みんなが好きな「『百年の孤独』みたいな大河小説」ベスト10
文庫化がたいへん話題になっている『百年の孤独』にちなみ、Twitterでこんなことを言ってみたら、ひと晩で100作を超える作品が集まってきて頭を抱えている。
もちろん反応があるのは嬉しいけど、ここまでとは思わなかった。どうしよう。せっかく皆さんが教えてくれたのに、私が見て「いいね」をつけて楽しむだけではもったいない気がする。
なので、リストアップして、数の多い順に並べることにした。
2024年6月30日の9時47分(ツイートした時間)から、7月1日の正午までの集計です。全部で169。ひとりで複数挙げてくれた作品もすべて勘定に入れました。
リプライ、引用リツイート……空リプも気づいた範囲で拾ったけど、もし漏れがあったら申し訳ありません。シリーズの中の1作を挙げてくれたり、シリーズ全体をお薦めしてくれたりしているのは、私の独断で分けたりまとめたりしています。あと内容は精査しておりませんので、ぜんぜん複数世代にわたっていない物語も入っている可能性はあります。
いろいろ至らないところは、何卒ご容赦ください。
では、10位までを発表します。
【1位】14人
『楡家の人びと』北杜夫
【2位】6人
『チボー家の人々』ロジェ・マルタン・デュ・ガール
『ブッデンブローク家の人びと』トーマス・マン
【4位】5人
『大地』パール・バック
【5位】4人
『千年の愉楽』中上健次
『パチンコ』ミン・ジン・リー
『べっぴんぢごく』岩井志麻子
『笛吹川』深沢七郎
【9位】3人
『ルーツ』アレックス・ヘイリー
『アブサロム、アブサロム!』ウィリアム・フォークナー
『永遠の都』加賀乙彦
『警官の血』佐々木譲
『天冥の標』小川一水
『紀ノ川』有吉佐和子
とにかく『楡家の人びと』が強い!
あとノーベル文学賞作家がすごく多い。『楡家』に続く3作品はみんな受賞者の代表作。あとはフォークナーも。
中上健次はお薦めの作品が割れたのでこの順位ですが、作家別のランキングなら2位です。
あとマンガなので除外しましたが『ジョジョの奇妙な冒険』を挙げてくれた人が7人もいるので本当は単独2位なんですよ……。ジョジョはノーベル賞よりすごい。確かに「主人公が代替わりする壮大な物語」の魅力を最初に教えてくれたのって、この作品だったかもしれない。
続いて、2人が挙げてくれた作品を並べます。(順不同)
『ときめきトゥナイト』池野恋
『精霊たちの家』イザベル・アシェンデ
『嵐が丘』エミリー・ブロンテ
『炸裂志』エン・レンカ
『大聖堂』ケン・フォレット
『警察署長』スチュアート・ウッズ
『枯木灘』中上健次
『奇蹟』中上健次
『ワイルド・スワン』ユン・チアン
『邯鄲の島遥かなり』貫井徳郎
『平家物語』古川日出男/訳
『血脈』佐藤愛子
『源氏物語』紫式部
『奏で手のヌフレツン』酉島伝法
『俺の屍を越えてゆけ』桝田省治(ゲームデザイン)
『助左衛門四代記』有吉佐和子
説明不要ですが『ときめきトゥナイト』はマンガです。あと『俺の屍を越えてゆけ』はテレビゲーム。これだけでも東西の古典的名作から人気作家の最新作まで含んだ素晴らしいラインナップだと思う。
そして、ひとりが挙げてくれたこだわりの作品群。(順不同)
『指輪物語』J・R・R・トールキン
『チグリスとユーフラテス』新井素子
『星へ行く船(他、コバルト文庫のシリーズ)』新井素子
『彼方なる歌に耳を澄ませよ』アリステア・マクラウド
『火星夜想曲』イアン・マクドナルド
『黎明の王 白昼の女王』イアン・マクドナルド
『灯台へ』ヴァージニア・ウルフ
『ジョイ・ラック・クラブ』エィミ・タン
『ウォーリアーズ』エリン・ハンター
『異形の愛』キャサリン・ダン
『王朝四代記』ククリット・プラモート
『ベルリン三部作(1919・1933・1945)』クラウス・コルドン
『六道ヶ辻シリーズ』栗本薫
『鳥の歌いまは絶え』ケイト・ウィルヘルム
『地下鉄道』コルソン・ホワイトヘッド
『征途』佐藤大輔
『あすなろ坂』里中満智子
『ケインとアベル』ジェフリー・アーチャー
『ゲームの達人』シドニィ・シェルダン
『氷と炎の歌』ジョージ・R・R・マーティン
『エデンの東』ジョン・スタインベック
『グリークス』ジョン・バートン/ケネス・カヴァンダー(編)
『リーマン・トリロジー』ステファノ・マッシーニ
『雪の練習生』多和田葉子
『鯨』チョン・ミョングァン
『火の山-山猿記』津島佑子
『レオポルトシュタット』トム・ストッパード
『地の果て至上の時』中上健次
『岬』中上健次
『彼女はマリウポリからやってきた』ナターシャ・ヴォーディン
『九時半の玉突き』ハインリヒ・ベル
『土地』パク・キョンニ
『レ・ミゼラブル』ビクトル・ユゴー
『棺のない埋葬』 ファン・ファン
『楊家将演義』作者不明
『デューン砂の惑星』フランク・ハーバート
『ゴッドファーザー』フランシス・フォード・コッポラ監督
『北京から来た男』ヘニング・マンケル
『ドラゴンクエストV 天空の花嫁』堀井雄二(ゲームデザイン)
『舟を編む』三浦しをん
『櫂』宮尾登美子
『孟夏の太陽』宮城谷昌光
『血族』山口瞳
『華麗なる一族』山崎豊子
『大奥』よしながふみ
『血脈 西武王国・堤兄弟の真実』レズリー・ダウナー
『シンセミア』阿部和重
『流離譚』安岡章太郎
『雲の都』加賀乙彦
『ロマンシングサ・ガ2』河津秋敏(ゲームデザイン)
『サガフロンティア2』河津秋敏(プロデューサー)
『颶風の王』河﨑秋子
『リア家の人々』橋本治
『アラビアの夜の種族』古川日出男
『聖家族』古川日出男
『白夜を旅する人々』三浦哲郎
『導きの星』小川一水
『地図と拳』小川哲
『機動戦士ガンダムAGE(小説版)』小太刀右京
『われ逝くもののごとく』森敦
『本格小説』水村美苗
『始まりの魔法使い』石之宮カント
『夜明け前』島崎藤村
『カムカム・エヴリバディ』藤本有紀(脚本)
『男樹』本宮ひろ志
小説の他に、マンガ、ゲーム、映画、朝ドラ、戯曲など、さまざまなジャンルの作品が挙げられています。『氷と炎の歌』は海外ドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』の原作。
読んだことがない……どころか、初めて知った作品もたくさんある。どうしても長大重厚なものが多いので、次から次と読破するのは難しいけれど、とくに気になる作品から少しずつ手に取ってみたいと思います。
集計はこれで終わりますが、その後もリプライや引用リツイートで教えてくれる人がたくさんいらっしゃいます。ありがとうございます。楽しみに拝見します。皆さまもぜひご覧ください。