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2022年おすすめ新譜アルバムVol. 25: Vince Staples「RAMONA PARK BROKE MY HEART」

新譜アルバム紹介Vol. 25です。

今回紹介するのは、西海岸のラッパーのVince Staplesがリリースした「RAMONA PARK BROKE MY HEART」です。

ジャケ

Vince Staplesは西海岸出身のラッパーです。

2000年代後半に登場。Earl Sweatshirt作品への参加などを経て、2011年には初のミックステープ「Shyne Coldchain Vol. 1」を発表します。2013年にはMac Millerの別名義のLarry Fishermanとのタッグ作「Stolen Youth」を発表し、その後も2014年のミックステープ「Shyne Coldchain II」やEP「Hell Can Wait」と精力的に作品をリリース。2015年には1stアルバム「Summertime '06」をリリースし、以降も2017年のアルバム「Big Fish Theory」など多くの作品をリリースしています。

高めの声質でヌルリとしたクールなラップを聴かせるラッパーです。ビート選びはクラウドラップやブーンバップ、エレクトロやインディロックなど多彩な要素を吸収したエッジーなものが中心。ヒップホップを熱心に聴くリスナー以外にもファンの多いアーティストです。

今作はクロスオーバー志向は控えめで、Gファンクの要素もあるメロウで穏やかな質感の作品です。これまでのファンの方はもちろん、Dom Kennedyあたりが好きな方も是非。


2. AYE! (FREE THE HOMIES)

現行ウェッサイ定番の「Boyz-N-The-Hood」ドラム使い。

ブリブリのシンセベースやメロウなエレピが心地良いGファンクです。Vince Staplesのクールなラップも自然に溶け込んでいます。


3. DJ QUIK

タイトル通りDJ Quikの名曲をサンプリング・引用した曲。

DJ Dahiも関わったメロウで哀愁漂うビートに、落ち着いたラップで乗り込む良曲です。G好きの方なら思わずニヤリとするはず。


4. MAGIC with Mustard

Mustad印のラチェット路線。

フックでは例の高音シンセ(キーボードはCory Henryが担当!)も入ってくるスムースな曲です。Vince Staplesの歌心あるラップもばっちり。


6. WHEN SPARKS FLY

Lyves「No Love」をサンプリングしたメロディアスで穏やかなブーンバップ。

ピッチを落としたヴォーカルのサンプリングに太いドラムを合わせ、西海岸らしいクールネスたっぷりに仕上げた好曲です。フックでの美しい歌声が沁みます。


7. EAST POINT PRAYER with Lil Baby

Kenny BeatsとReskeのプロデュース。

ノスタルジックな声ネタに、重厚なシンセやトラップ系のドラムが絡む哀愁曲です。Lil Babyの歌心とキレのあるラップも好相性。ヴォコーダーの使い方が絶妙です。


9. PAPERCUTS

DJ Dahiも制作に関わったクールな曲。

淡々としたギターや美しい歌声、手数の多い808が効いた哀愁漂うメロウです。フックでは例の高音シンセも。


10. LEMONADE with Ty Dolla $ign

Ty Dolla  $ignのスムースな歌声にも悶絶必至のメロウ。

「Boyz-N-The-Hood」ドラムやSuga Freeのネームドロップ、The Dove Shackの某曲を思わせるフレーズなどウェッサイ好きにはたまらない要素が次々と飛び出す曲です。今作のハイライトの一つ。


12. MAMA’S BOY

少し南部Gっぽい匂いもする曲。

優しくメロウなシンセや艶やかなベース、そして低速化された声ネタを巧みに使った佳曲です。クールでいてキレのあるラップも見事。


13. BANG THAT with Mustard

Johnny JulianoとCardoも関わった哀愁メロウ。

切ないピアノにボコボコした低音が絡むビートで、歌心も覗かせた寂しげなラップを聴かせる良曲です。アウトロでの歌声も印象的。

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