データとして役立たない「神エクセル」問題に解決の兆し 河野太郎議員が文科省へ全廃を指示
見ばえを優先してエクセルをワープロのように使った結果、データの再利用が困難な形式になった書類は、一部で「神エクセル」と呼ばれ批判されていました。
自民党の河野太郎議員が、一部で「神(ネ申)エクセル」と呼ばれるエクセルをワープロのように使って作成された書類について、自治体に改善させる意向を示しました。公式Twitterで、限定的ながら文科省での全廃が表明されています。
ツイートで例示された書類は、日本学術振興会の科学研究費助成事業に関するページで公開された応募用紙。エクセルのワークシートを方眼紙のように整え、記入項目を1セルに1文字ずつ入力させる形式になっています。当然、この体裁では氏名や住所などが文字ごとにバラバラになったデータに仕上がるため、応募者のデータベース化が非常に困難になります。
この例に限らず、セル結合を多用するなど見ばえを優先するあまりデータとしての再利用性が低くなったエクセルファイルは、以前から自治体等で多用されていました。このようなファイルは一部で「神エクセル」もしくは「紙(への出力しか考えていない)エクセル」と呼ばれるとともに、批判の声も多数。2013年には、神エクセルが日本の生産性を落としているのではと議論を呼んでいました。
今回の全廃表明に至った発端は、河野議員が科研費などの競争的資金についてルールの統一を発表したことから。このツイートに言及した「ずさんな申請書の体裁が研究者から時間を奪っている」といった意見に、河野議員は意欲的に反応。書式に関する意見を広く求めた結果、「数字の全角と半角を混在させない」「数値のセルに文字を混ぜない」など、多くの要望が寄せられました。
多くの意見を聞き、神エクセルの全廃へ動いた河野議員には賞賛の声多数。さらに厚労省などでも廃止してほしいといった要望が寄せられているようです。
(沓澤真二)
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