ガンプラ作れないからって、レゴで完全変形リボーンズガンダム作っちゃったんですかっ!?:なんだただの天才か
レゴブロックのガンダム作品が「カッコイイ」「完全変形」なのはもはや当たり前。レゴ王が目指すのはその先! オリジナル作品制作の極意は、まずは好きなものに「似せてみる」ことにあり!!
レゴ王、ガンプラは挫折しレゴで制作
「いやー、大好きなガンダムを部屋に飾りたいなと思って、モデラーの知り合いに聞いてみたんですけど、パーツの切り方とか塗装の仕方とか細かくて、ガンプラは自分には無理だなって……」
いやー、普通の人はレゴブロックで作るほうが無理ですって。実はさとぴサンこと佐藤 洋(さとう ひろし)氏は、テレビチャンピオン2の第3回レゴブロック王選手権の優勝者なんです。さすがレゴブロック王。言うことが常人とは違います。
ちょうど「ガンプラは無理だな」と思ったのと同時期に、さとぴサンがレゴブロック王になったのを知ったガンダム好きの友人が、「レゴでガンダムも作れるの?」と問いかけたこともきっかけとなって、「敬愛する至高のモビルスーツ」とさとぴサンが言ってはばからない記念すべきガンダム作品第1弾、ゼータガンダム(ウェイブライダー完全変形)に挑戦。次にアカツキ(オオワシ、シラヌイ換装可能)、そして今回のリボーンズガンダム(リボーンズキャノン完全変形)の制作へと繋がったわけです。
子供の頃から変形ロボットが大好き
さとぴサンは、レゴ歴約15年。特に学校で機械や建築を専攻していたわけでもなく、現在も技術職でないごくごく普通のビジネスマンをやっている。ただ、子供の頃からアニメのロボットが大好きで、小学生の時ふとアニメ版「トランスフォーマー」のロボットがレゴで再現できないかと、「クルマから変形するロボットを作ってみたら思った以上に良くデキて感激したという思い出がルーツとなっているかも」とのこと。
レゴから離れていた時期もあったそうですが、大学生時代に記念に1作品作って残ったパーツは親戚の子供にあげようと思ったら、またしても思った以上の良いデキでレゴ熱が再燃。このとき制作した変形ロボット1号からすでにミニフィグ(人形)1体搭乗可能で、抜き差しなしの完全変形だったところがさすがのこだわりです。
下世話なのですが、素朴な疑問としてとレゴブロックオリジナル作品にトライする方の参考のため予算を確認したところ、いろいろなパーツを使用しているので正確なところは分からないが、リボーンズガンダム級の作品に費やすパーツをすべてそろえると10万円以上になってしまうとのこと。
どうしてアバウトな話になってしまうかというと、さとぴサンの場合、2回のテレビチャンピオン出演の際に出演料の代わりに支給されたレゴブロックがあって、それを活用しているため。
ちなみに、最初の出演で番組からの50万円分に加えてレゴ社からも提供があり、2回目の出演でも、番組からの70万円分に加えてやはりレゴ社からの提供もあったそう。それがガンダム3機体に有効活用されており、基本的に今持っているパーツで作品を制作するようにしているそうです。
「カッコイイ」「完全変形」よりも実は……
再現度の高い作品をハタから観ていると、さぞかし外観にこだわって制作しているのかと思いきや、「カッコイイ」「完全変形」などはもう、さとぴサンには当然過ぎること。実は、見た目を多少犠牲にしても、「関節の可動範囲」や「強度」にこだわっていて、「動かなければ意味がない。変形やポージングしたときに、パーツがバラバラ外れたりといったことは許しがたい」のだそう。
制作でいちばん苦労するのも、見た目のクォリティを確保しつつ、可動範囲と強度を犠牲にしないというところだそうなので、映像もそのあたりのバランス感覚が見どころです。
まずは好きなものに「似せてみる」
「自分もレゴブロックでオリジナル作品を作ってみたいな」と思っている読者諸兄姉にアドバイスをお願いしたところ、まずはクルマや飛行機などなんでも良いので、自分が好きな一番作りたいものに「似せてみる」こと。持っているパーツと見比べて、どのパーツが似ているかイメージしてみること。そうやって経験を積んでいると、どのパーツとどのパーツの組み合わせでどんな形状ができるか想像できるようになり、どんどん表現の幅が広がっていくそうです。
しかし、ガンプラでいえばMG(マスターグレード)かPG(パーフェクトグレード)級、はたまた市販売りのレゴブロックキットかと見まがう作品の完成度は圧巻です。思わず編集長が「ITちゃんも作ってもらえないかなあ」とつぶやいてしまう気持ちも分からないではありません。
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