海上自衛隊は、艦船の乗組員が遠洋航海中も私物のスマートフォンを使えるよう、米スペースXの衛星インターネットサービス「スターリンク」の試験を始める。15日、システムを搭載した練習艦「かしま」艦内を東京・晴海で報道陣に公開し、明らかにした。20日からの遠洋練習航海で検証し、3年後をめどにほぼ全ての艦艇への搭載を目指す。
海自によると、これまでは静止軌道を回る衛星を使って家族や知人とメールのやりとりをすることができたが、速度が遅く、通信に難があった。隊員の定員割れが続く中、職場環境の改善で志願者増につなげたい考え。
多数の衛星が低軌道で回るスターリンクが昨年7月に海上利用のサービスを開始したことを受け、乗組員の福利厚生の一環として、導入の検討を開始。5月、かしまと練習艦「しまかぜ」に各2基のアンテナを取り付けた。食堂や居住区画に設けたWi―Fiルーターを通じ、休憩時間にスマホやタブレット端末で動画配信サービスなどを利用できる。