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三大ネット証券で買える! 中国株ETFと指数まとめ

 こんにちは、投資カピバラ(@Capybara_Stock)と申します。
 今回のnoteでは、主に三大ネット証券で購入可能な中国株ETFについて、その採用指数や組入れ銘柄を調べてみた記事になります。
 (利用者の多い『楽天証券』『SBI証券』『マネックス証券』が調査対象)

本記事は全編無料でお読みいただけます。
もし本記事に価値を感じてくださった方がおられましたら
投げ銭をいただけますと大変嬉しいです。

 昨年秋以降、一部の投資家の間で中国株(+新興国株)への投資が話題になってきています。特に今まで話題になり易かったアリババやテンセントといった米国ADR上場銘柄だけでなく、上海・深センといった中国本土や香港市場への上場銘柄に注目が集まっています。

 その一方で中国企業の個別株投資を検討するにあたっては、米国企業に比べ情報源が限られていたり中国政府の動向が重要になってきたりとハードルが高く、そもそもどんな企業があるのかイメージつかない!と言う方も多いのではないでしょうか。

 本記事を読まれている方の多くは米国株への投資をされている方が大半だと思いますが、思い返せば私が初めて米国株投資に触れた際も、ダウ指数やS&P500指数の組入れ銘柄から調べ、そこから徐々に小型グロース株にシフトしてきたと記憶しています。
 一方で、中国市場における代表的な指数やそれに連動するETF、主要な組み入れ銘柄がパッと出てくる方は少ないのではないでしょうか?
 中国市場の代表的な指数や銘柄を知ることで全体像を掴むことができるという意味でも、まずはETFでベース固めをすることをお勧めいたします。

 私が普段お世話になっているFANGMAN&T丸さん始め、相場歴の長い方々もETFの活用を推奨されています。

 先にお断りしておくと、上記スレで上がっているクリエネやバイオなどのテーマ系ETFは『楽天証券』『SBI証券』『マネックス証券』では取り扱いがかなり少なく、今回ご紹介するETFはインデックス系が中心となります。
 サクソバンクなどでは買い付けできる場合もあると思いますので、最後にまとめてご紹介しますね。

 本記事では
「中国株にはどんな種類があるの?」から始まり、
「同じ指数のETFに投資するならどれがおすすめ?」といった内容まで、
 中国株に馴染みのない方でもわかりやすいよう、図やデータを用いてわかりやすく解説・分析していきます。

それではよろしくお願いいたします。

1. 中国・香港の株式市場の概要

 まず中国・香港の株式市場の概要について。こちらは既に多くの発信者の方の記事や各証券会社の解説ページで説明しつくされている内容ですので、要点だけ。(楽天証券の解説ページより)

 中国の株式市場は「上海市場」「深セン市場」「香港市場」の3つに分かれており、各市場の中でも主要株を取引する「メインボード」と中小株を取引する「科創板」「中小板」などが分かれています。

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 上海市場・深セン市場についててはA株・B株という区分があり、基本的にA株が中国国内の投資家向け、B株が海外投資家向けとなっており、上記の表を見ていたらければわかる通り、A株の市場が圧倒的に大きいです。
 近年では滬港通・深港通と呼ばれる制度により、海外個人投資家でも一部の上海A株・深センA株を購入できるようになりました。

 上海市場の時価総額上位銘柄を眺めると、銀行や証券会社といった国有企業が名を連ねており、金融セクターの比率は32.9%にもなります。
 金融/不動産/生活必需品といったオールドエコノミー企業が中心です。

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 ちなみに第一位の貴州茅台酒(Kweichow Moutai)は白酒「茅台酒」を製造している時価総額世界最大の飲料メーカーで、粗利益率90%超・売上高も過去3年で2.2倍になるなど、ハイテク企業に劣らない高収益・高成長企業です。

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 深セン市場の時価総額上位銘柄はこちら。名前からイメージしにくい企業が多いですが、食品・EV部品・ヘルスケア・金融など多岐に渡っています。深センは「アジアのシリコンバレー」とも呼ばれており、ハイテク系企業の本社が置かれていることもあり、情報技術関連やそれを支える製造業の比率が大きくなっています。

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 一位の寧徳時代新能源科技(CATL, Contemporary Amperex Technology)は世界最大手の電気自動車向けのリチウム電池メーカーです。

 また香港市場の上場銘柄は以下の3つに分類されます。
 ・『H株』:登記地が中国の本土企業が香港で発行する株式⇒288社
  ⇒重厚長大型の国有企業が中心。本土のA株市場に上場している企業も
 ・『レッドチップ』:一般に中国資本が30%以上で、香港またはバミューダ、ケイマン諸島などのタックスヘイブンで登記されている銘柄⇒176社
  ⇒中国中央政府や中国地方政府の影響が強く安全性が高いとされる銘柄
 ・それ以外

  ⇒香港の地場企業、海外企業など

 香港市場の中でも『H株』で構成されるハンセン指数の上位銘柄を見てみると、アリババ・テンセントなど米国株投資家にも馴染みのあるハイテク企業の名前が並んでいます。
 前述の表の通り上海B株/深センB株については企業数・時価総額共に投資先が非常に限られていることや、成長力の大きいハイテク企業を擁することから、香港市場への海外投資家の注目度は高くなっています。

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 中国株への投資にあたってはAB価格差やAH価格差・単元制など他にも勉強することが多いのですが、今回はETFの紹介と言うことで省略させていただきます。

 いきなり専門用語が沢山出てきて混乱されるかもしれませんが、
 ひとまず以下のポイントだけは押さえておきたいです。
 ・「上海市場」「深セン市場」「香港市場」の3つに分かれている
  上海市場  ⇒金融/不動産/資本財など国有企業オルエコ中心
  深セン市場 ⇒ハイテク・製造業中心
  香港市場  ⇒オルエコとハイテク大手が入り混じる
 ・海外個人投資家が投資できるのは一部分
  -基本的には「上海B株」「深センB株」「香港株」が投資対象
  -近年になって「上海A株」「深センA株」も一部買えるようになった
  -人気の高いアリババ・テンセントなどは「香港株」


2. 本記事で紹介するETFおよび指数一覧

 本記事ではネット証券大手『楽天証券』『SBI証券』『マネックス証券』にて取り扱いのあるETFのうち、『中国企業の株式』のみに投資するETFを集めました。(債券系や新興国全体に投資するETFは除外)

 米国市場のほか、東証・香港・シンガポール市場に上場しているETFを含め、33個のETFが取り扱い対象となっていました。
 2021/1/10時点での各証券会社の取り扱い銘柄を抽出&マージしていますが、抜け漏れや追加があればこっそり教えていただけますと幸いです。。。
 ※指数別に紹介しますので、下記表は見なくても大丈夫です。

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 上記ETFで採用されている指数を市場別に分類すると、以下のようになります。【】内の数字はETFの個数を表しています。

中国市場全体】
-MSCI チャイナ インデックス【2】
-MSCI チャイナ・トータルリターン・ネット・インデックス【1】

【上海/香港A株】
- CSI 300 指数【9】
- CSIスモールキャップ 500指数【1】
-FTSEチャイナA50指数【2】

【上海市場】
- 上海180指数(SSE180)【1】
- 上海50指数(SSE50)【1】

【深セン市場】
- SME-CHINEXT 100指数【1】

【香港市場】
- ハンセン指数(HSI)【2】
- ハンセンH株指数(HSCEI)【3】
- ハンセン高配当利回り指数【1】

-FTSEチャイナ25指数【1】
-FTSEチャイナ50指数【4】


【その他・テーマ系】
-WisdomTree China ex-State-Owned Enterprises Index【1】
-Solactive China Biotech Index【1】
-Solactive China Cloud Computing Index【1】
-CSI Overseas China Internet Index 【1】

 各大項目ごとの代表的な指数とS&P500の過去1年間のパフォーマンスを比較してみると、約半数の指数でS&P500をアウトパフォームしていました。上位の指数は特に年末年始の急上昇が顕著ですね。

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 上記で挙げている指数を市場および企業規模に合わせマッピングした図が下記になります。ごちゃごちゃしていてすみません...
 あくまでイメージですので、図中で重なっている指数同士の組み入れ銘柄が必ずしも重複しているというわけではございません。逆も然りです。
 (もし間違っていたらこっそり教えてください)

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 PCでご覧になっている方は上記の図を右クリックから新しいタブで開き、別ウインドウに移して見比べながら以降の記事を読んでいただくとイメージがつかみやすいかと思います!

 次章以降では上記の大項目と指数毎に、組み入れ銘柄とパフォーマンスを確認していきます。


①【中国市場全体】

-MSCI チャイナ インデックス【2】
-MSCI チャイナ・トータルリターン・ネット・インデックス【1】

 MSCIチャイナインデックスは米MSCI社が設定したベンチマークで、中国企業への投資を行う際の最も有名な指標シリーズの1つです。
 中国国内市場のみでなく海外ADR上場も含めた「中国企業」へまとめて投資することができる指標で、大型/中型株中心に時価総額の上位約85%をカバーしています。
 一方で、上海/深センA株は「世界中の人が投資できるわけではない」という理由で組み入れ比率はわずかとなっています。
 上位構成銘柄は以下のようになっており、アリババ・テンセントをはじめとしたハイテク企業が大きな割合を占めています。

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 一方でETFとしての取り扱い本数は少なく、基本的には香港市場上場の
02801 iシェアーズ MSCI チャイナ・インデックス ETF
03040 ホライゾンズ MSCI 中国 ETF

のいずれかを通して投資することになります。
 シンガポール市場のDMCNも連動してはいますが、出来高が小さくボラティリティが高いため、当該指標への投資候補としては不適切と考えます。

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 過去1年のパフォーマンスはS&P500をアウトパフォームしています。経費率や最低購入価格(約61300円)を考慮すると、
誤差レベルですが03040 ホライゾンズ MSCI 中国 ETFに軍配が上がります。
 ただし、出来高は02801の方が大きいので好みですね。

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 感覚的にはVTIに近いかなと思います。
 こんな人におすすめ...
 ・ざっくり中国全体の成長にまんべんなく投資したい
 ・その中でも特にアリババやテンセントに期待している


②【上海/香港A株】

- CSI 300 指数【9】
- CSIスモールキャップ 500指数【1】

 CSI300指数は中证指数有限公司が作成しているインデックスで、「上海A株」「深センA株」のうち、時価総額および流動性の高い300銘柄で構成されている株価指数です。(参考)
 上位構成銘柄は生活必需品・金融などを中心に中国国内でトップシェアを収めるオールドエコノミー系企業が名を連ねています。

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 ETFとしての取り扱い本数は東証2,香港4,米国3となっています。米国ETFのうちDirexion社のETFはブルベアそれぞれのレバレッジETFです。

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 過去1年のパフォーマンスはS&P500をアウトパフォームしています。レバレッジETFは一旦除外するとして、GLCN,1575は他ETFと同じ指数を採用しているにも関わらずパフォーマンスが大きく劣後しており、適切なトラッキングが行われているのか疑問です。
 経費率・資産額の観点から見ても東証1322 上場インデックスファンド中国A株(パンダ)E Fund CSI300が投資対象として適切であると考えます。

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 感覚的にはVOOに近いかなと思います。
 こんな人におすすめ...
 ・中国A株全体に投資したい
 ・中国ハイテク株は別で保有していて、分散を図りたい


 また、同じく中国A株の中でもCSI スモールキャップ 500指数は、CSI300指数を構成する上位300銘柄を除いた500銘柄で構成されています。
 セクター比率は以下の通り製造・素材等のオルエコ企業が多く、TOP10の組み入れ比率も小さいです。1つも知ってる企業がありませんでした。。。
(参考)

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 投資する場合は東証2553 One ETF 南方 中国A株 CSI500一択となります。

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 パフォーマンスはS&P500をアウトパフォームしていますが、大型株指数であるCSI300と比較するとボラティリティが大きいのが特徴です。
 3月の下落時にほとんど下げていない点も気になりますね。

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 米国指数で言うとS&P600に近い感覚です。
 こんな人におすすめ...
 ・中国A株の中でも小型株に投資したい


-FTSEチャイナA50指数【2】

 こちらはFTSE社が提供する指標で、上海市場/深セン市場のA株の中から時価総額および流動性の高い上位50社を選定した指数になります。(参考)

 構成銘柄とセクター比率はこちら。金融セクターがほぼ半数を占めている他、貴州茅台酒などCSI300指数でも上位の銘柄が並んでいます。

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 投資する場合は円建てと香港ドル建ての2種類。パフォーマンスはほぼ変わりませんのでお好みでどうぞ。

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 過去1年間のパフォーマンスはS&P500指数をアウトパフォームしています。02823 の方がやや上振れ傾向。

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 米国指数で言うとS&P100に近い感覚です。
 こんな人におすすめ...
 ・中国A株の中でも特に大型株に投資したい


③【上海市場】

- 上海180指数(SSE180)【1】
- 上海50指数(SSE50)【1】

 上海市場のみ絞った指数ETFは2つしかないためまとめて紹介します。
 上海180指数(SSE180)は上海市場の代表的な180銘柄(参考)
 上海50指数(SSE50)は上海市場の代表的な50銘柄(参考)

 上海50指数の方がより厳選された50銘柄が入っています。

 上海50指数(SSE50)の構成銘柄とセクター比率はこちら。CSI300指数よりもさらにA株の特徴が色濃く出ており、金融セクターの比率は42.14%になります。組み入れ比率TOPの貴州茅台酒は最低購入価格が約280万円とハードルが高いため、小額から購入したい投資家には嬉しいですね。

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 上海180指数(SSE180)の構成銘柄とセクター比率はこちら。上位TOP10は当然変わらず、より分散された形です。

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投資する場合はそれぞれ一択となります。
東証2530 MAXIS HuaAn中国株式(上海180A株)上場投信
東証1309 NEXT FUNDS ChinaAMC・中国株式・上証50連動型上場投信

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 パフォーマンスはどちらもほとんど変わらず。S&P500ともさほど変わらないパフォーマンスでした。年末年始の上げが激しいので、これからに期待ですね。

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 米国指数で言うとダウ30種平均に近い感覚です。
 こんな人におすすめ...
 ・中国A株の中でも特にオルエコ銘柄に集中投資したい
 ・貴州茅台酒欲しいけど買えない...


④【深セン市場】

- SME-CHINEXT 100指数【1】

深セン市場のA株全体に投資するようなETFは日本からは購入できないのですが、SME-CHINEXT 100指数はその中でも中小新興企業が集まる「中小板」「創業板」と呼ばれる取引所の中で時価総額および流動性の高い100銘柄が組入れられた指数です(一部例外アリ?)。

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 セクター比率と上位組み入れ銘柄は以下の通りで、深センと言うだけあってハイテクや製造業・バイオ関連企業が名を連ねている印象です。
 特にEV銘柄として注目度の高い「CATL」「BYD」が上位に組み込まれている点はポイント高いですね。

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 投資する場合は CNXT 一択です。

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 パフォーマンスは今回ご紹介するETFの中でレバレッジ系を除き最も高く、QQQを凌駕しています。

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 米国指数で言うとQQQJ:NASDAQ Next Gen 100とかが該当するイメージですかね...
 こんな人におすすめ...
 ・波に乗っているハイテクやEV関連企業を買いたい
 ・とにかくパフォーマンスのよいETFが欲しい


⑤【香港市場】

- ハンセン指数(HSI)【2】
- ハンセンH株指数(HSCEI)【3】
- ハンセン高配当利回り指数【1】

 ハンセン指数(HSI)は香港市場を代表するH株およびレッドチップから選定された約50銘柄からなる指数です。(参考)
 もともとレッドチップ銘柄中心でしたが、近年H株が増加
 ハンセンH株指数(HSCEI)は上記に加えてPチップと呼ばれる民営企業銘柄を含めた香港市場全体の中から選定された約50銘柄からなる指数です。(参考) こちらは元々H株中心で、2018年以降レッドチップやPチップ追加
 ハンセンH株指数(中国企業指数とも)の方がカバー範囲が若干広くなっています。
 ハンセン高配当利回り指数は香港市場上場銘柄の中から配当利回りの高い50銘柄を抽出した指数です。(参考)
 配当利回りは5.17%と高く、中国株で高配当投資を検討するなら候補に入るのではないでしょうか。

 ハンセン株指数のセクター比率と上位組み入れ銘柄は以下の通りで、上位にテンセント・アリババを含むものの、約半数は国有・地方銀行を含む金融セクターとなっています。

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 ハンセンH株指数も同様ですが、上位にアリババが含まれていません。

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ハンセン高配当利回り指数の上位構成銘柄は以下のようなっています。あまり聞いたことのない企業が多いです。LENOVOくらい?

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 国内ETFはレバレッジ系ETFしか取り扱われていないため、香港ETFを用いて投資するのが基本になります。

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  パフォーマンスは全てのETFでS&P500指数を下回っています。ETFの上位銘柄の株価推移を見てみると、テンセント・アリババ等が上昇をけん引する一方で、HSBC/中国建設銀行などの国有銀行系の株価が低迷しており、指数全体の足枷となっている状況でした。。。

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 こんな人におすすめ...
 ・金融セクターの反転上昇に賭けたい
 ・香港市場全体に投資したい
 ・中国株の高配当ETFが欲しい


-FTSEチャイナ25指数【1】
-FTSEチャイナ50指数【4】

 英FTSE社が提供する指標で、香港市場の上場企業の中から時価総額および流動性の高い上位25社/50社をそれぞれ選定した指数になります。

 FTSEチャイナ25指数のセクター比率と上位組み入れ銘柄は以下の通りで、ハンセン指数と比較すると、金融セクターの比率が高い点は変わりませんが、情報技術セクターの比率がかなり大きい点に注目です。
 上位構成銘柄もハイテク企業が並んでいます。

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 FTSEチャイナ50指数はこちら。上位組み入れ銘柄に貴州茅台酒やNIOが加わっているほか、情報技術セクター比率が1位になっている点にも注目です。

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 FTSEチャイナ25指数に投資したい場合は $FXI 一択となります。
 FTSEチャイナ50指数の場合、純資産額や経費率の観点から03007 db x トラッカーズ FTSE中国 50 UCITS ETFがおすすめです。
 米国ETFは両方ともレバレッジETFになります。

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 パフォーマンスは全てのETFでS&P500指数を下回っています。もう少し健闘するかと思ったのですが、やはり金融セクターが足枷になっているのか...

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 ここまで分析を進めて気になった点が一点。。。

 S&P500より成績の良い「FTSEチャイナA50指数」や「上海50指数」
 S&P500より成績の悪い「FTSEチャイナ50指数」や「ハンセン指数」
 共に金融セクターの比率が40%以上と高いにも関わらず、ここまでパフォ
ーマンスに差がつくのはなぜなのか?

 ここで改めて最初に提示した指数毎のパフォーマンス比較を見てみると、オルエコ比率の高い「CSI300」「FTSEチャイナA50指数」「上海50指数」などのパフォーマンスがいい一方で、香港市場でアリババやテンセントなどのハイテク企業を上位に擁する「FTSEチャイナ50指数」や「ハンセン指数」はS&P500にアンダーパフォームしています。意外ではないでしょうか?

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 改めて「FTSEチャイナA50指数」「ハンセン指数」の構成比率を並べてみてみると、セクター比率はさほど変わらないことがわかるかと思います

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 「FTSEチャイナA50指数」「ハンセン指数」の金融セクター上位7銘柄の業種と構成比率・過去1年間のパフォーマンスをまとめたものが下記の表になります。ハンセン指数を構成する中国建設銀行などの国有銀行が軒並み下落する一方で、FTSEチャイナA50指数を構成する民営銀行系は株価が回復傾向となっており、その多くが年初来でプラスとなっています。

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 この点については更に調査を進めたいと思いますが、単純にセクター比率で比較するのではなく、A株とH株の違いや、中国共産党の影響度なども考慮して投資先を検討する必要がありそうです。
 


⑥【その他・テーマ系】

-WisdomTree China ex-State-Owned Enterprises Index【1】
-Solactive China Biotech Index【1】
-Solactive China Cloud Computing Index【1】
-CSI Overseas China Internet Index 【1】

 最後はテーマ系ETFの紹介になります。
 CXSE:中国ニューエコノミー株
 CWEB:中国インターネット株(ブル2倍レバ)
 02820:中国バイオ株
 02826:中国クラウドコンピューティング株

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 CXSEは中国企業のうち、中国政府の保有率が20%以上の銘柄を除いた、いわゆるニューエコノミー企業に投資するETFです。
 セクター比率と構成銘柄は以下の通り。米国株投資家からも人気の銘柄が並んでいます。(ETF.com)

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 CWEBは中国のインターネット関連企業群に投資するETFです。レバレッジがかかっているため、長期では減価する点に注意。同じ指数を採用しているノンレバレッジETFとしてKWEBがありますが、3大ネット証券では取り扱いがありません。(ETF.com)

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 02820 グローバルX チャイナバイオテック ETFは中国のバイオ銘柄に投資するETFです。バイオ系ETFといえばARKGが人気ですが、ARKGは中国バイオ銘柄はカバーしていませんので、こちらで補完することも可能です。(引用)
 上位構成銘柄は下記の通り。薬明生物技術:2269が15%と大きな割合を占めている点が特徴的です。

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 02826 グローバルX クラウドコンピューティング ETFは中国のクラウドコンピューティング銘柄に投資するETFです。(引用)
 上位構成銘柄は下記の通り。アリババ・テンセント・美団といった銘柄に加え、ポータルサイト運営のNetEase, データセンターのGDSなどが組み込まれています。

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 過去1年のパフォーマンスではいずれもS&P500を大きくアウトパフォームしています。

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まとめ

 あらためて今回ご紹介したETFのマッピングを眺めてみます。

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パフォーマンス◎
 「CHINEXT」および各種テーマETF

パフォーマンス○
 「CSI300指数」「FTSEチャイナA50指数」「上海50指数」など
 上海/深セン市場のA株に投資するETF

パフォーマンス△
 
「FTSEチャイナ50指数」や「ハンセン指数」など
 香港市場のH株に投資するETF

 2021年も同様の傾向が続くかはわかりませんが、中国国内の景気回復が継続する一方でアリババ等の大手ハイテク企業へは圧力がかかっており、引き続きA株優位の相場が継続するのではないかと予想します。

 中国市場への投資はなんとなくハードルが高く感じてしまいますが、同時に高成長企業が割安なバリュエーションで残っている側面もあり、魅力的な市場です。個別株への投資は難易度も高いため、まずはETFで基礎固めを計ってみてはいかがででしょうか。

 例えば私の場合なら、米国株はハイテク・グロース銘柄が多いため、セクター分散も考え「FTSEチャイナA50指数」などをベースに、国策に乗れるようなテーマ型ETFを検討する、といった感じでしょうか。

 また、特に個別でほしい中国株があるけれども単元制がネックで購入できない...と言う方は、アクティブ型の投資信託を活用するのもアリです。
 例えば楽天証券で取り扱われている中国株の投資信託の中でYTD+50%↑となっているアクティブ型投資信託には以下のようなものがあります。
 ただし、何れも経費率が1.2~1.7%とインデックス型投資信託と比べかなり高く、パフォーマンスが保証されていない点にはご注意ください。

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補足:3大ネット証券では取り扱いのないオススメETF

 参考として、2020年のパフォーマンスが良好だった中国株ETFのTOP10ランキングと、中身の簡単なご紹介です。(レバレッジETFは除外)

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【KGRN】YTD+138.49%
 収益の50%以上を環境に有益なサービスおよび製品から得ている中国企業に投資するETFです。上位企業はNIO、 信義光能、BYDなど

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【CHIQ】YTD+92.61%
 中国の一般消費財セクターに投資するETFです。美団・BABA・JD・PDDなどEコマ関連大手の他、NIO・吉利汽車・BYDなどEV関連銘柄も。

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【KURE】YTD+68.97%
 中国のヘルスケアセクターに投資するETFです。バイオ関連も国策の1つであり注目です。薬明生物技術・江蘇恒瑞医薬など。
 同じヘルスケアセクターETFとしてCHIHもありますが、こちらとはインデックスに含まれる企業ウェイトの上限が異なっており、KUREのほうがやや分散されています。

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 セクター系ETFは他にもCHIK(情報技術),CHIS(生活必需品)などもパフォーマンス良好です。
 セクター毎の傾向なんて読めないよ、と言う方は、3大ネット証券でも取り扱いのあるCXSEや、CQQQ(中国版QQQ)、PGJ(米国上場の中国企業ETF)などもおススメです。

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あとがき

 ここまでご覧いただきありがとうございました!
 今ままで何となく「中国株といえばアリババ・テンセント」「共産党の規制がヤバイ!」といった漠然としたイメージを持たれていた方も、中国市場全体のイメージがなんとなく掴めたのではないでしょうか。
 中国株初見の方は見知らぬ用語&企業ばかりで少し読みづらいかもしれませんが、マッピング表などと見比べつつご自身に合ったETFを見つけれていただければと思います。

最後に、以下の免責事項についてもご確認ください↓

本記事を閲覧し、その内容を参照した事によって何かしらの損害を被った場合でも、本記事の執筆者は責任を負いません。
本記事では株式や債券などの様々な金融商品の紹介、解説を行っておりますが、これらの投資は元本を保証するものではございません。
投資にあたってはそれぞれの金融商品における元本割れなどのリスクを十分に理解いただいた上で、自己責任にて投資を行ってください。本記事では可能な限り正確な情報を掲載するよう努めておりますが、情報が誤っている・情報が古くなっている可能性がございます。本記事に掲載された内容によって生じた損害等の一切の責任を負いかねますのでご了承ください。

それでは、ETFを賢く使って楽しい中国株ライフを!('◇')ゞ

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