戦前の映画検閲でカットされた“切除フィルム”がYouTubeで公開され話題に 「日本映画史資料として最高に貴重」「国立機関だからこそ出来る偉業」(1/2 ページ)
詳しい資料は国立映画アーカイブの公式サイトにて公開中です。
国立映画アーカイブは10月27日、戦前日本の映画検閲で切除されたシーンの断片集をYouTubeで公開。当時の貴重な資料に「これは国立機関だからこそ出来る偉業」の声が上がり話題になっています。
この“切除フィルム”は、10月15日開催のユネスコ「世界視聴覚遺産の日」記念特別イベントで初公開。1988年に国立映画アーカイブに寄贈された鳥羽幸信コレクションからの映像で、主に1925年から1939年に内務省警保局の検閲でカットされたフィルムと推定されるとしています。
今回公式YouTubeチャンネルで公開されたのは、さまざまな作品の切除シーンを集めた「サイレント・カット場面集」の邦画版と洋画版に、『落花の舞』(池田富保監督・1925年)と推定されるシーンを、あらすじなどを手掛かりに映画の物語に登場する順に編集した切除フィルムの3つです。
切除理由が「残酷」となっている『日輪』(衣笠貞之助監督・1925年)のカットシーンなど、すでに失われた日本映画で、さらに当時の観客すら見られなかった場面が90年以上の時を経て公開されるという出来事に、Twitterでは「これはすごい」「日本映画史資料として最高に貴重」と話題に。なかには「ニューシネマパラダイスを思い出す」なんて声もみられます。
各作品の切除理由などの資料は公式サイトにて確認でき、上記イベントで配布された『カット場面集』と講演採録がPDFで公開中です。詳しく知りたり方はこちらを確認するといいでしょう。なお、当然ですが“切除フィルム”はキスシーンや暴力的なシーンなど、インパクトのある映像が多いので苦手な方は注意しましょう。
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