知る人ぞ知る名作「洞窟物語」がDSiウェアで配信決定! 作者自らが語る「洞窟物語のウラガワ」とは?:日々是遊戯
実は海外ではWiiウェアやニンテンドー3DS用ソフトにもなっている「洞窟物語」が、ようやく日本でも発売されます。もちろん3DSでもプレイ可能!
ようやく日本でも「洞窟物語」が遊べます!
知る人ぞ知るフリーゲームの名作「洞窟物語」が、この冬ニンテンドーDSiウェアとなって発売されることが決定しました。価格は1000DSiポイント、配信日は2011年内予定。もちろんニンテンドーDSiだけでなく、ニンテンドー3DSでも遊ぶことが可能です。
これは11月3日(木・祝)に東京カルチャーカルチャーで行われたトークイベント「洞窟物語のウラガワ」の中で明らかになったもの。海外ではこれまでWiiウェアやニンテンドー3DSなど様々なハードに移植されていた本作ですが、日本での展開についてはこれまで一切アナウンスされておらず、ファンからは国内発売を待ち望む声が多くあがっていました。
「洞窟物語」は、バラエティに富んだ武器とジャンプテクニックを駆使して、広大な洞窟世界を探索していく2Dアクションゲーム。個人開発のフリーゲームながら、その高い完成度とゲームバランスで、今なお多くのファンに遊ばれ続けている作品です。
DSiウェア版では、PC版の完全移植に加えて、新たに「かんたん」「ふつう」「むずかしい」の3種類から難易度選択が可能に。「むずかしい」ではライフカプセルの設置数がかなり減っており、作者である天谷氏(開発室Pixel)でさえ「むずかしい」ではクリアしたことがないとのこと。オリジナルのPC版では、あえてライフカプセルを取らずに進めていく「最大HP縛りプレイ」をしていた人もいましたが、プレイ感覚としてはそれに近いものになりそうです。
またイベントでは、作者である天谷氏をゲストに迎え、「洞窟物語」がどのようにして作られていったかなども明かされました。
天谷氏によると、「洞窟物語」の開発期間は足かけ5年にもおよび、特に最後の1年はほぼ作品のブラッシュアップのみに費やしたとのこと。会場ではブラッシュアップ前の“幻のバージョン”もちょっとだけ公開されましたが、映像を見ると「武器に残弾数がある」「敵を倒すとお金を落とし、それを集めて弾を購入する」といった要素があり、現在の「洞窟物語」とはまったくの別モノ。天谷氏は当初これで完成のつもりだったのですが、これを“プログラムの師匠”である人物に遊ばせたところ「気持ちよくない」と痛烈なダメ出しを食らったのだそうです。
「悩んだんですが、試しに弾数制限をなくしてみたらこれが意外にも面白かった。元々買い物の要素をどうしても入れたくて、残弾数制にしたのも、お店に立ち寄ってもらうためだったんです。でもいざそれを取り払ってみると、それがスリルではなくストレスでしかなかったことに気付いた」(天谷氏)
ほかにもジャンプの手触りや、独特の経験値システムなどについても、最初から「こうしよう」という明確なビジョンがあったわけではなく、作りながら試行錯誤を重ねて現在の形に落ち着いていったのだとか。あの優れたバランスやシステムが、行き当たりばったりと言ってもいいような試行錯誤の積み重ねから生まれていたことに、会場からは驚きの声も。最近ではこうした「職人技」のような作り方のゲームは少なくなりましたが、だからこそ「洞窟物語」はこれほど多くの人を惹きつけることができたのかもしれません。
また「洞窟物語」の名シーンのひとつに、ゲーム終盤で訪れる「外壁」があります。長い洞窟を抜けて、はじめて見る洞窟の外。幻想的なBGMと、流れる雲をバックに外壁をジャンプで登っていく主人公――。実は天谷氏が当初「洞窟物語」で描きたかったのはまさにこの光景で、ほかの部分はそこからアイデアを膨らませる形で少しずつ作り上げていったのだとか。
「『洞窟物語』はこのシーンが描きたくて作ったような作品なんです。ぼくはいつもBGMから作り始めるんですが、ここでこの曲が流れたらみんな感動するだろうな、って思いながらずっと作っていました」(天谷氏)
確かに「洞窟物語」をプレイした人で、あのシーンで驚かなかった人はいないでしょう。数え切れないほどの行ったり来たりを繰り返しつつも、最後までコンセプトがブレることなく、開発のモチベーションを保つことができたのは、「このシーンを描きたい!」というハッキリとした目標があったからなのかもしれません。
イベントの最後には、間もなくオープン予定というDSiウェア版の公式サイトもちょっとだけ公開に。当日の様子はニコニコ生放送でも配信され、累計視聴者数は1万3000人、総コメント数は2万以上にも達しました。世界のゲームファンに愛された「洞窟物語」、まだ遊んだことがない方は、DSi版発売を機にぜひプレイしてみてはいかがでしょうか。ヘーイ!
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