り掛かるにもどうしてもめんどくさいと思います。脳にいったん別の処理をさせてめんどくさいと感じる回路を遮断します。具体的には「あーーー」と声を出しながら着手する、BGMを爆音で聴くなど。声を出す、音楽を聴くというあえて無駄な処理をさせることで「めんどくさい」という感情を遮断します。

戦略は途中で立てる

初めからうまくやろうとすると大抵つまずきます。「えー、ゴールがここだから、そのためにやるべきことをリストアップして、優先順位をつけて、期間を見積もって…」と最初からできるのは慣れたルーチンワークのみです。まず手を動かしてみて、感覚的に全体像がつかめたタイミングで戦略を策定します。戦略を立てるためにいったん作業してみるのです。

優先順位をつける

大抵のことはやらないよりやった方がいいのは当然ですが、「今最もやるべきことなのか」は常に自問自答する必要があります。意外と本当に今するべきことというのは少ないものです。

なるべくシンプルにする

ADHDで人生がうまくいっている人は例外なくシンプルなものを好みます。持ち物もシンプル、仕事のやり方や使う道具まで何もかもシンプルです。「快適な人生」のために複雑なシステムやルールを作るのは趣味の範囲であり、大抵は運用コスト(思い出したり探したりする時間)が上回って赤字人生になります。常に意識するべきは「もっと単純にできないか」です。

ツールにこだわりすぎない

生産性向上のためのツールやアプリを探し求めることに時間を使いすぎてはいけません。あなたに究極フィットする完璧なツールは存在しません。新しいツールを導入するたびに学習コストが発生します。今使っているツールで8割くらい満足してるなら、それで十分です。慣れた道具を使い続ける方が生産性は上がります。ツールはあくまでも手段です。
私は新しいツールがあればすぐ課金して使ってみますがそれは趣味だと割り切ってますし、大抵は移行せずに解約します。
私は全てをAppleの標準メモで管理しており、非常に快適です。正解に辿り着いたと感じています。やはりシンプルが一番なのです。

全体最適を考える

ADHDは過集中で個別のタスクに没入しがちですが、重要なのは全体の完成度です。一つのタスクを完璧にこなすことより、全体として前に進むことを意識します。例えば、メールの返信を完璧に書くより、とりあえず全部に返すことを優先する。完璧を目指して疲弊するより、許容できる範囲で手を抜いて全体を回す方が結果的に生産性は上がります。100点を1つ出す時間で70点を5つ出せます。言うまでもなく後者の方が優良です。

フォーマットを作っておく

アウトプットの型のことです。あらかじめフォーマットを用意しておくと効率が上がります。
まず既存のフォーマットがないか探します。なければ自分で作成します。シンプルで使い回しやすいものがいいです。
メールの定型文、会議の議事録、プレゼンスライドなど、ゼロから考えなくても済むようにします。

フローを作っておく

フォーマットが成果物の型なら、フローは過程の型です。手順を明確にして判断リソースを節約します。例えば朝の準備は「服を脱ぐ→シャワー→髪を乾かす→歯磨き→持ち物を用意→外に出る」と決めておく。これで服を脱げば自動的に外に出られるプログラムの完成です。
このnoteも「テーマ決定→紙で構造を考える→リサーチ→項目ごとに過集中執筆」というフローで完成しています。
フローが決まっていれば、その都度何をすべきか考える必要がなく、自然と次のステップに移れます。
ただし、細かすぎるフローは覚えられないので、大まかな流れだけでOKです。重要なのは迷う時間を減らすことです。

持ち物は必要最低限にする

「シンプルにする」ことの中でも特にインパクトが大きいので取り上げます。
物が多いと管理コストが生じます。持ち物は「本当に必要なもの」だけに絞り込みます。
「あったら便利かも」程度のものは持たないようにします。大抵のものはあったら便利ですが、
それを所有する目的をしっかり説明できるようにしましょう。

時間制限をかける

時間を区切らないと、ADHDの特性上完璧を求めすぎたり脱線したりして効率が下がります。
「30分でここまで終わらせる」など、あらかじめ時間制限を設定します。制限時間内に終わらなかったら体に巻き付いたダイナマイトが爆発すると自己暗示してください。
仕事や勉強でも有効ですが、日常生活でもおすすめです。
「なんか部屋汚いな」と思ったら5分だけ、と時間を決めて片付けてください。かなり片付きます。

適切に服薬する

薬物療法も選択肢として持っておくべきだと思います。脳内物質の濃度を直接変えるわけですから強力です。ただ副作用はもちろんありますし、犠牲にするものもあります。メリットとデメリットを考慮して自分で判断する必要があります。工夫では解決できない問題もありますから。私は薬がないと一生寝てて死んでるようなもんですからまあ多少寿命が縮んだり副作用で活動が制限されても、普通に生活できるメリットの方が上回ると判断して服薬を続けています。
ただ、強力な選択肢ではありますが万能な解決策ではありません。生活の工夫や改善の意思は依然として必要です。
まずは試してみてください

戦略的に自己目的化させる

ADHDはやりたいことには異常な集中力を発揮できますが、やらなければならないことを継続するのは苦手です。そこで、「やらなければならないこと」に過集中できるような、偽のゴールを作ることは有効です。
普遍的な偽のゴールは「全力を出すこと」です。真の目的がなんであれ、「今日全力を出し切って泥のように眠ること」を自己目的化して、過集中して手を動かしまくることでやるべきことを完了させます。適切に倒錯した目標は、成果量を最大化させます。

メタな自分を用意する

自分を指揮者と実行者に分離します。過集中で没頭する自分を上から眺める自分を用意するわけです。
「いい調子だなー」「それはちょっと衝動的だな」「今日はやる気ないな。どうした?」
とまるで別人のように実況することで、メンタルを思考本体から分離して対象化します。
イメージとしては、イルカショーの飼育員とイルカでしょうか。「イルカの自分」のパフォーマンスを最大化させるための「飼育員の自分」を用意しましょう。

徹底的に言語化する

「考えるな、感じろ」と言いますがADHDは感じすぎて脳がショートしているので意識的に考えた方がいいです。
メンタル不調の多くは、頭の中がモヤモヤとしていて整理できない状態から始まります。そこで、感情や状況を言葉にして世界を整頓することが大切です。
例えば「なんかイライラする」を「締め切りが近いことへの不安」と具体化する。「やる気が出ない」を「この間の失敗が気になって集中できない」と具体化する。「なぜそうなっているんだろう」と自問自答を繰り返すことで世界の解像度を上げるのです。
感情だけでなく、作業の進め方や困りごとも言葉にすると、解決への糸口が見つかりやすくなります。とにかくなんでも言葉にしましょう。メモに残しておけば再び同じことで悩むこともなくなります。
私はiPhoneのメモに「言語化」フォルダを作ってそこに放り込んでいます。


終わりに

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