中国の自動車輸出台数が2023年に日本を抜き、初めて世界首位となる見通しとなったことが28日、分かった。日本自動車工業会(自工会)が同日発表した1~11月の輸出は399万台だった。中国自動車工業協会によると、中国の1~11月の輸出は441万2千台に達した。前年同期に比べ約6割増えており、年間でも日本を上回るのは確実な情勢だ。
中国メーカーは政府の後押しを受けて技術力を高め、低価格で高品質な電気自動車(EV)の輸出を伸ばした。ロシア向けのガソリン車も急増した。ロシアのウクライナ侵攻を契機に、日米欧メーカーのロシア撤退が相次いだことが影響した。
自工会などの比較可能な国別のデータによると、日本の首位陥落は16年以来となる。16年のトップはドイツだった。輸出の軸をガソリン車に置いてきた日本勢は、EV戦略の強化が急務となりそうだ。
中国の輸出は20年まで100万台前後で推移した後、21年に201万5千台、22年は311万1千台と急ピッチで増加した。