死後の処理はものすごく大変(ソフトバンクの場合)

思いがけない請求書の内容を把握するまで

父が亡くなって2か月半が経った。だが実家に帰るたびに、未だに事務処理の山である。銀行口座をそろそろ閉じようかと記帳に行ったが、そこで真っ青になった!水道やガスは手続きに二か月はかかるとわかっているのでまだ振替があっても驚かない。きっと来月には消えるだろう。だが、ゾンビが現れた。ソフトバンクから6000円近い引落しがある!なんで??解約に行ったのは9月初めだ?その時は、解約手数料とか全くかからないのでこれで終わりって言ってたぞ。で、実際、9月は全く請求なかったし。お父さん、もしかして天国(か地獄?)から誰かに電話かけまくってる??これまでは毎月3000円から高くても4500円くらいの請求だった。なんでこんなに急に高いの?それも9月はゼロだったのに、突然10月だけ???

マイページも消えているので確認のしようがない。解約手続きをした店舗に向かう。ここでは、サポートセンターの電話番号を渡された。ここでしかわからないので聞いてくれという。やむなく、そこへ電話をかけた。自動音声で延々と個人情報を聞かれる。ま、音声入力はキーインよりまだましだ、と自分を宥めつつ長時間、オペレーターにつながるのを待つ。だがこの日のオペレーターは、「店舗のスタッフからこのサポートセンターに電話して」という。うーむ、さっき、追い返されたばかりなのになあ。止むを得ずさきほどの店舗に電話し予約を取る。明らかにイヤそうだ。時間かかるものね。

翌日、予約の時間に店舗へ行き、事情を話す。オペレーターにつながるところまでは、時間かかるから私やるね、と電話を始める。もう何回も繰り返しているから、慣れたものだ。で、今回のオペレーターさんにもう少し深い情報を伝えて契約を確認してもらう。「あの、お客様、この携帯番号のご契約履歴はなさそうですが」?????そんなバカな。。。。「もしかして、お客様は、Y-mobileのご契約では?」へっ????契約書にはソフトバンクとしか出ていないし、請求もソフトバンクからだよね??「でもそういうこともありますので。確認のためにY-Mobileの電話をお伝えします。かけてみてください」

そんなあ。契約主体が全くの幽霊だったってこと???結婚した相手が実は別人だった??ゾンビよりこわい。。。で、教わった電話にかけてみる。聞かれ方はソフトバンクと全く一緒。慣れたので音声認識はすいすい進む。だが今回はオペレーターが手強かった。「ご契約者様の確認のため、秘密の緊急連絡先をお知らせください。」へ???それって、秘密の質問みたいなもの?聞いてないぞ。。。例えば私の固定電話?携帯?会社の固定電話?思い付く限りの電話番号を伝えたが、違う!という。ふと思いついて、父の家の固定電話を伝えてみた。これらしい!緊急連絡先って自宅の電話なの??一瞬で力が抜けた。

「はい、ご契約がありました」見つかった~。このおやじさんの契約って、外からは全くわからないが、ワイモバだったんだ!!!本人は全く認識していなかった。。なんだかフランス料理店で食事していると思い込んでいたのに、実は居酒屋で飲んでいたって言われた気分。。。契約主体を知らずに父は携帯を使っていたことになる。私にはソフトバンクの携帯、としか言ったことがなかったし。で、ようやく、ようやく聞きたかった請求金額の内容を聞くことができた。

「これは、8月分のご請求と9月分のご請求金額の合計です」へ????なぜ8月分は9月末に請求がなかったのですか?「3千円以下のときは翌月にまとめてご請求しております」「それ、契約書のどこかに書いてありますか?」「ないと思います」わかるわけないじゃんか!8月もほとんど父は携帯を使える状態ではなかったし、9月はもう死んでいるのでもちろん使ってない。ほぼ未使用だが、契約解除に行ったのが9月なので日割りもなく、一か月分の請求が来たわけだ。それも2か月後に二か月まとめて!
ま、使っていなくとも基本料金がかかるようなものだと思えば、理解はできる。だが、ここまで説明してもらわないと、なぜ死んだ人の携帯料金がいつもより高額でかつ二か月後に来るのか、全くわからないだろう。

なぜこのようなことが起こったか

この回答にたどり着くまで、みっちり二日間、かかった。説明を聞けばなんとか納得できたが、わかるまでの気持ち悪さといったらなかった。解約後の請求額は、企業には郵送されるという。マイページやメールでの確認手段も持たない遺族にも、希望があれば請求内容をメールや郵送で確認できる方法を残すべきだろう。ま、来月にはもうこの請求は来ないだろうから、やっと銀行口座の解約はできるが、今回は時間切れになってしまった。来月の来福でなんとかしよう。あ~疲れた!!!!

死後の処理は、ネットで出来ないことがたくさんある。電話でしかアクセスできない情報も大量にある。高齢者にとっては、電話の案内に従って必要な番号を入力していくこと、ショートメッセージに送られたURLにアクセスして契約行為を行うことは、あまりUDとは言えない気がする。私も苦手だ。請求書もないので、内容を確認することは至難の業だ。今回のようなケースだと、たぶん一般の人は途中で諦めるだろう。シニアならなおさらだ。

そもそも、死んだ人の銀行口座が3か月も経てば凍結されているか、消えているかもしれない。ソフトバンク、いやY-mobileは、とりっぱぐれる心配をしていないのだろうか?解約時には、支払い義務が数か月後に発生するとは聞いていなかったので私の銀行口座も聞かれなかった。移管の手続きもないのだ。これは多死社会ではまずい処理ではないのだろうか?今回のように、たまたま銀行口座が残っていた場合だけ、ラッキー!と振り替えるのだろうか?
なんとなく、ソフトバンク全体に対するイメージが変わってしまった気がする。死人の口座から、請求書もなしにお金を持って行くようなものだ。なんだか墓泥棒を連想してしまう。せめて、遺族が請求書にアクセスできるよう方法を考えてほしい。意味のわからない請求書は、ひたすら気持ち悪いのだから。改善策を考えてみた。

改善策を考えてみた

①ソフトバンクかY-mobileか、どっちでもいいけど、困ったときの連絡先は明示してほしい。つながればまだ救われる。せめて契約書にロゴがほしい。②多死社会においては、遺族がWebやメールなど何らかの方法で、請求書の内容にアクセスできる方法を確保してほしい。払いたくないというのではなく、内容が明確でない請求が気持ち悪いだけなのだ。遺族が望む情報を教えてほしい。
③3千円以下だったら翌月払いという条件があるのならそれを契約書に明記してほしい。また今回のように、契約者が死んだらその条件に合致する場合が多いのだから(全く使わない二か月だった)、解約のときに次回の請求はかなり高くなりますよと確認してほしい。(今回は請求があることすら聞いていなかった!解約契約書にあった数字の意味や、それを合計することなど誰も考えないだろう。合計も違うし)
④遺族は、死んだ人の契約内容を詳細には把握していないこともある。パスワードや秘密の質問に近いようなことを要求するのは酷である。法務局が認定した法定相続情報やマイナンバー情報であればどれだけでも提供するので、何年も前の本人しか知らないような情報を遺族に聞くのはやめてほしい。同居していない家族にとっては、非常な苦痛である。
⑤今後の多死社会に向けて、携帯電話会社も、これから多くの遺族対応が出てくるのは必至である。店舗やサービスセンターのワークロード削減やCS向上のためにも、対応プロセスの見直しが求められる。
⑥亡くなった方は、企業にとって、死ぬまでご利用いただいたロイヤルカスタマーである。その人々への感謝をこめて、遺族に対応して頂けると遺族側のロイヤリティも上がるだろう。世代を超えた顧客対応として検討して頂きたいと思う。

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